この記事を読んでわかること ・デュピクセントの今後の動向
どうも、こんにちは。
外資系製薬会社経営企画室に勤務するこういちです。
製薬界隈の動向としてリジェネロンへの関心が高くなってきていますね。
みなさんの関心の高さは、私のブログへのアクセス数からも読み解けます。
なぜなら最近1番アクセス数が多いのが、以下の記事だからです。
ということで、今日は追加情報です。
応募を検討している方にお役に立てる追加情報ないかなぁとGlobalサイトを覗いたら、該当しそうな情報が出てきたので共有したいと思います。
情報元は2023年5月4日のREGENERON PHARMACEUTICALS Q1 2023 EARNINGS CONFERENCE CALLです。
たくさん情報はあるのですが、お届けする情報は主に2点です。
- 1つ目は2023年1Qの成績
- 2つ目は直近で関わりが深くなるであろう”デュピクセント”
これら2つにフォーカスして内容をお届けしたいと思います。
それではどうぞ。
ちなみに案件は
は契約を有しているエージェントの一つになります。
リジェネロン社の2023年1Qの成績
まず一言でいって絶好調です。
2023年1Qのファイナンシャルアップデートでハイライトされている部分をご紹介します。
”REGENERON REPORTS FIRST QUARTER 2023 FINANCIAL AND OPERATING RESULTS”
Regeneron Reports First Quarter 2023 Financial and Operating Results
- First quarter 2023 revenues increased 7% to $3.16 billion versus first quarter 2022
- First quarter 2023 Dupixent® global net sales (recorded by Sanofi) increased 37% to $2.49 billion versus first quarter 2022
- First quarter 2023 EYLEA® U.S. net sales were $1.43 billion
- First quarter 2023 GAAP diluted EPS of $7.17 and non-GAAP diluted EPS(a) of $10.09; includes unfavorable $0.42 impact from acquired IPR&D charge
- European Commission approved Dupixent for atopic dermatitis in children aged 6 months to 5 years and Libtayo® in combination with chemotherapy for advanced PD-L1 positive non-small cell lung cancer (NSCLC)
- Aflibercept 8 mg BLA for neovascular age-related macular degeneration (wet AMD) and diabetic macular edema (DME) accepted for FDA priority review with a target action date of June 27, 2023
- Positive results reported in Dupixent pivotal trial for chronic obstructive pulmonary disease (COPD) with evidence of type 2 inflammation; potential to become first biologic to treat COPD by showing significant reduction in exacerbations
- Positive interim Phase 1 data reported for ALN-APP, an investigational RNAi therapeutic in development for Alzheimer’s disease and cerebral amyloid angiopathy
日本語に訳しますと、、、
”リジェネロン、2023年第1四半期の財務・営業概況を発表”
- 2023年第1四半期の売上高は、2022年第1四半期に対して7%増の31億6,000万ドル
- 2023年第1四半期 デュピクセント®グローバル売上高(サノフィ社計上)は、2022年第1四半期に対して37%増の24億9,000万ドル
- 2023年第1四半期 EYLEA® 米国での売上高は14億3,000万ドル
