外資系製薬会社経営企画室こういちの注目の外資バイオベンチャー。Krystal Biotech(クリスタルバイオテック)。日本では2025年の上市を目指す、栄養障害型表皮水疱症という遺伝疾患の治療薬を開発中!

製薬会社の将来を考える
この記事を読んで分かること
・Kristral Biotech(クリスタルバイオテック)の概要
・栄養障害型表皮水疱症に対する遺伝子治療薬の概要

*この記事にはアフィリエイト広告を利用しています。

 

 

どうも、こんにちは。

外資系製薬会社経営企画室のこういちです。

 

 

今日は、私のサイトの中でもアクセス数の多い、注目の外資バイオベンチャーシリーズです。

今日取り上げるのは、Kristral Biotech(クリスタルバイオテック)です。

 

 

その存在は半年位前から知っていましたが、いよいよ新薬の上市準備が日本でも本格化してくる気配を感じましたので、今日は筆を執っています。

アメリカ、ピッツバーグ生まれのスタートアップの製薬企業です。

果たしてどんな会社なのでしょうか?

 

調べた情報をまとめていきたいと思います。

Kristral Biotech(クリスタルバイオテック)とは?

Home – Krystal Biotech, Inc

まず、ホームページですが、global siteはすでに出来ており、立派なものがあります。

上記にURLを置きましたので、良かったらアクセスしてみてください。

日本語のホームページは調べましたが、まだありませんでした。

 

こちらがGlobal siteのTop pageです。

 

Commercial-Stage Company

Developing Genetic Medicines for


High Unmet Medical Needs

Krystal’s mission is to develop and deliver genetic medicines to patients using redosable gene therapies for the treatment of severe, life‑threatening or rare diseases that have limited or no approved therapies.

(日本語訳)

コマーシャルステージの企業

アンメット・メディカル・ニーズの高い遺伝子治療薬の開発

クリスタルの使命は、承認された治療法が限られている、または承認されていない、生命を脅かす重篤な疾患や希少疾患の治療のために、再利用可能な遺伝子治療を用いて遺伝子医薬品を開発し、患者に届けることである。

Top pageから引用

こういったことがトップページには書かれています。

もう少し詳しく知りたいので、AI君に聞いてみました。

「Kristral Biotech(クリスタルバイオテック)について企業概要を教えてください」

Krystal Biotechは、遺伝性の重篤な疾患や希少疾患を持つ患者に対して、HSV-1ベースの遺伝子デリバリープラットフォームを使用して薬剤を開発・提供する遺伝子治療バイオテクノロジー企業です1

同社は、他のアプローチでは不十分な疾患や組織を対象とした再投与可能な遺伝子療法の開発を先導しています。

主要な製品候補には、ジストロフィー性表皮水疱症の治療を目的としたBremagene Geperpavec(B-VEC)があり、臨床第III相試験が進行中です23

Copilot 「Kristal Biotechについて企業概要を教えてください。」2024年6月11日

 

ちょっとわかりにくい表現でAI出力されてしまいましたね。

この中のBremagene Geperpavecが現在Kristral Biotech(クリスタルバイオテック)が米国で発売した遺伝子治療の塗薬「Vyjuvek」になります。

(なんて読むんですかね?ビジュヴェック?)

この薬の情報については、PubMed内にも情報がありました。

日本語訳もつけて情報をお伝えします。

Beremagene Geperpavec: First Approval – PubMed (nih.gov) 

Abstract

Beremagene geperpavec-svdt (VYJUVEK™) is a topically applied, redosable, live, replication defective herpes simplex virus-1 (HSV-1) vector -based gene therapy that is being developed by Krystal Biotech to deliver functional human collagen type VII alpha 1 chain (COL7A1) genes in patients with both, dominant and recessive dystrophic epidermolysis bullosa.

Beremagene geperpavec can transduce both keratinocytes and fibroblasts and restore functional COL7 protein. In May 2023, beremagene geperpavec received its first approval in the US for the treatment of wounds in patients ≥ 6 months of age with dystrophic epidermolysis bullosa with mutation(s) in the COL7A1 gene.

A Marketing Authorization Application for beremagene geperpavec in Europe is planned for the second half of 2023.

This article summarizes the milestones in the development of beremagene geperpavec leading to this first approval for dystrophic epidermolysis bullosa.

