この記事を読んでわかること ・Sobi (Swedish Orphan Biovitrum)のパイプライン、求人、年収情報 (2023年1月時点)
どうも、こんにちは、外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。
2023年からは注目バイオベンチャーシリーズを始めようと思います。
さて、第一弾は『Sobi』について解説していこうと思います。
外資系バイオベンチャーは給与が高いことで有名です。
はたして『sobi』はどうなのか?またパイプラインはどうなのか?
昨年(2022年)ではありますが、転職エージェントから得られた情報なども交えてお伝えしていきたいと思います。
Sobi とは
スウェーデン発祥の製薬会社です。
「希少・難治性疾患」に特化し、血液・免疫・スペシャリティを重点領域にあげています。
会社設立:2009年 (本社:スウェーデンストックホルム)
日本での設立:2020年6月1日
日本での正式名はSwedish Orphan Biovitrum Japan株式会社のようです。
すでに欧州、米国を含む20カ国以上でビジネス展開しているGlobalな製薬会社です。
海外ではありますが、すでに市場に出ている製品もたくさんあります。
ほんの一例ですが、以下に紹介します。
Alprolix®:血友病B
Doptelet®:血小板減少症
Aspaveli®/Empaveli®: 発作性夜間ヘモグロビン尿症
Globalサイトにはこれ以外にも、10個以上のすでに市場に出ている薬剤の情報が掲載されています。
詳しくは以下のGlobalサイトのリンクから見てみてください。
パイプライン
パイプラインリストはGlobalサイトに掲載されています。
結構数があって驚きました。血液領域と免疫領域に注力していることがわかります。
2023年1月20日時点で
Registration 4つ
- Doptelet (avatrombopag)
- 適応:Chronic liver disease (in Japan)
- Aspaveli/Empaveli (pegcetacoplan)
- 適応:Paroxysmal nocturnal haemoglobinuria (in Japan)
- 製品:Kineret (anakinra)
- 適応:Familial Mediterranean fever (in China)
- 製品:Kineret (anakinra)
- 適応:Still’s disease (in China)
Phase 3 7つ
- 製品:efanesoctocog alfa
- 適応:Haemophilia A
- 製品:Aspaveli/Empaveli (pegcetacoplan)
- 適応:Immune-complex membranoproliferative glomerulonephritis and C3 glomerulopathy
- 製品:Aspaveli/Empaveli (pegcetacoplan)
- 適応:Cold agglutinin disease
- 製品:loncastuximab tesirine
- 適応:Diffuse large B-cell lymphoma
- 製品:Gamifant (emapalumab)
- 適応:Macrophage activation syndrome in rheumatological diseases
- 製品:SEL-212
- 適応:Chronic refractory gout
- 製品:MEDI8897 (nirsevimab)
- 適応:Respiratory syncytial virus prevention
Phase 2 3つ
- 製品:Aspaveli/Empaveli (pegcetacoplan)
- 適応:Transplant-associated thrombotic microangiopathy after allogenic haematopoietic stem cell transplantation
- 製品:loncastuximab tesirine
- 適応:Diffuse large B-cell lymphoma
- 製品:Aspaveli/Empaveli (pegcetacoplan)
- 適応:Amyotrophic lateral sclerosis
やはり、血液疾患(がん含む)および免疫系に作用する薬剤が中心のようです。
パイプラインリストのGlobalサイトはこちら。
日本で申請(Registration)に向けて準備が進んでいる2つの薬剤について
ホームページに以下の2つが日本で申請準備が進んでいるとありましたので、軽くどんな薬か、どんな情報がネットにあるか調べてみました。
すでに海外では発売済みの薬で、両剤ともに順調な立ち上がりを見せているようです。
①アバトロンボパグ
- 製品:Doptelet (avatrombopag)
- 適応:Chronic liver disease (in Japan)
②ペグセタコプラン
- 製品:Aspaveli/Empaveli (pegcetacoplan)
- 適応:Paroxysmal nocturnal haemoglobinuria (in Japan)
すでにミクスOnlineで詳細が出ていましたね。
①アバトロンボパグ
アバトロンボパグは待機的な静血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症改善薬。血小板産生を促すトロンボポエチン受容体の低分子作動薬で、米国、欧州、中国で承認されている。日本で慢性免疫性の血小板減少症の適応追加の開発も進んでいる。
ミクスオンライン 2022/9/16 引用一部改変
②ペグセタコプラン
国の指定難病の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に対する補体C3阻害薬。ペグセタコプランは、赤血球の破壊(溶血)を引き起こす補体蛋白C3の機能を阻害するPEG化ペプチド。米国や欧州でPNH治療薬として承認されている。PNHは、補体による血管内溶血を主徴とする稀な造血幹細胞疾患。低いヘモグロビン値が続くことによって、貧血や重度の倦怠感、輸血依存などを引き起こす。
ミクスオンライン 2022/9/16 引用一部改変
どちらの薬剤もすでに2022年に日本で承認申請されており、2023年上半期には、PMDAからの見解をもらう予定とのことです。
ちなみに、Sobiは旭化成ファーマと上記2剤についての契約を結んでおり、日本に関しては旭化成ファーマが日本で独占販売する契約を締結したと2022年9月15日にSobi Japanのプレスリリースでも発表しています。
