30歳で外資系製薬会社MSLの管理職に。評価されたポイントについて解説します。外資系製薬会社メディカルアフェアーズサバイバル術。

戦略的キャリア形成
この記事を読んで分かること
・外資系製薬会社メディカルアフェアーズで評価されるポイントについて

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どうもこんにちは、外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。

今日はメディカルアフェアーズに関する記事です。

私のプロフィールを見て頂くと分かりますが、私は過去に外資系製薬会社のMSLとして勤務した過去を持っています。

そして、30歳の時にMSL 管理職に昇格となりました。

確か、MSL3年目の中ごろであったと記憶しています。

MRからMSLに異動し、最初はかなりその違いに戸惑いましたが、1年目でサバイバル術を覚え、2年目で成果が出て、3年目に昇格という運びになりました。

営業数字という絶対的な評価指標の存在しないメディカルアフェアーズにおいて、どのようにすれば評価に繋がる成果を出すことができるのか?

メディカルアフェアーズにお勤めの方で悩まれている方も、結構多いのではないでしょうか?

今日は成果を出すため、また成果を認知してもらうためにこういちの意識したポイントや行動ついて、主にメディカルアフェアーズで勤務する若手や、これからメディカルアフェアーズを目指されている方向けにコンテンツをお届けしたいと思います。

今はメディカルアフェアーズの活動を外からレビューする立場にもおりますので、その視点も交えながら考察したいと思います。

それではどうぞ。

メディカルアフェアーズでの出世は難しくない!?

こんなこと言ったら、現メディカルアフェアーズ部に所属している人に怒られちゃいますね。

しかしながら、この感覚は私がMRからMSLに異動した時に感じた実際の感覚でもあります。

なぜ、こう感じたのか?

理由は2つです。

・営業数字が評価対象に入っておらず、行動評価に重きが置かれているため

・競争志向の強い人が少ないため

この2つの理由から、当時私は「MSLとして評価を得ることは、MRの時に比べれば、簡単かも」と思いました。

それぞれ詳しく説明しますね。

営業数字が評価対象に入っておらず、行動評価に重きが置かれている

MRの場合は、なんといっても営業数字がものを言います。

いくら医師に面会していても、いくらたくさんの説明会を実施しても、営業数字としてそれが跳ね返ってこなければ、大きく評価されることはありません。

なぜなら営業数字が、評価の一番大きなウェイトを占めているからです。

これってやっぱりしんどいんです。

たくさん医師とあって、たくさん説明会しても、営業数字として数字が出ていなければ評価されない。

私のMR1,2年目がまさにこんな感じでした。

(MR1.2年目の時に苦労していた私が、3年目から実績を向上させた営業術は以下のリンクにまとめてあります。有料Noteですが、これまで10名以上の方にお読み頂いた実績があります。)

Top MR (全国上位MR10名)に3年連続で選出。外資系製薬会社元MRが、営業時代に売上UPのために行っていた習慣や思考術5選+ターゲティングのためのExcel。|こういち(運営ブログ:製薬キャリア3.0)
売上向上に貢献してくれる習慣&思考術5選 ・ターゲティングとリソースコントロール ・顧客ゴール設定 ・競合品はずらして考える ・社内、社外のリソースの具体的活用事例 ・活動の量と質の考え方 どうもこんにちは、外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。 今日はMR時代のことを振り返って記事をお送りしたいと..read more

でもMSLは違います。

MSLは行動評価がメインです。

営業数字のような成果を図るのにうってつけの絶対的な相対指標がありません。

私は異動する前から、行動評価がメインの評価体系になるということをなんとなく理解していましたが、いざ異動してみた時に感じたことは、

「なんて楽なんだ」

でした。

だって、数字のプレッシャーから解放されますからね。

もちろん別の大変さ(英語の論文読まなきゃいけない、KOLと対等に話せるだけの知識をつけなきゃいけない、等など)はありましたが、数字のプレッシャーに比べれば、自分の努力でカバーできる部分が多かっただけに、そこまで苦になりませんでした。