- 2023年第1四半期のGAAPベースの希薄化後EPSは7.17ドル、非GAAPベースの希薄化後EPS(a)は10.09ドル、買収したIPR&D費用による不利な影響0.42ドルを含む
- 欧州委員会より、6カ月から5歳までの小児のアトピー性皮膚炎を対象としたデュピクセント、およびPD-L1陽性の進行性非小細胞肺がん(NSCLC)に対する化学療法との併用療法としてリブタヨ®の承認を取得
- 新生血管性加齢黄斑変性症(ウェットAMD)および糖尿病性黄斑浮腫(DME)を対象としたアフリベルセプト8mgのBLAがFDA優先審査に採択、2023年6月27日を目標アクション日とする。
- 2型炎症を伴う慢性閉塞性肺疾患(COPD)を対象としたDupixentのピボタル試験で良好な結果が報告される;増悪を大幅に抑制することによりCOPD治療薬として初の生物学的製剤となる可能性がある。
Regeneron Reports First Quarter 2023 Financial and Operating Results
- アルツハイマー型認知症および脳アミロイド血管症を対象に開発中のRNAi治療薬ALN-APPの良好な第1相中間データを報告
こういった情報がハイライトされています。
CFO(最高財務責任者)はプレスリリースの中で
「第1四半期の堅調な業績とパイプラインの進展により、2023年のビジネスは力強いスタートを切ることができた。」
と述べています。
デュピクセントとアイリーアに関するアップデートが中心でしたが、そこに、まだPh1かつ中間データであるもののアルツハイマー型認知症の情報もハイライトされていました。
Regeneronが巨大市場を伺っていることを匂わせるようなプレスリリースだと感じました。
それにしても、やはり売り上げ規模が大きい会社ですね。
2023年1Q(1月-3月の3か月間)だけの全世界売り上げは31億6,000万ドル。
仮に1ドル=130円だと換算すると、約4110億円になります。
1年間ではなく、これは3か月のみの数字です。
とてつもない金額です。
こんな企業が日本に進出してきます。
そりゃみんな飛びつくわけです。
デュピクセントのライフサイクルマネジメント
求人情報に敏感な人はすでにご存じかと思いますが、いま出ている求人は”皮膚科”の対象薬を扱うことが情報として出ているかと思います。
リジェネロンが持っているコンパウンドで皮膚科に関係している薬剤といえば、サノフィと共同開発・販売しているデュピクセントです。
おそらくこの薬剤を扱うことになるのでしょう。
前回のブログでも紹介していますが、現在デュピクセントの日本の情報提供はサノフィが単独で行っています。
デュピクセントの効能効果は以下の通りです。
- 既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
- 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)
- 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)
皮膚科以外の適応も有していますね。
皮膚科以外の適応症を扱うことになるかはわかりません。
知っていても、このあたりは公表されている情報ではないので、詳しいことをブログに書くことは避けておきたいと思います。
私の着目点は、このデュピクセントのライフサイクルマネジメントです。
ユニークな資料含め、5/4のコーポレートプレゼンテーションの中で公表されていましたのでご紹介したいと思います。
まずデュピクセントの業績のスライドを紹介します。
USとROW(Rest of World:US以外の国々)の売り上げがハイライトされています。
US(緑の部分)の売り上げが4Q22から1Q23にかけて鈍化していることが若干気になりますが、ROW(オレンジ部分)は順調に売り上げを伸ばしていることがわかります。
1Q22から1Q23の売り上げの伸びは約40%で、2023年の売り上げは~$10B (約1兆3000億円)程とタイトルでは紹介されています。
文章として書かれてあることを日本語訳すると
2023年も薬事・臨床の進展は続く:
アトピー性皮膚炎
6ヶ月から5歳までのAD患者を対象とした初の生物学的製剤としてEC(ヨーロッパ)で承認される
好酸球性食道炎
12歳以上の好酸球性食道炎患者に対する最初の、そして唯一の治療薬としてEC(ヨーロッパ)に承認された。
慢性自然蕁麻疹(Chronic Spontaneous Urticaria)
sBLA(一変申請)がFDAに受理された(PDUFA[承認目標年月日] は2023年10月22日)。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
臨床的に意義があり、統計的に有意な増悪の抑制を示した最初で唯一の生物学的製剤
臨床的に意義があり、統計学的に有意な増悪の抑制と肺機能の改善
Regeneron coporate presentaion May 2023
