外資系製薬会社経営企画室こういちの注目の外資系バイオベンチャー。アルナイラム。siRNAを持つ優良バイオベンチャー。認知症薬のPh1の中間解析の結果がUpdataされたので共有するよ。

製薬会社の将来を考える
この記事を読んでわかること
・アルナイラムの認知症薬のPh1の中間解析結果-期待できる結果に!

どうも、こんにちは。

外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。

暑い、暑いですね。

3連休はプール三昧でした。

市民プールに、家でもプール。

なんなら平日の昨日も子供たちと庭でプールを満喫しました。

 

 

さて、今日はアルナイラムの続報です。

Twitterを覗いていたら、以下の情報をキャッチしました。

チクチクさんは製薬のプレスリリース情報を詳しく発信されている方です。

情報の発信の仕方等いつも参考にさせて頂いてます。

そんなチクチクさんのツイートが朝一番に飛び込んできました。

「おっ、この間ブログに取り上げたアルナイラムの認知症薬の情報だ!ブログにアップデートしよう!」

と思い、いま筆を執っています。

ちなみに前回のブログはこちらです。

7月12日に執筆したものです。

Ph1の認知症薬についても詳しく述べています。

あれから数日しか経っていませんが、注目の認知症薬のPh1の中間解析の結果がUpdateされたということで、どのような結果になったのか見ていこうと思います。

アルナイラムの認知症薬のプレスリリース 2023.7.17

Alnylam Reports Updated Positive Interim Phase 1 Results for ALN-APP, in Development for Alzheimer’s Disease
Alnylam Pharmaceuticals Press Release | Jul 17, 2023

さて、中身についてみていきます。

Alnylam Reports Updated Positive Interim Phase 1 Results for ALN-APP, in Development for Alzheimer’s Disease and Cerebral Amyloid Angiopathy

Jul 17, 2023

– First Clinical Study of a Central Nervous System-Administered RNAi Therapeutic Showed Rapid and Robust Target Engagement with Sustained Effect Over 6 Months with a Single Dose –

– ALN-APP Continues to Demonstrate an Encouraging Clinical Safety and Tolerability Profile –

– Multiple-dose Portion of Study, Part B, Being Initiated in Approved Regions –

 

CAMBRIDGE, Mass.–(BUSINESS WIRE)–Jul. 17, 2023– 

Alnylam Pharmaceuticals, Inc. (Nasdaq: ALNY) announced today updated positive interim results for the ongoing single ascending dose portion of the Phase 1 study of ALN-APP, an investigational RNAi therapeutic targeting amyloid precursor protein (APP) in development for the treatment of Alzheimer’s disease and cerebral amyloid angiopathy (CAA).

The results were presented at the 2023 Alzheimer’s Association International Conference (AAIC) being held July 16-20, 2023 in Amsterdam, The Netherlands.

ALN-APP is the first clinical-stage program using Alnylam’s proprietary C16-siRNA conjugate platform for central nervous system (CNS) delivery and the first investigational RNAi therapeutic to demonstrate gene silencing in the human brain.

ALN-APP is being developed in collaboration with Regeneron Pharmaceuticals, Inc.

Twenty patients with early-onset Alzheimer’s disease have been enrolled in three single-dose cohorts in Part A of the ongoing Phase 1 study.

In this study to date, single doses of ALN-APP, which are administered by intrathecal injection, have been well tolerated.

All adverse events were mild or moderate in severity.

Cerebrospinal fluid (CSF) white blood cell count and total protein levels showed no remarkable elevations from baseline.

Routine laboratory assessments (hematology, serum chemistry, liver function, urinalysis, coagulation) as well as preliminary data for the exploratory biomarker neurofilament light chain (NfL) did not reveal any significant abnormalities.

Patients treated with a single dose of 75mg ALN-APP experienced a rapid and sustained reduction in cerebrospinal fluid of both soluble APPα (sAPPα) and soluble APPβ (sAPPβ), biomarkers of target engagement, with maximum reductions of 84% and 90%, respectively.

Mean reductions in sAPPα of greater than 55% and sAPPβ greater than 65% were sustained at 6 months after a single dose. Additional results can be seen in the presentation on Capella.

https://investors.alnylam.com/press-release?id=27596 2023.07.017

日本語に訳しますね。

アルナイラム社、アルツハイマー病および脳アミロイド血管症を適応症として開発中の ALN-APPの良好な中間フェーズ1結果を更新

2023年7月17日

  • 中枢神経系にRNAiを投与する初の臨床試験で、迅速かつ強固な標的への関与を示し、単回投与で6カ月間にわたる効果の持続を確認 – ALN-APP
  • ALN-APPは引き続き有望な臨床的安全性および忍容性プロファイルを示す-。
  • 本試験の複数回投与部分(パートB)を承認地域で開始中

 

マサチューセッツ州ケンブリッジ–(BUSINESS WIRE)–(ビジネスワイヤ)–2023年7月17日–。

アルナイラム・ファーマシューティカルズ・インク(Nasdaq: ALNY)は本日、アルツハイマー病と脳アミロイド血管症(CAA)の治療薬として開発中のアミロイド前駆体タンパク質(APP)を標的とするRNAi治療薬ALN-APPの第1相試験(単回上行投与)の中間解析結果を発表しました。

この結果は、2023年7月16日から20日までオランダのアムステルダムで開催される2023年アルツハイマー病協会国際会議(AAIC)で発表されました。

ALN-APPは、中枢神経系(CNS)への送達を目的としたアルナイラム独自のC16-siRNAコンジュゲート・プラットフォームを用いた初の臨床段階のプログラムであり、ヒトの脳における遺伝子サイレンシングを実証した初の治験用RNAi治療薬です。