競争志向の強い人が少ない

2つ目の理由は、組織にいる人の特性です。

MRの時は、周りは全員営業マン。

どちらかというと、出たがりなタイプというか、我を通そうとする人が多かったです。

まあ、そうでないと営業なんて務まりません。

なので営業の時は、周りにいる人たちは競争志向の強い人が多い印象がありました。

一方で、メディカルアフェアーズの人たちは大人し目。

みんなそこまで出たがらない。

細かいところを気にするタイプが多い。

アカデミア出身の人が多く在籍していたり、MR出身でもどちらかというと学術的で寡黙なタイプの人がたくさん在籍していたからかもしれません。

こんな環境でしたので、「学術的には優れている人はたくさんいるけど、ビジネスマンとして見た時にアピール力だったり、人を巻き込むリーダーシップを発揮できる人は少ないな。これはチャンスかも。」

と考えました。

実際にこの感覚は当たっていました。

MRの時に当たり前に行っていた周りを巻き込んでの仕事が、メディカルアフェアーズでは評価を得やすかったことを覚えています。

同じようなことをしていても、置かれている環境でこうも評価に差が出るんだなと、身をもって体感しました。

なので、いまメディカルアフェアーズで活躍に悩んでいる方がいたら、私は一言いいたいです。

「営業数字という運にも左右される指標で評価されることがないだけ、運がいい。なぜならあなたの行動次第でいくらでも評価を高めることができるから」と。

メディカルアフェアーズでの勤務経験しかないと、なかなかこの感覚を持つことは難しいかもしれませんが、考え方の一つとして参考にして頂けたら嬉しいです。

大きな目的に向かって動く。

これは完全にこういちの自論ですが、

メディカルアフェアーズの人は営業やマーケティングの人以上に、売り上げ数字を気にした方がいいです。

この数字というのは、自社品および他社品を含む、市場全体の売り上げ数字のことを指しています。

市場の薬剤選択の動向がどのように変化しているのか?

これが分からずしてKOLと議論することは不可能です。

何故ならKOLほど、世の中の流れやトレンドを気にしているからです。

なんたって人前で講演しますからね。

世の中のトレンドを把握していないような、とんちんかんなことは言えないわけです。

そういった重鎮の医師を担当するのが、メディカルアフェアーズであり、MSLです。

なので、売り上げ数字は気にして下さい。

自社品以外の売り上げも気にして下さい。

その上で大切なことは「大きな目的に向かって動くこと」です。

「大きな目的」≒「患者さんのアウトカムが向上すること」

と近しい意味があるかも知れません。

例えば、副作用に課題のある標準治療があるとします。

それと置き換わる新薬が続々発売されたにも関わらず、いまだ標準治療が幅を利かせている場合。

メディカルとして取り組むべきことは、

・標準治療による副作用の見える化

・新薬群(自社および他社)の市場の浸透度を高める

この2点に集約されてくると思います。

これをメディカルアフェアーズとしてどうアプローチするか?

エビデンスジェネレーションであったり、メディカルエデュケーションであったり、PSP(Patient Support Program)であったり、アプローチの仕方は色々とあるでしょう。

自社品だけのPRでなく、治療をどのように変えていくことが患者さんのアウトカム向上に結びつくのか?

この視点を持った上で、顧客や社内のインターナルステークホルダーとコミュニケーションする意識が重要です。

よくこんな意見が聞かれます。

「メディカルアフェアーズは営業と情報交換しちゃいけない。」

「メディカルアフェアーズは数字のことは気にしちゃいけない。」

この意見を真に受けて、営業の人たちとバトルしているようなメディカルアフェアーズの人がたまにいますが、この姿勢は全くもっていけてません。

マネジメントの視点でいえば、「両者が協業してこそ、考え方が世の中に浸透していく」と捉えますし、医師の視点でいえば「営業も、メディカルも、おんなじ会社やろ。情報共有せい。」ということになります。

大きな目的に向かって動けば、営業サイドと大きく意見が異なることなんてありません。

会社全体を俯瞰してみて、どういう言動を取るべきか?どういう姿勢で仕事をするべきかを考えながら仕事をすることが大切です。

ぜひ大きな目的に向かって仕事してください。

貴方の強みはなんですか?他MSLとの差別化を意識する。

評価を得たいのであれば、とにかく「強み」にFocusしてください。

自分が他MSLより優れている部分を見つけて、その点で価値を発揮していく。

これを意識してください。

私の例でいえば、

・人を巻き込む

・KOLとの面談回数と関係構築

この2つが強みだと認識して、そこを意識して日々のMSL活動にあたっていました。

人を巻き込むという点では、MSLという組織が情報共有を全然しない組織だなということに気づいたので、有機的に情報共有がされるような働き掛けを当時のMSL部長に行いました。