このような記載です。
デュピクセントはライフサイクルマネジメントも絶好調ですね。
さて次です。
これはユニークだなと思った資料のご紹介です。
これまでデュピクセントが取ってきた適応症と、これから取っていくであろう適応症が1ページにまとまったスライドがありましたので共有します。
スマホだと小さくて見えないですよね。すみません。
順番に見ていくと、
- アトピー性皮膚炎(18歳以上)
- 気管支喘息(12歳以上)
- アトピー性皮膚炎(12歳以上)
- 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(18歳以上)
- アトピー性皮膚炎(6-11歳)
- 気管支喘息(6-11歳)
- アトピー性皮膚炎(幼児6か月-5歳)
- 好酸球性食道炎(12歳以上)
- 結節性痒疹(18歳以上)
- 今日(現時点2023年5月)
- 慢性自然発生蕁麻疹(12歳以上)
- 好酸球性食道炎(1-11歳)
- 慢性閉塞性肺疾患(18歳以上)
- 水疱性類天疱瘡(18歳以上)
- 原因不明の慢性掻痒症(18歳以上)
- 好酸球性胃腸炎(12歳以上)
- 潰瘍性大腸炎(18歳以上)
1-9までがすでに承認取得済の適応症
11-17が現在開発を進めているもしくは検討している適応症
になります。
すごいですよね。
まじですごい。
日本ではまだ取れていない適応症もたくさんありますね。
日本で動いているデュピクセントの主たる治験(Ph3)
2023/4/28日時点の情報です。
治験成分記号 | 対象疾患 | 開発相 | 治験届出者名 | 実施予定期間 | ||
SAR231893 | 特発性の慢性蕁麻疹、慢性誘発性寒冷蕁麻疹 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2023/03/01 | ~ | 2024/06/30 |
SAR231893 | 原因不明の慢性そう痒症 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2022/05/10 | ~ | 2025/06/30 |
SAR231893 | 持続型喘息 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2021/06/01 | ~ | 2023/10/31 |
SAR231893 | アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2021/06/01 | ~ | 2023/05/31 |
SAR231893 | 原発性後天性慢性誘発性寒冷蕁麻疹 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2020/12/15 | ~ | 2022/08/31 |
SAR231893 | アトピー性皮膚炎 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2020/11/15 | ~ | 2023/11/30 |
SAR231893 | 結節性痒疹 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2020/04/01 | ~ | 2021/07/01 |
SAR231893 | 特発性の慢性蕁麻疹 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2020/04/01 | ~ | 2021/07/01 |
SAR231893 | 慢性閉塞性肺疾患 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2019/08/01 | ~ | 2022/04/30 |
SAR231893 | 両側性の鼻茸を有する患者 | 第Ⅲ相 | サノフィ株式会社 | 2016/10/01 | ~ | 2018/12/31 |
治験成分記号 | 対象疾患 | 開発相 | 治験届出者名 | 実施予定期間 | ||
REGN668 | 中等度から重度の手足におけるアトピー性皮膚炎 | 第Ⅲ相 | パレクセル・インターナショナル株式会社 | 2020/08/05 | ~ | 2022/08/18 |
REGN668 | アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 | 第Ⅲ相 | パレクセル・インターナショナル株式会社 | 2020/07/15 | ~ | 2023/11/30 |
REGN668 | 水疱性類天疱瘡 | 第Ⅱ/Ⅲ相 | パレクセル・インターナショナル株式会社 | 2020/04/22 | ~ | 2022/09/30 |
サノフィが治験申請しているものはSAR231893、リジェネロン(CRO:パレクセル・インターナショナル株式会社)が治験申請しているものはREGN668 として登録されています。
