外資系製薬会社経営企画室こういちの注目の外資系バイオベンチャー。最近話題のリジェネロン社。2023年5月プレスリリースからの追加情報②です。オンコロジー情報をまとめました。

製薬会社の将来を考える
この記事を読んでわかること
・リジェネロン社のオンコロジーのパイプライン情報

どうも、こんにちは。

外資系製薬会社経営企画室に勤務するこういちです。

製薬界隈の動向としてリジェネロンへの関心がGW前後を中心に高まっていました。

最近はちょっと落ち着きましたかね。

Linkedinでも人事の方やエージェントのみなさんが頑張って宣伝していますので、応募はぼちぼち落ち着いた頃ではと思います。

(勝手な想像です。)

ただブログのほうではリジェネロンの関心の高さは相変わらずで、ここ2週間のアクセス上位には以下2つの記事がランクインしています。

関心が高い今だからこそ、需要があるだろうと考えました。

そこで今日は、リジェネロン社のオンコロジーのパイプラインについて情報を整理しましたので、そちらをお届けしたいと思います。

オンコロジーもね、充実してるんです。

リジェネロンは。

情報元は2023年5月4日に出されたRegeneron coporate presentaion May 2023です。

 

 

ポイントは以下2点です。

・1つ目はオンコロジー全体のパイプライン情報

・2つ目はその中でも、日本で開発が進んでいるパイプライン情報

 

この2点に関してお届けしていきたいと思います。

まとめた情報は、2023年5月24日時点のものになりますので、その点にご留意の上でご覧ください。

それではどうぞ!

リジェネロンのオンコロジーのパイプライン(Global)

引用ソース:Regeneron coporate presentaion May 2023

(相変わらず小さくてみえないですよね。ごめんなさい。)

添付したものは2023年5月時点のリジェネロンの上市品とPh1-Ph3の全リストになります。

いや、何度見てもすげーですわ。

眼科、固形がん、血液、プライマリー、免疫とバランスの良いパイプラインで構成されています。

 

さて、この中で、オンコロジーは二つに大別されてます。

・1つが固形がん

・1つが血液がん

です。

上の図だとわかりずらいので、オンコロジーのものだけを抜粋して整理しました。

それがこちら。

引用ソース:Regeneron coporate presentaion May 2023

 

こんな感じです。

 

それぞれの薬がどんなものかについても、スライドがあります。

それがこちら

引用ソース:Regeneron coporate presentaion May 2023

(いやー、小さくて読めませんね。)

 

 

ということで、ここでは翻訳君に登場してもらい、以下の順で見ていきたいと思います。

①LIBTAYO(一般名:cemiplimab)

②Solid tumors:固形がん

③Hematology-Oncology:血液がん

 

まず①LIBTAYOです。

LIBTAYO(一般名:cemiplimab)

Non Small Cell Lung Cancer
• One of two PD 1/L1 antibodies FDA approved for use in combination with chemotherapy irrespective of histology or PD L1 expression levels in 1L NSCLC

•Approved by EC in 1L NSCLC in combination with platinum based chemotherapy for patients with ≥1% PD L1 expression

Dermato Oncology
•Leading anti PD 1/L1 therapy in approved non melanoma skin cancers
•Approved in both advanced CSCC and BCC
•Foundational therapy for future combination approach in melanoma

①リブタヨ(一般名:cemiplimab)

非小細胞肺がん

  • PD1/L1抗体の2つのうちの1つで、1L NSCLC(非小細胞肺がん)において組織型やPD L1発現量に関係なく化学療法との併用がFDAにより承認されている。
  • PD L1発現量が1%以上の1L NSCLCにおいて、プラチナ製剤をベースとした化学療法との併用でEC(ヨーロッパ当局)により承認された。

ダーマトオンコロジー(皮膚がん)

  • メラノーマ以外の皮膚がんを対象とした抗PD 1/L1療法
  • 進行性CSCC(Cutaneous squamous cell carcinoma皮膚扁平上皮がん)およびBCC(Basal cell carcinoma:基底細胞がん)で承認された。
  • メラノーマにおける将来の併用療法の基礎となる治療法。

Regeneron coporate presentaion May 2023

次は②Solid tumors:固形がんです。

②Solod tumors

•Fianlimab (LAG 3) Phase 3 study in 1L advanced and adjuvant melanoma with Libtayo ongoing, initiated Phase 2/3 studies in advanced NSCLC; initiating Phase 3 studies in perioperative melanoma, and Phase 2 study in perioperative NSCLC
•REGN5678 (PSMAxCD28) Reported encouraging initial first in human mCRPC data
•Ubamatamab (MUC16xCD3) Reported initial monotherapy ovarian cancer data; Libtayo combo in dose escalation
•REGN5668 (MUC16xCD28) Dose escalation in Libtayo and ubamatamab combinations for ovarian cancer ongoing
•REGN4336 (PSMAxCD3) Dose escalation in mCRPC ongoing
•REGN7075 (EGFRxCD28) Dose escalation with Libtayo in advanced cancers ongoing
•REGN5093 (METxMET) Reported initial data in MET altered advanced NSCLC
•REGN5093 M114 (METxMET ADC) Dose escalation in MET overexpressing NSCLC ongoing