ミクスによると日本でのMRの採用は「未定」とのことです。
独占販売の契約ということで、もしかすると、残念ながらMRの求人はないかもしれませんね。
情報提供先のメインは2剤とも血液内科になると思われます。
個人的な注目は、現在Ph3のGamifant (emapalumab)
海外では2018年に承認、発売済み。
現在の適応は血球貪食性リンパ組織球症。
日本でも開発が進められているようです。
臨床研究等提出・公開システムに情報がありました。
Gamifant (emapalumab)
試験名:スチル病(全身型若年性特発性関節炎及び成人発症スチル病を含む)に伴うマクロファージ活性化症候群(MAS)又は全身性エリテマトーデスに伴うMASを有する小児及び成人に対するemapalumabの有効性、安全性及び忍容性、薬物動態及び薬力学を検討する2コホート、非盲検、単群、多施設共同試験
対象疾患:マクロファージ活性化症候群、二次性血球貪食性リンパ組織球症、スチル病、全身性エリテマトーデス
臨床研究等提出・公開システム https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2031220187
注目している理由はアンメットニーズが高いからです。
特に血球貪食性リンパ組織球症のアンメットニーズは高いです。
しばしば急激な経過をたどり多臓器不全に陥り、死に至る重篤な疾患です。
ガイドラインによると日本では年間150例程度の発症とのことです。
このGamifant (emapalumab)は、小児HLH(血球貪食性リンパ組織球症)診療ガイドラインにも開発が期待されると記載されるほどです。
免疫化学療法に反応しない一次性 HLH に対する同種造血細胞移植までの bridging therapy として、未承認薬の抗γ-インターフェロン抗体 (emapalumab、再発・難治の一次性 HLH に対して 2018 年 FDA 承認)や適応外薬の JAK 阻害薬で ある ruxolitinib が今後期待される。
小児HLH診療ガイドライン2020 vr1.0
小児がんの患者さんのためにも、薬として早く日本で承認・発売されて欲しいですね。
どんな求人があるのか?気になる給与レンジは?
私の所には、昨年マーケティング戦略を立案するポジションの求人が届きました。
1000万円~1400万円位のレンジで、そのポジションではRSUなどの付与はないとのことでした。
欧州系の会社なので、米系の会社よりも給与レンジが低めなのかなと感じた記憶があります。
まぁ、それもポジション次第でしょう。
ただ小規模な会社でバリバリ働きたいという若手マーケティングの方には魅力的な求人だと感じました。
また2023年1月20日現在
Globalの公式ホームページの日本の求人には、安全性部門のリードのポジションDevelopment Risk management Leadのみ応募が出ていました。
ご興味ある方は見てみてください。
日本ではこれからという会社ですが、旭化成と提携予定の2つの薬剤が日本で順調に立ち上がれば、日本への投資が進む可能性も大いにあるでしょう。
そうすれば、組織拡大が進みます。
早い段階で入社しておけば要職を掴むことも可能でしょう。
またパイプラインが豊富にあることも魅力的ですね。
ぜひエージェントから情報掴んでください。
sobiの案件は外資に強いJACからゲットしました。
機会損失を無くすために、エージェントを有効活用しましょう
上記に記載した通り、sobiの案件は外資に強いJAC Recruitment からゲットしました。
直接応募も出来ますが、Globalサイトに掲載されている日本の求人に直接応募の場合は、人事から見逃される可能性も高いです。
こういちも過去に経験がありますが、Globalサイトへの直接応募の場合は極端にレスが遅かったり、全然返事が来ないなんてこともあります。
自分から連絡するのも労力が掛かります。
それを避けるためにも、この手の案件では積極的にエージェントを活用するといいでしょう。
以下にこういちが登録している転職エージェントのリンクを掲載しておきますね。
JAC Recruitment 外資系案件に強みをもっています。
エンワールド 製薬専門チームありです。
マイナビエージェント どちらかというと内資系案件が多い。
リクルートダイレクトスカウト 本社系案件に強い印象。
【ランスタッド】 外資系案件に強みを持っています。
以上です。
立ち上げフェーズで会社に入る良さは、仕事の形を自分達で作っていける楽しさがあることです。
若手で、バリバリ働きたい、成長したいという人には良い環境かと思います。
それでは、今日はSobiについてでした。
*2024年2月追記
Answers さんも取り扱いがあることを確認しました。
製薬ニュースを毎日配信するAnswersNewsと連携しており、バイオベンチャーや大手製薬会社との提携をされていることも最近キャッチしました。
Sobiとも繋がりがあるとは正直知りませんでした。
私がお伝えしたいのは、「どこどこのエージェントさんが一番良いですよ!」ということではなく、機会損失を防ぐために、複数の転職エージェントに登録したほうが絶対に良いという点です。
なぜならエージェントによって持っている案件や非公開求人が異なるためです。
その中でもAnswersさんは優良な転職エージェントさんになりえますよ!ということです。
ブログを読んで終わりとするか、5-10分ほど手を動かしてエージェントから情報を得ようとするかで、その後の人生の選択が変わってきます。
エージェントの登録をこれまでしたことがない、もしくはエージェントの登録を1社程度で済ませて満足されている方は、それだけで多くの機会損失が発生している可能性があります。
「望んでいたような求人が出ていたけど知らずに終わる」
これはもったいないですよね。
希望する求人と条件をテンプレートで良いので、エージェントさんに伝えておくと、それに近しいような案件が自然と入ってくるようになります。
そういうアクションを積み上げていくと良い案件と出会える可能性が増えていきます。
リストラ吹き荒れる製薬業界で生き抜くにはこういったアクションが不可欠だと私自身は考えています。
動く動かない、応募する応募しないは置いておいて、まずは選択肢を知る、Answersさんなどのエージェントに話を聞いてみるというところからアクションを起こしてはいかがでしょうか?
ということで追記は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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