またKOLとの面談回数と関係構築では、顧客面談回数を全MSLの中でNo1になることを毎月の目標にしました。結果、MSLに異動してきた年の顧客面談No.1 MSLになることができました。

また顧客との関係構築が得意だったので、懐に入れる先生の数を徐々に増やしていって、MSL2年目の終わりには「こういちに聞いたらあの領域のKOLの情報や人間関係はだいたいわかる」という状態に持っていくことにも成功しました。

この強みにFocusしたことが、結果的に評価を高めることに繋がったかなと思います。

もちろん私には弱みがあって「サイエンス(特に非臨床)」「英語」というのは、MSLに異動してきた当初は私の苦手とするところでした。

この弱みについては人の力を借りまくってました。

とにかく聞く、そして学ぶ。

当時のMSLの同僚たちには感謝しかありません。

ちなみにこういちの英語勉強法はこちらのリンクにまとめてあります。ランニングと組み合わせて時間を有効活用してます。

移動の多いMSLにはお勧めかと。

「組織のために」をどこまで考えているか?

あとは「組織のために」という意識でどこまで働けるかも重要かと思います。

部長クラスの人が管理職に昇進させたいと思う人ってどういう人だと思いますか?

それは「組織のことを考えられる人」です。

MSLって結構一匹狼タイプ系の人が多いという印象を持っていますが、そのスタイルのままだと中々管理職への昇進は難しいです。

なぜなら、チームをマネジメントしないといけないから。

なので「組織のために」どれだけ仕事ができるか?

この意識で仕事をすることが、部長や課長から評価を得るためには必要です

私のケースで恐縮ですが、以下のような取り組みを実際に行いました。

①MSLの情報共有が活発でない状況を異動直後に把握したので、「領域の垣根を超えてMSLのスキルアップに繋がる知識を共有しあう」プロジェクトを立案・実行。

②当時はメディカルアフェアーズの社内的認知度が低いことが課題としてあったので、メディカルアフェアーズの業務内容をまとめた「メディカルアフェアーズハンドブック」の作成のリード。作成後、全社に配信。

あくまで一例ですが、上記のようなプロジェクトを立案・実行に移しました。

通常のMSL業務に加えて、これらの取り組みを提案・主導したことが評価され、MSL3年目に管理職への昇格を果たしました。

このように「組織」を意識した仕事は評価を得やすいです。

なぜなら管理職はこういった仕事を部下に期待しているからです。

ぜひ日々の仕事の中にこの意識を取り入れてみてください。

メディカルアフェアーズの求人を取り扱う転職エージェント

以下にメディカルアフェアーズの求人を取り扱っている転職エージェント情報を掲載しておきます。

JAC Recruitment 外資系案件に強みをもっています。

エンワールド 製薬専門チームありです。

マイナビエージェント どちらかというと内資系案件が多い。

リクルートダイレクトスカウト 本社系案件に強い印象。

【ランスタッド】 外資系案件に強みを持っています。

それぞれの会社が独自のネットワークを駆使して各製薬企業から情報収集にあたっているので、持っている案件もエージェントに寄りけりです。

私の印象ではJACとリクルートはメディカル系の案件の紹介も多い印象です。

ぜひ情報取ってみてください。

MR⇒MSLという転職もハードルは高いですが、可能性はゼロではありませんので。

ということで本日のブログは以上です。

まとめると、

①メディカルアフェアーズでの出世は難しくないかもしれません。

②大きな目的≒患者アウトカムの向上を目指して仕事をしてください。

③強みを意識して仕事をしてください。

④「組織のために」を意識した仕事をしてください。

⑤メディカルアフェアーズで働きたいなら、まずは情報収集から。

以上です。

私自身も最近は上記の意識が欠けている部分もあります。

ブログを書きながら、自省しておりました。

製薬業界で一定の評価を得て、一緒にサバイブしていきましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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