この記事を読んでわかること
・リジェネロンの採用の動き
・呼吸器科/耳鼻科領域営業部が関わる開発品・適応症
*この記事はアフィリエイト広告を利用しています。
どうも、こんにちは。
外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。
来ましたね、ビックニュース!
予想はしていましたが、GW中にこんなに大々的に報じられるとは思いませんでした。
リジェネロンの「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」の新設ニュースです。
5/1のミクスの記事で取り上げられています。
リジェネロン・スイーティング部門長 10月に「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」新設 MR84人新規採用へ
米バイオ医薬品企業のリジェネロン社で免疫領域国際部門長を務めるジョナサン・スイーティング氏は4月30日、東京都内で本誌インタビューに応じ、気管支喘息と副鼻腔炎を対象とした「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」を24年10月に新設する方針を明らかにした。
5月からMRの採用活動を開始。陣容はMR84人を含む100人体制を目指す。
10月までに製品知識を含むトレーニングを実施する。
一方で同社が創製したデュピクセントについてサノフィとのコ・プロモーションを継続する方針を改めて強調。呼吸器科/耳鼻科領域における日本の医師への情報提供の連携施策について、「両社間で検討したい」と意欲を示した。
「リジェネロンは日本を非常に重要な市場と考えており、日本に対する投資は、今だけではなくて長期的に引き続き投資していく市場と考えている」-。
ジョナサン・スイーティング免疫領域国際部門長は、こう強調する。
続けて、「我々は昨年立ち上げた皮膚科領域の“次のステージ”として、新たに呼吸器科・耳鼻科領域の営業部門を立ち上げることにした」と明かした。
2024/5/1 ミクスOnline
冒頭のみ引用させてもらいました。
詳しく見たい方はミクスOnlineにアクセスしてください。
(このGWの時に来日してインタビューに応えるなんて。対応しているリジェネロン日本法人の社員さんはGW休みなしですね。笑&涙)
今日はこのニュースを受けて、この営業部が取り扱うであろう薬と適応症についてまとめていきたいと思います。
これから採用に向けて面接などが進むかと思いますので、その情報収集の一環として参考にして頂けたら嬉しいです。
呼吸器科/耳鼻科領域営業部に関連するリジェネロンの薬剤
まずはパイプラインから見ていきます。
Globalサイトのパイプラインリストにアクセスしました。
↓
ここに掲載されているFactシート(2023年11月の株主向け資料)に一覧がありましたのでご紹介します。
↓
いや、もう何回見てもすごい数のパイプラインです。
もはや、スマホだと見えないですよね、文字が小さすぎて。(笑)
私がリジェネロン推しなのは、この豊富なパイプラインも一つの大きな理由です。
過去ブログにも他の領域のRegeneronに関する情報を纏めているので、よかったらご覧ください。
(過去、4回もブログに取り上げているなんて。。。笑)
さて、話を開発パイプラインの表に戻します。
全部解説するのは、無理ってくらいのパイプラインです。
さて、ここから「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」が関わりそうな薬剤をピックアップします。
オンコロジーは別扱いで見ていきますね。
そうすると、以下のような感じになります。
【Ph3】
・DUPILUMAB→COPD 慢性閉塞性肺疾患
・ITEPEKIMAB→COPD 慢性閉塞性肺疾患
・REGN5713-5714-5715→Birch allergy カバノキアレルギー
【Ph2】
・なし
【Ph1】
・Next Generation Covid Antibody→SARS-CoV-2 Variants
以上です。
あれ?
少なくない?