②固形がん

-フィアンリマブ(LAG 3) 1L進行および術後補助悪性黒色腫を対象としたリブタヨとの併用によるフェーズ3試験を実施中、進行NSCLC(非小細胞肺がん)を対象としたフェーズ2/3試験を開始、周術期メラノーマでフェーズ3試験を開始、周術期NSCLC(非小細胞肺がん)でフェーズ2試験開始

-REGN5678(PSMAxCD28):ヒトmCRPC(Metastatic castration resistant prostate cancer:転移性去勢抵抗性前立腺がん)における有望な初回データを発表。

-Ubamatamab (MUC16xCD3) 卵巣がん単剤療法の初回データを報告、Libtayoコンボは用量漸増中

-REGN5668(MUC16xCD28)卵巣がんに対するリブタヨとウバマタマブの併用療法の用量漸増が進行中。

-REGN4336(PSMAxCD3)mCRPC(転移性去勢抵抗性前立腺がん)における用量漸増を実施中

-REGN7075(EGFRxCD28)進行がんにおけるリブタヨとの併用:用量漸増を実施中

-REGN5093(METxMET):MET遺伝子変異を有する進行性NSCLC(非小細胞肺がん)における初期データを報告。

-REGN5093 M114 (METxMET ADC) MET過剰発現NSCLC(非小細胞肺がん)での用量漸増を実施中。

Regeneron coporate presentaion May 2023

最後は③Hematology-Oncology:血液がんです。

③Hematoloy-Oncology

•Odronextamab (CD20xCD3) Pivotal Phase 2 presented at ASH 2022; Phase 3 program to initiate in 2Q 2023
•Phase 1 study initiated for CD22xCD28 in combination with Odronextamab in B NHL
•Linvoseltamab ( BCMAxCD3,REGN5458) Updated pivotal Phase 2 data to be presented at ASCO 2023; Phase 3 study to initiate in mid 2023 ; received Fast Track designation from FDA

③血液がん

-Odronextamab(CD20xCD3)ピボタルフェーズ2をASH2022で発表、フェーズ3プログラムは2023年2Qに開始予定

-CD22xCD28とOdronextamabの併用によるB NHL(B細胞性腫瘍)を対象としたフェーズ1試験を開始。

-Linvoseltamab(BCMAxCD3、REGN5458) ピボタルフェーズ2の最新データをASCO2023で発表予定、フェーズ3試験は2023年半ばに開始予定、FDAからファーストトラック指定取得。 (補足:多発性骨髄腫)

Regeneron coporate presentaion May 2023

 

書いてあることをそのまま訳しただけですが、お分かりのように充実していることが分かりますね。

 

個人的に感じたことは他の領域とのシナジーを考慮したポートフォリオマネジメントがきちんと展開されているということです。

というのも、リジェネロンはデュピクセントで呼吸器科と皮膚科をカバーしています。

オンコロジーでは、呼吸器科が関わる非小細胞肺がん/皮膚科が関わるメラノーマ(皮膚がんの1つ)のパイプラインを豊富に有しています。

ですので、この部分においてはシナジーが期待できます。

顧客が一部重なりますからね。

このあたりの展開はさすがだなと感じました。

 

 

ただ、まだPh1のものもたくさんあります。

引用ソース:Regeneron coporate presentaion May 2023

再掲しますが、注目はやはりPh2やPh3に移行しているコンパウンドでしょう。

 

ではこれらの薬剤が日本で開発が進んでいるのか?

 

 

気になる方いらっしゃいますよね?

 

私は気になりました。見ていきたいと思います。

リジェネロンのオンコロジーのパイプライン(日本)

 

結論から申し上げると、日本においてオンコロジーの開発状況はGlobalと比べると現時点ではさみしいものがあります。

  • Ph3はリブタヨが1剤のみ:対象は有棘細胞癌
  • Ph2はOdronextamab(抗CD20 x抗CD3)1剤のみ:対象はrrNHL (再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫)

この2剤の治験が走っています。

詳しくみていきましょう。

Ph3

まずは主たる治験(主にPh3)リストで探っていきましょうかね。

リジェネロンに加えて、サノフィの状況も探りました。提携してますからね。

治験成分記号対象疾患開発相治験届出者名実施予定期間    
REGN2810 Cemiplimab (製品名:LYBTAYO)          有棘細胞癌第Ⅲ相サノフィ株式会社2020/01/012026/06/30
REGN2810 Cemiplimab (製品名:LYBTAYO)      再発性又は転移性のプラチナ製剤抵抗性子宮頸がん第Ⅲ相サノフィ株式会社2018/07/012023/06/30

リストにはこれらがありました。

LYBTAYOはすでに、日本名リブタヨでサノフィさんから発売されている製品ですね。

すでに発売している適応は、進行又は再発の子宮頸がんです。

 

 