(日本語訳) 

概要

Beremagene geperpavec-svdt(VYJUVEK™)は、単純ヘルペスウイルス-1(HSV-1)ベクターをベースとした局所適用型の再活性化可能な遺伝子治療薬であり、Krystal Biotech社によって、優性および劣性両方のジストロフィー性表皮水疱症患者に機能的ヒトコラーゲンVII型α1鎖(COL7A1)遺伝子を導入するために開発されている。

Beremagene geperpavecは、ケラチノサイトと線維芽細胞の両方に導入し、機能的なCOL7タンパク質を回復させることができる。

2023年5月、beremagene geperpavecは、COL7A1遺伝子に変異を有する生後6カ月以上のジストロフィー性表皮水疱症患者の創傷治療薬として、米国で最初の承認を取得した。

欧州におけるberemagene geperpavecの販売承認申請は2023年後半を予定している。

本稿では、ジストロフィー型表皮水疱症に対する初の承認に至るberemagene geperpavecの開発におけるマイルストーンを要約する。

Beremagene Geperpavec: First Approval – PubMed (nih.gov) 

専門用語がちりばめられていますので、理解が難しい部分もありますが、表皮水疱症に対する新たな遺伝子治療が2023年5月に米国で承認になったということを抑えておいて頂ければと思います。

 

Kristral Biotech(クリスタルバイオテック)が米国で発売した遺伝子治療の塗薬「Vyjuvek」とは?

 

もう少し深堀していきます。

 

「Vyjuvek」に関して、ミクスの記事でも日本語で説明している文章を見つけましたので、そちらをご紹介します。

米FDA Vyjuvekを承認 DEBに対する初の遺伝子治療薬

公開日時 2023/05/24 04:49

米食品医薬品局(FDA)は5月19日、米Crystal Biotech Inc社の遺伝性栄養障害型表皮水疱症(DEB)を適応とする遺伝子治療Vyjuvekを承認した。

適応は、コラーゲンVII型α(COL7A1)遺伝子に変異を持つ6か月以上の小児におけるDEB。

同治療法は、創傷部位にCOL7A1遺伝子の正常コピーを挿入するために遺伝子改変単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)をベクターとして活用している。

FDAは、同剤について、希少疾病薬、迅速審査、再生医療先進治療および希少小児疾患優先審査バウチャーの指定を行った。

希少小児疾患優先審査バウチャーは、小児における希少疾患の予防・治療薬(法)開発促進のために設けられた制度。

FDAのPeter Marks医薬品評価研究センター(CDER)長は、「Vyjuvekは、希少かつ重篤な皮膚疾患であるDEBに対する初のFDA承認遺伝子治療である」とした。そのうえで、「本日の承認は、希少疾患のアンメットニーズに応える新規治療法の開発や評価の支援にFDAが継続的に取り組んでいることを示すものだ」と話した。

DEBは、COL7A1遺伝子の変異の結果、表皮や爪の結合組織に影響する疾患。

COL7A1遺伝子は、皮膚の表皮と真皮の接合を担う基底膜の係留線維を構成するVII型コラーゲンをコード化する。

このため、COL7A1遺伝子が欠損することにより、皮膚に水疱を形成、糜爛も生じ、痛みを生じさせる。

DEBは通常出生時に出現、以下の2つの遺伝子型に分類される。

劣性DEBおよび優勢DEBである。

劣性DEBは、失明や皮膚の外観を損なうような広範囲の水疱や他の致命的な医学的合併症などを引き起こす。

優性DEBの症状は、手、脚、膝および肘に影響する水疱だが、症状は軽度。

ミクスオンライン 2023年5月24日

 

この文章のほうがPubmedを翻訳した文章よりもわかりやすいですね。

 

また別の記事も見つけました。

MIT Tech Review: FDAが初承認、「塗り薬」が開く遺伝子療法の新たな可能性 (technologyreview.jp)

一部引用させて頂くと、

皮膚が非常に脆弱になる栄養障害型表皮水疱症という遺伝疾患を患っている。この病気を持つアントニオのような子どもたちは「バタフライ・チルドレン」と呼ばれている。

しかし、最新の遺伝子療法を外用薬として目や皮膚に適用したおかげで、アントニオの症状は改善を見せている。傷は小さくなり、眼科医に診察してもらったところ、視力も劇的に良くなっていることが分かった。

「右目の視力は0.8あると言われました」と、電話でインタビューを受けたアントニオは嬉しそうにスペイン語で話した。

「今では小さいものが見えるんです」。視力が良くなったおかげで、最近プレイし始めたマインクラフトも、ブロックやアイテムが視認できるようになった。

自分のことはアンソニーと呼んでほしいと、アントニオは言った。アンソニーという呼び名のほうが好きなのだという。

2023年5月19日、米国食品医薬品局(FDA)はアンソニーが受けた遺伝子置換療法を承認した。患者の体の表面に適用する遺伝子療法としては、初めて販売が承認されたものとなった。同じ患者に繰り返し適用することを意図した療法としても、初めてのものである。

アンソニーのような「バタフライ・チルドレン」は、体が皮膚の層を保持するために必要な種類のコラーゲンを生成しないという問題を抱えている。そのため、この病気を持つ子どもたちは慢性的に水ぶくれのような傷が皮膚のいたるところにできてしまう。さらに、喉の内部、そして時には目の表面にすら症状が発生する。

今回承認された治療法は、こうした子どもたちに欠けている遺伝子を皮膚の細胞へと届け、皮膚内でコラーゲンの生成を可能とする。また、こうした外用薬を用いた最新の遺伝子導入方法は、その他の稀な皮膚病の治療にも応用できないかと研究が進められている。嚢胞性線維症に対する吸入薬を用いた遺伝子療法の研究も進められている。