と感じた人は、その通りです。
実は呼吸器と耳鼻科のパイプラインはPh3に3つ、Ph1に1つだけです。
でもですね。
「Ph3に3つある。」
ここがポイントです。
特許の期間も考えると10年近くはこの領域で仕事ができることが予想されます。
そしてこれだけの規模の会社なので、M&Aや提携などで、途中でこの領域の新たなパイプラインが加わることも考えられます。
なのでそんなに心配する必要はないかなと。
というか心配は皆無だと思います。
それだけパイプラインと、会社の資金力がずば抜けているからです。
あと、確か慢性副鼻腔炎なども候補にあったと記憶しているので、このリストの情報だけでは日本の実態を捉えるのには、不足がありそうです。(FDAではすでに承認されているからリストからは除外されているのかもしれません)
ということで、次は日本に関する情報を見ていきます。
リジェネロンの日本のパイプライン
気にしないといけないのは、これらのパイプラインが日本で開発が動いているかどうかです。
そこはJRCTで見ていきます。
フリーワードで”Regeneron”と入れて検索すると、なんと24件の臨床試験がヒットします。
(2024年5月1日現在)
登録情報 | |||||
臨床研究実施計画番号 | 研究の名称 | 対象疾患名 | 研究の進捗状況 | 公表日 | 詳細 |
jRCT2031240002 | Eculizumab/Ravulizumab による治療を受けている発作性夜間ヘモグロビン尿症患者を対象に、Pozelimab と… | 発作性夜間ヘモグロビン尿症 | 募集終了 | 令和6年4月2日 | 閲覧 |
jRCT2031230539 | 好酸球性十二指腸炎併発又は非併発の好酸球性胃炎成人及び青年患者を対象に、デュピルマブの有効性及び… | – 好酸球性胃炎 – 好酸球性十二指腸炎 – 好酸球性胃腸疾患 | 募集中 | 令和6年3月28日 | 閲覧 |
jRCTs031220565 | エボラ出血熱に対する REGN-EB3の有効性を探索する単群介入試験 | エボラ出血熱 | 募集前 | 令和6年4月25日 | 閲覧 |
jRCT2031230087 | 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象としたREGN5458(抗BCMA ⅹ 抗CD3二重特異性抗体)の第I/II相FIH… | 多発性骨髄腫 | 募集中 | 令和6年2月7日 | 閲覧 |
jRCT2031230025 | 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象としたREGN5458(抗BCMA ⅹ 抗CD3二重特異性抗体)の第I/II相FIH… | 多発性骨髄腫 | 募集前 | 令和5年4月16日 | 閲覧 |
jRCT2031230013 | 発作性夜間ヘモグロビン尿症患者を対象に、POZELIMAB とCEMDISIRAN による併用療法の長期安全性、忍容性… | 発作性夜間ヘモグロビン尿症患者 | 募集中 | 令和6年4月5日 | 閲覧 |
jRCT2041220096 | 進行性骨化性線維異形成症患者におけるgaretosmabの安全性、忍容性及び有効性を評価する第3相無作為化プ… | 進行性骨化線維異形成症 | 募集中 | 令和5年5月14日 | 閲覧 |
jRCT2031220440 | 補体阻害薬の治療を受けたことがない、あるいは最近補体阻害薬の治療を受けていない発作性夜間ヘモグロ… | 発作性夜間ヘモグロビン尿症患者 | 募集中 | 令和5年9月21日 | 閲覧 |
jRCT2011220020 | 遺伝子リスクファクターを有する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者に対するSIRNA遺伝子サイレンシング… | 非アルコール性脂肪肝炎 | 募集終了 | 令和6年4月5日 | 閲覧 |
jRCT2071220059 | 症候性全身型重症筋無力症患者を対象としたpozelimab及びcemdisiran併用療法の有効性及び安全性 | 症候性全身型重症筋無力症 | 募集中 | 令和5年10月16日 | 閲覧 |
jRCT1031210642 | 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者におけるデュピクセント®治療の 長期アウトカム評価 (AROMA) | 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎 (CRSwNP) | 募集中 | 令和5年2月8日 | 閲覧 |
jRCT2031210617 | 再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者を対象に、抗CD20 x抗CD3二重特異性抗体であるREGN1979… | 再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫 | 募集中 | 令和6年1月11日 | 閲覧 |
jRCT1030210488 | デュピクセント®を開始する喘息患者のレジストリ試験 (RAPID) | 気管支喘息 | 募集中 | 令和4年8月3日 | 閲覧 |
jRCT2031200441 | 成人及び青年期の中等度から重度の手足におけるアトピー性皮膚炎患者を対象としたDupilumab の有効性と… | 中等度から重度の手足におけるアトピー性皮膚炎 | 研究終了 | 令和5年12月9日 | 閲覧 |