ALN-APPはリジェネロン・ファーマシューティカルズ社と共同で開発されている。

現在進行中のフェーズ1試験のパートAでは、20名の早期発症アルツハイマー病患者が3つの単回投与コホートに登録されている。

これまでのところ、ALN-APPの単回投与(髄腔内注射)は良好な忍容性を示しています。

すべての有害事象の重症度は軽度または中等度であった。

脳脊髄液(CSF)白血球数および総蛋白質レベルは、ベースラインからの顕著な上昇は認められませんでした。

ルーチンの臨床検査値(血液学、血清化学、肝機能、尿検査、凝固)および探索的バイオマーカーであるニューロフィラメント軽鎖(NfL)の予備的データでは、有意な異常は認められなかった。

75mgのALN-APPを単回投与された患者では、脳脊髄液中の可溶性APPα(sAPPα)および可溶性APPβ(sAPPβ)の両方が迅速かつ持続的に減少し、標的関与のバイオマーカーはそれぞれ最大84%および90%減少した。

sAPPαの平均減少率は55%以上、sAPPβの平均減少率は65%以上で、単回投与後6ヵ月間持続した。その他の結果は、Capella.に関するプレゼンテーションで見ることができる。

https://investors.alnylam.com/press-release?id=27596 2023.07.017

いかがでしょうか?

期待できる内容ではないでしょうか。

そして、この薬、リジェネロンとの共同開発なんですね。

話題のリジェネロンですが、こんなところにも顔を出してきますか。。。

いや凄すぎますね。

結果に関して分かりやすい資料がCapella.にあるってことなんで覗いてみたいと思います。

ちなみになんですかね?Capella.って。

調べると雄の鹿って意味らしいですが。まあ、プラットフォームかなにかの名前なんでしょう。

Presented at the Alzheimer’s Association International Conference (AAIC) in Amsterdam,Netherlands, July 16–20, 2023

https://capella.alnylam.com/wp-content/uploads/2023/07/ALN-APP_AAIC_2023.pdf

さて、この結果ですが、2023年の7月16日-20日オランダのアムステルダムで開催されているAAIC(国際アルツハイマー病会議)にて発表がされています。

(ちなみにアムステルダムは私の好きなビールの一つ、ハイネケン発祥の地。その昔、空港ラウンジで飲みまくった思い出があります。)

かいつまんで中身を紹介していきます。

3群で構成されています。

コホート1が25mg(N=6)

コホート2が75mg(N=6)

コホート3が50mg(N=8)

となっています。

投与は一回で、最初の1か月で4回の腰椎穿刺、その後1か月に1回腰椎穿刺して、6か月まで脊髄液のアミロイドーシスの値を見ていくという試験です。

侵襲が高い腰椎穿刺を全部で9回行う被験者の方はめちゃくちゃ大変だっただろうと想像します。

 

 

さて、安全性の結果は以下です。

・すべての有害事象は軽度もしくは中等度であった

・死亡、予期できない疑わしい重度の有害事象、治療もしくは試験の中止は発生しなかった

・50mg または PBO(プラセボ) 群の 1 例に、治験責任医師が薬剤関連と判断した軽度の有害事象が 2 件発生した。治験責任医師により薬剤関連と判断された軽度AEは2件で、LP(腰椎穿刺)後の頭痛と悪心であった。

 

このような結果が確認されています。

 

 

さて、次は有効性です。

続けて3枚のスライドを紹介します。

  • 軽度アルツハイマー病患者を対象としたこの第1相試験では、ALN-APPの単回投与後、sAPPαおよびsAPPβの急速かつ持続的な低下が観察された。
  • sAPPβの平均減少率(±SEM)のピークは75mg投与で82%(±6.3)であり、2ヵ月目に発生した。最大90%の減少が観察された。
  • 75mg群において、sAPPβの平均65%以上の減少が6ヶ月間持続した。

sAPPとはアミロイド前駆体タンパク質のことです。

この値のグラフを見ると、25mgではほぼプラセボと差がなく、75mg投与で改善が見込めるようですね。

前回の以下のブログでは3か月の結果をお伝えしました。

今回は6か月のデータがUpdateされた形です。

単回投与でこれだけの結果を叩き出せるので、前回もお伝えしましたが、大いに期待が持てる内容ではないかと感じました。

まだまだ症例数は少ないので、これから大規模な試験がスタートしていくものと思われます。

 

 

認知症薬はエーザイのレカネマブ、リリーのドナネマブなど注目の薬が続きますね。

このアルナイラムの薬もPh2、Ph3と進んでいくことで益々注目度が高まっていくと思うので、今後に期待してみていきたいと思います。

アルナイラムさんの案件に興味がある方はJACさんと繋がりましょう

過去に私はMSLの案件を、それこそずいぶん前ですがJAC Recruitmentさんに紹介してもらったことがあります。

こういった外資バイオベンチャーの案件に強いのが、JAC Recruitmentさんです。

Regeneronの日本法人の契約ベンダーさんでもあります。

というか、このアルナイラムの薬、Regeneronと共同開発しているのは知りませんでした。

まだまだ先ですが、両者でプロモーションをしていくことになるのかもしれませんね。

そうすると、エーザイ、リリーとの熾烈な戦いになりそうです。

 

 

さてさて、こういった案件はエージェントさんと繋がっていないと、中々入ってきませんので、外資で働きたいという方はJAC Recruitmentさんは要フォローです。

過去にブログでまとめてますので、良かったら覗いてみてください。

ということで本日は以上です。

最後に、情報をくださったチクチクさんに感謝です。

それでは~。

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