これとは別に、有棘(ゆうきょく)細胞癌の試験が動いているようです。

臨床研究等提出・公開システム

新潟県立がんセンターがIRB(治験審査委員会)として登録されています。

残念ながらPh3の表にあるFianlimab(LAG-3)というのは、調べましたが日本では治験の実施がされていないようでした。

ClinicalTrials.gov

Ph3はメラノーマで動いてます。

でも日本の施設は入っていませんでした。

ここでもドラッグロスか。

悲しいです。

Ph2

Ph2製品はGlobalのパイプラインリストに4つありますが、1つだけが動いているような状況でした。

Odronextamab(抗CD20 x抗CD3)

対象はrrNHL (再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫)です。

臨床研究等提出・公開システム

あとの3つは検索しましたが、日本で試験を実施しているという情報はJRCT内では確認できませんでした。

こういち予想とリジェネロンの求人

  

こういち予想では、リジェネロンの日本法人が立ち上がりましたので、これを機に日本の開発パイプラインの拡充を図っていきたい狙いがあるのだろうと想像します。

まだまだオンコロジー製品は少ないなあと悲観する必要はありません。

Globalと日本の開発品の数にGapがあるということはこれから、開発が日本でどんどん進む可能性を秘めているということです。

そうなると、開発職の求人が増えていくことが予想できますね。

現時点では情報掴んでいませんが、きっとそのうち出てくると思います。

 

 

案件はJAC Recruitmentが有してます。

さて、ここからは告知です。

 

 

Twitterもやってるのでよかったら覗いてみてください。 

x.com

 

 

またよければ以下Noteについてもご紹介です。

日々のMR活動のヒントに繋がるコンテンツに仕上げたつもりですので、ご興味ある方はご覧ください。

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また海外MBAに興味がある、TOIEC300点から留学するまでの英語力を身に付けたメソッドを知りたい!という方は以下についてもご覧頂けると嬉しいです。

キャリアサポート付き:TOIEC300点から海外MBA留学を目指す方に向けたノート。留学を実現するための5つのステップを公開。家族の説得や英語のスコアアップの方法など、苦労話を含めて赤裸々にお伝えします|こういち(運営ブログ:製薬キャリア3.0)
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このブログのタイトルは製薬キャリア3.0です。

来る未来に向けて、社内に限らず、社外の機会に目を向けてキャリア形成を図ることは、もはや当たり前の時代です。

リジェネロンもそうですが、こういった求人情報を掴むのはタイミングが命です。

従って、複数の転職エージェントと繋がりを構築し、情報収集を行うことは、今後のキャリア形成を図る上で重要なアクションの一つになります。

 

参考までにこういちが登録している転職エージェント一覧を掲載しておきますね。

エンワールドジャパン 製薬専門チームありです。 

JAC Recruitment 外資系案件に強みをもっています。

マイナビエージェント どちらかというと内資系案件が多い。



リクルートダイレクトスカウト 本社系案件に強い印象。

【ランスタッド】 外資系案件に強みを持っています。

【アクシスコンサルティング】コンサルティング会社に興味があれば、登録しておいて損はないです。特にBIG4(PwC/EY/KPMG/デロイト)とのコネクションが強く、実績を出しています。20代なら挑戦するのもおおあり!キャリアの幅がぐんと広がります。

毎回ブログの中でお伝えしていますが、その時々で求人が入ってくるエージェントが異なる印象ですので、上位に上げたうちの1-2個は登録しておくことをお勧めします。

無料ですし、情報を得るには転職エージェントの方と繋がるのが一番です。

以上になります。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!!

 

 

 

*2024年2月追記

Answers さんも取り扱いがあることを確認しました。

 

製薬ニュースを毎日配信するAnswersNewsと連携しており、バイオベンチャーや大手製薬会社との提携をされていることも最近キャッチしました。

リジェネロンとも繋がりがあるとは正直知りませんでした。

私がお伝えしたいのは、「どこどこのエージェントさんが一番良いですよ!」ということではなく、機会損失を防ぐために、複数の転職エージェントに登録したほうが絶対に良いという点です。

なぜならエージェントによって持っている案件や非公開求人が異なるためです。

 

その中でもAnswersさんは優良な転職エージェントさんになりえますよ!ということです。 

 

 

ブログを読んで終わりとするか、5-10分ほど手を動かしてエージェントから情報を得ようとするかで、その後の人生の選択が変わってきます。

エージェントの登録をこれまでしたことがない、もしくはエージェントの登録を1社程度で済ませて満足されている方は、それだけで多くの機会損失が発生している可能性があります。

 

「望んでいたような求人が出ていたけど知らずに終わる」

 

これはもったいないですよね。

 

 

希望する求人と条件をテンプレートで良いので、エージェントさんに伝えておくと、それに近しいような案件が自然と入ってくるようになります。

そういうアクションを積み上げていくと良い案件と出会える可能性が増えていきます。

  

 

リストラ吹き荒れる製薬業界で生き抜くにはこういったアクションが不可欠だと私自身は考えています。

動く動かない、応募する応募しないは置いておいて、まずは選択肢を知る、Answersさんなどのエージェントに話を聞いてみるというところからアクションを起こしてはいかがでしょうか?

 

 

ということで追記は以上です。

最後までお読み頂きありがとうございました!

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