jRCT2080225350 | アレルギー性気管支肺アスペルギルス症患者を対象にデュピルマブの有効性及び安全性を評価する無作為化… | アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 | 参加募集終了 | 令和5年9月29日 | 閲覧 |
jRCT2080225313 | 水疱性類天疱瘡成人患者を対象にデュピルマブの有効性及び安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検… | 水疱性類天疱瘡 | 参加募集終了 | 令和5年9月29日 | 閲覧 |
jRCT2080225235 | 糖尿病黄斑浮腫患者を対象に高用量アフリベルセプトの有効性及び安全性を検討する無作為化二重遮蔽実薬… | 糖尿病黄斑浮腫: 1型糖尿病 2型糖尿病 | 参加募集終了 | 令和5年12月9日 | 閲覧 |
jRCT2080224968 | 高リスク皮膚有棘細胞癌患者を対象に、手術及び放射線療法後のCEMIPLIMABによる補助療法とプラセボとを… | 皮膚有棘細胞癌 | 参加募集中 | 令和6年4月4日 | 閲覧 |
jRCT2080224842 | 中等度から重度のアトピー性皮膚炎の成人患者を対象としたREGN3500の 有効性、安全性、及び薬物動態プロ… | 中等度から重度のアトピー性皮膚炎 | 参加募集中断(恒久的) | 令和4年4月1日 | 閲覧 |
jRCT2080224823 | 家族性高コレステロール血症ホモ接合体患者を対象にエビナクマブの長期安全性及び有効性を評価するオー… | 家族性高コレステロール血症ホモ接合体 | 参加募集終了 | 令和6年4月27日 | 閲覧 |
jRCT2080224136 | PD-L1発現率50%以上の腫瘍を有する進行または転移性非小細胞肺がん患者の一次治療におけるREGN2810(抗P… | 非小細胞肺がん | 参加募集中断(恒久的) | 令和2年9月7日 | 閲覧 |
jRCT2080224063 | 最大耐用量の脂質改善療法を受けているにもかかわらず持続性の高コレステロール血症を有する患者を対象… | 持続性の高コレステロール血症 | 参加募集終了 | 令和4年4月8日 | 閲覧 |
jRCT2080224038 | 家族性高コレステロール血症ホモ接合体患者を対象にエビナクマブの有効性及び安全性を評価するランダム… | 家族性高コレステロール血症ホモ接合体 | 参加募集終了 | 令和3年7月29日 | 閲覧 |
jRCT2080223984 | 再発性又は転移性子宮頸がんを対象に、REGN2810と治験担当医師が選択した化学療法とを比較する非盲検、… | ‐ 扁平上皮癌(SCC) ‐ 再発性又は転移性、プラチナ製剤抵抗性子宮頸がん | 参加募集終了 | 令和6年3月28日 | 閲覧 |
すごいですよね。
やっぱりすごいです。
まだ数百人位の規模の日本法人がこれだけの臨床試験を動かしているというのは、にわかには信じられません。
さて、この中で「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」が関わりそうなものは、上記のリストからですと、以下の適応症かと思います。
・鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎
・気管支喘息
・アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
薬剤はいまのところすべてデュピクセント®ということになりそうです。
それとサノフィ側の試験も確認したところ、
・アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(AFRS):jRCT2041210031
・COPD(慢性閉塞性肺疾患): jRCT2080224762
これらも動いていることがわかります。
またGlobalで開発しているITEPEKIMABは日本で動いていないのかな?と思って調べたら、これも動いていることがわかりました
JRCT 中等度から重度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象としてSAR440340/REGN3500/itepekimab(抗IL-33 モノクローナル抗体)の有効性、安全性及び忍容性を検討するランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間第III相試験 https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2071210004 |
サノフィ側で動かしている試験だから、Regeneronで調べてもヒットしなかったようです。
ということで、この薬剤も日本で取り扱うことになりそうです。
呼吸器科/耳鼻科領域営業部だけでもこれだけのパイプラインがあります。
いやはや、恐るべしですね。
リジェネロンの求人情報
冒頭のミクスの記事によれば、
「5月からMRの採用活動を開始。陣容はMR84人を含む100人体制を目指す。」
とのことです。
・豊富なパイプライン
・高い給与レンジ
・RSU
・新しい領域に新薬を届けることができる領域的やりがい
これらを考えると、MRであれば入社したいと考える方が多いのではないでしょうか?