「Vyjuvek」と呼ばれるこの遺伝子療法は、ピッツバーグのスタートアップ企業であるクリスタル・バイオテック(Krystal Biotech)が開発したもので、栄養障害型表皮水疱症を患っている年齢6カ月以上の人なら誰でも使用してよいとの承認を受けている。これまで、この表皮水疱症に対する治療法はほとんど存在していなかった。

MIT Tech Review: FDAが初承認、「塗り薬」が開く遺伝子療法の新たな可能性 (technologyreview.jp)

 

このような薬だということです。

 

 

さて、2023年5月に発売されたということで、1年ほど米国では販売実績があります。

どれくらい売れている薬なのでしょうか?

その情報に関しては株主向け資料に情報がありました。

それがこちら。

(画像をクリックするとPDFに飛べます)

「Vyjuvek」の売り上げについては、P4に見つけることができました。 

2024年第1四半期の製品収益は45.3百万ドルであることが読み解けます。

日本円を150円で計算すると、、、約68億円です。

1Qで68億円なので、通期だと、単純に4倍で272億円になります。

微増の傾向が見て取れるので、2024年は300億円近く売れるのではと思います。

Kristral Biotech(クリスタルバイオテック)の「Vyjuvek」、日本での発売はいつ?

 

気になるのは、日本での発売はいつになるのかということですよね。

それについても株主向け資料に記載があります。

Filing、つまり申請を2024年の下期(2H)、Decisionと表現されていますが、承認が2025年中を見込んでいるようです。

すでに2023年にODDも取得していることが読み解けます。

 

さて、この薬の日本の治験ですが、以下から見ることができます。

非盲検継続投与試験の治験実施計画書(日本):日本人の栄養障害型表皮水疱症(DEB)患者の治療におけるBeremagene Geperpavec(B-VEC、以前の開発コードKB103)の有効性及び安全性の評価

治験施設は

・大阪公立大学医学部附属病院

・国立大学法人北海道大学病院

この2施設のようです。

すでに募集は終了しているので、結果をまとめて、承認申請に向かうものと思われます。 

Kristral Biotech(クリスタルバイオテック)の求人は?

日本での栄養障害型表皮水疱症の患者数は500人~1000人程度のようです。

そのため、希少疾患に該当します。

コマーシャルの人数もそんなに割かないでしょうから、少数精鋭の部隊になると予想します。

 

日本でもすでに立ち上げに向けて動き始めています。

 

 

サポートしている企業さんを知っていますので、ご興味ある方はコンタクトください。

またこの手の企業はよくJAC Recruitmentさんがサポートしています。

興味ある人は、コンタクトしてみてください。

 

 

今日は、Kristal Bio特化の内容をお届けしていますが、これ以外に魅力的な案件が実は裏でたくさん動いてます。 

 

AnswersさんやJAC Recruitmentは比較的幅広く求人を扱っているので個人的におススメしています。

 

 

 

今日、このブログを読んで終わりとするか、5-10分ほど手を動かしてエージェントから情報を得ようとするかで、その後の人生の選択が変わってきます。

エージェントの登録をこれまでしたことがない、もしくはエージェントの登録を1社程度で済ませて満足されている方は、それだけで多くの機会損失が発生していることは自覚しておいたほうがよいと思います。

 

「望んでいたような求人が出ていたけど知らずに終わる」

 

 

こんなことが実は結構発生しています。

 

これはもったいないですよね。

 

 

希望する求人と条件をデフォルトで良いので用意しておいて、エージェントさんに伝えておくと、それに近しいような案件が自然と入ってくるようになります。

そういうアクションを積み上げていくと良い案件と出会える可能性が増えていきます。

  

 

リストラ吹き荒れる製薬業界で生き抜くにはこういったアクションが不可欠だと私自身は考えています。

動く動かない、応募する応募しないは置いておいて、まずは選択肢を知る、ということでエージェントに話を聞いてみるというところからアクションを起こしてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

この企業が取り扱う栄養障害型表皮水疱症はかなりアンメットニーズが高そうです。

病気のことをネットで検索して頂くと、その深刻さが容易に理解できると思います。

皮膚がうまく作られないので、赤ぎれ・火傷のような状態が常に皮膚表面にある患者さんの写真がたくさん出てきます。

個人的にはこういった疾患に治療薬を届けることができるのは素晴らしいことだと思います。

 

YouTubeでもこの薬剤についての試験概要がCEOによって共有されています。

2022年4月の動画なので、少し古いですが、患者さんの症状なども写真があるので、その重症さがイメージできると思います。

薬の概要なども英語にはなりますが、丁寧に説明してくれています。

よかったらご覧になってください。

https://www.youtube.com/watch?v=mobSPNmgSyk

 

 

ということで本日のブログの内容は以上です。

最後までお読み頂きありがとうございました! 

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