すごい数ですよね。
今後、日本のコマーシャルの分担がどうなっていくかはサノフィとリジェネロン間で協議していくことになろうかと思います。
今回リジェネロンの募集は”皮膚科”として掲載されていますので、皮膚科に関わる適応症についてはある程度下調べしておいたほうがいいかもしれませんね。
この中ですと、
・特発性の慢性蕁麻疹、慢性誘発性寒冷蕁麻疹
・原因不明の慢性そう痒症
・原発性後天性慢性誘発性寒冷蕁麻疹
・アトピー性皮膚炎
・結節性痒疹
・水疱性類天疱瘡
上記が該当するかと思います。
ただし、面接では疾患の知識以上に、MR・営業所長としてのこれまでの成功事例や失敗からの学び、原体験を言語化することのほうが重要だと思います。
まずはそちらを優先することをお考えください。
最後に・・・
以上、ここまでサマリー情報をお伝えしました。
面接で会社のことを詳しく聞かれることはそんなにないかも知れません。
ただ、情報は持っておいて損はないと思いますので、情報共有でした。
案件はJAC Recruitment がお持ちです。
またよければ以下Noteについてもご紹介です。
日々のMR活動のヒントに繋がるコンテンツに仕上げたつもりですので、ご興味ある方はご覧ください。
また海外MBAに興味がある、TOIEC300点から留学するまでの英語力を身に付けたメソッドを知りたい!という方は以下についてもご覧頂けると嬉しいです。
このブログのタイトルは製薬キャリア3.0です。
来る未来に向けて、社内に限らず、社外の機会に目を向けてキャリア形成を図ることは、もはや当たり前の時代です。
リジェネロンもそうですが、こういった求人情報を掴むのはタイミングが命です。
従って、複数の転職エージェントと繋がりを構築し、情報収集を行うことは、今後のキャリア形成を図る上で重要なアクションの一つになります。
参考までにこういちが登録している転職エージェント一覧を掲載しておきますね。
エンワールドジャパン 製薬専門チームありです。
JAC Recruitment 外資系案件に強みをもっています。
マイナビエージェント どちらかというと内資系案件が多い。
リクルートダイレクトスカウト 本社系案件に強い印象。
【ランスタッド】 外資系案件に強みを持っています。
【アクシスコンサルティング】コンサルティング会社に興味があれば、登録しておいて損はないです。特にBIG4(PwC/EY/KPMG/デロイト)とのコネクションが強く、実績を出しています。20代なら挑戦するのもおおあり!キャリアの幅がぐんと広がります。
毎回ブログの中でお伝えしていますが、その時々で求人が入ってくるエージェントが異なる印象ですので、上位に上げたうちの1-2個は登録しておくことをお勧めします。
以上になります。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!!
*追記:オンコロジーについても以下ブログにまとめました。
*2024年2月追記
Answers さんも取り扱いがあることを確認しました。
製薬ニュースを毎日配信するAnswersNewsと連携しており、バイオベンチャーや大手製薬会社との提携をされていることも最近キャッチしました。
リジェネロンとも繋がりがあるとは正直知りませんでした。
私がお伝えしたいのは、「どこどこのエージェントさんが一番良いですよ!」ということではなく、機会損失を防ぐために、複数の転職エージェントに登録したほうが絶対に良いという点です。
なぜならエージェントによって持っている案件や非公開求人が異なるためです。
その中でもAnswersさんは優良な転職エージェントさんになりえますよ!ということです。
ブログを読んで終わりとするか、5-10分ほど手を動かしてエージェントから情報を得ようとするかで、その後の人生の選択が変わってきます。
エージェントの登録をこれまでしたことがない、もしくはエージェントの登録を1社程度で済ませて満足されている方は、それだけで多くの機会損失が発生している可能性があります。
「望んでいたような求人が出ていたけど知らずに終わる」
これはもったいないですよね。
希望する求人と条件をテンプレートで良いので、エージェントさんに伝えておくと、それに近しいような案件が自然と入ってくるようになります。
そういうアクションを積み上げていくと良い案件と出会える可能性が増えていきます。
リストラ吹き荒れる製薬業界で生き抜くにはこういったアクションが不可欠だと私自身は考えています。
動く動かない、応募する応募しないは置いておいて、まずは選択肢を知る、Answersさんなどのエージェントに話を聞いてみるというところからアクションを起こしてはいかがでしょうか?
ということで追記は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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