私が20代でMRなら、検討すると思います。
リジェネロンさんをサポートしている代表的な2社を以下に掲載しておきますね。
1社目は
製薬ニュースを毎日配信するAnswersNewsと連携しており、バイオベンチャーや大手製薬会社との提携をされています。
リジェネロンとも繋がりがあることは第一弾採用の時には存じ上げなかったのですが、その最中に知ることとなりました。
製薬特化で、サポートも充実してます。
おススメするポイントも以下のブログにまとめてあります。
(5/8更新情報)
申し訳ありません。今回の、この呼吸器組織のMR案件についてはAnswers さんは案件を有していないことが判明しました。第一弾の際にサポートされていたので、今回もと考えておりましたが、担当の方からご連絡を頂きました。誤解を生んでしまいご迷惑をお掛けした人がいましたらお詫び申し上げます。
ただAnswersさんは優良なエージェントさんで外資バイオベンチャーの案件や魅力的な非公開求人を紹介してくださいます。機会損失を防ぐために抑えておきたいエージェントさんの一つであることに変わりはありませんので、上記のリンクは残しておきます。
(6/4更新情報)
その後、エージェントさんから再度連絡があり、この案件についてAnswers さんは再び獲得したことを教えて頂きました。6/10が一次締め切りのようで、6/7の金までに連絡が欲しいようです。お急ぎください。
2社目は、
外資系案件に強みをもっています。
外資を目指すなら抑えておきましょうと、Xなどでもたくさんコメントしているエージェントさんになります。
Regeneronのサポートもされているようですので、よかったら情報取ってみてください。
私がお伝えしたいポイントは、「どこどこのエージェントさんが一番良いですよ!」ということではなく、機会損失を防ぐために、複数の転職エージェントに登録したほうが絶対に良いという点です。
なぜならエージェントによって持っている案件や非公開求人が異なるためです。
今日は、Regeneron特化の内容をお届けしていますが、これ以外に魅力的な案件が実は裏でたくさん動いてます。
その中でもAnswersさんやJAC Recruitmentは優良な転職エージェントさんになりえますよ!ということです。
ランスタッドさんも外資には強いです。
今日、このブログを読んで終わりとするか、5-10分ほど手を動かしてエージェントから情報を得ようとするかで、その後の人生の選択が変わってきます。
エージェントの登録をこれまでしたことがない、もしくはエージェントの登録を1社程度で済ませて満足されている方は、それだけで多くの機会損失が発生していることは自覚しておいたほうがよいと思います。
「望んでいたような求人が出ていたけど知らずに終わる」
こんなことが実は結構発生しています。
これはもったいないですよね。
希望する求人と条件をデフォルトで良いので用意しておいて、エージェントさんに伝えておくと、それに近しいような案件が自然と入ってくるようになります。
そういうアクションを積み上げていくと良い案件と出会える可能性が増えていきます。
リストラ吹き荒れる製薬業界で生き抜くにはこういったアクションが不可欠だと私自身は考えています。
動く動かない、応募する応募しないは置いておいて、まずは選択肢を知る、ということでエージェントに話を聞いてみるというところからアクションを起こしてはいかがでしょうか?
今回のRegeneronの案件は、おそらく第一弾の時と同じように応募が殺到することになると思います。
希望する方は、ご自身のこれまでの原体験と望むキャリアをしっかり言語化して面接に望まれると良いと思います。
狭き門だとは思いますが、応援しています。
今日のお届けした情報が少しでもお役に立てばうれしいです。
ちなみにGlobalのHPなんかにもアクセスして、色々情報収集しておくとよいと思います。
株主向けのページにはわかりやすいプレゼンテーション資料がたくさんありますので、より情報を取りにいきたい人は要チェックです。
ということで本日の記事内容は以上です。
今日はRegeneronのトピックスについてでした!
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