この記事を読んでわかること ・BeiGeneのパイプラインと有望性
*この記事にはアフィリエイトを利用しています。
どうも、こんにちは。
外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。
さて、今日はBeiGeneのことをお届けしていきたいと思います。
というのもここ最近、以前書いたBeiGeneの記事のアクセスが急増しているからです。
以前書いた記事はこちら
採用が本格的に始まり、MRの求人も始まるからでしょう。
みなさん、情報収集に動かれているものと想像します。
以前書いた内容は1年前のものになるので、Updateの意味合いも込めて、JP Morgan の資料から、いくつか情報を共有していきたいと思います。
BeiGeneのJP Morganの資料

製薬会社の概要を掴みに行きたい場合に、有力なツールが株主向けの資料です。
これは内資、外資問わず共通です。
覚えておくと良いと思います。
表紙、かっこいいですね。
「A Competitively Advantaged, Next-Gen Oncology Innovator」
ですって。
「競争に優れ、先進的な、次の世代のオンコロジーのイノベーター」
って訳せますかね。
かっこいいですね。
BeiGeneもGlobalのCooporate siteにInvestorsという項目があり、そこから資料が見れるようになっています。

*ベイジーンに限らず、転職などの際に会社情報の確認をすることがあると思いますが、外資の場合は日本語ホームページだけでなく、必ずGlobalサイトも確認し、最新の情報を入手することをおススメします。
今日ご紹介するのはこちらの資料です。
42nd Annual J.P. Morgan Healthcare Conference on Monday, January 8th, 2024 at 1:30 pm PST
この中から一部の資料を抜粋してご紹介していきたいと思います。
2024年1月にJ.P. Morgan Healthcare Conferenceが行われており、そこでのプレゼンテーション資料からの抜粋です。
BeiGeneのパイプライン
まず目を引くのがこちらの一覧です。

画像が粗くて、すみません。
50のProgramが走っているとタイトルには付記されています。
いや、すごいですね。
中国発祥の会社だから、なんだか心配と言っている場合ではないです。
中国の製薬産業はすごい勢いで伸びています。
先日、海和(ハイヘ)製薬株式会社をブログでご紹介しました。
その時の記事はこちら↓
こういう会社が今後バンバン登場してくるのが、いまの中国の製薬産業です。
そしてベイジーンに関していえば、すでにアメリカに進出を成功させ、アメリカでの収益化にも成功している企業です。

2023年Q3のYear to Date(YTD:年の初めから今まで)が$1.8Bです。
仮に1$=140円で計算すると、
約2520億円
となります。
NASDAQにも上場している企業です。
そして、すごい数のパイプラインです。
Non-Oncologyは少ないですが、血液がんのプログラムと固形がんのプログラムをバランス良く同程度有しています。
ですので、よくわからず、中国の会社だから「なんだか心配」というのは、気持ちはわからなくもないのですが、それを凌駕する魅力が詰まっているのがベイジーンです。
こういち注目のBeiGeneのコンパウンド
前回のブログでは、主にザヌブルチニブ(BTK阻害薬)のことを取り上げました。
日本法人が最初に携わるのは、この薬になるでしょう。
ザヌブルチニブに関しては、上記のブログ内で詳しく解説してますので、そちらを参照ください。
私の注目は、その次です。
それがこちら

この左から2番目の薬剤です。
一般名「Sonrotoclax」(「ソンロトクラックス」で読み方あってます?)
BCL2阻害薬です。
BCL2阻害薬として有名なものにベネトクラクスがすでに市場に出ていますが、その競合品にあたる位置づけの薬剤となります。
2028年までに$4B(約5600億円)の売り上げが期待されている薬剤として資料には記載があります。
この薬の1ページがこちら。

ベネトクラクス(BCL2阻害薬)に比べて良い、BCL2阻害薬であることが記述されています。
AIが出してくれたこのページの要約はこちら
このページの内容は、Sonrotoclax (BGB-11417)という第二世代のBCL2阻害剤に関するものです。以下はその要約です:
- Sonrotoclaxの特徴:
- 安全性: Venetoclaxと比べて有利な安全性プロファイルを持ち、600人以上の患者での使用経験があります。
- 半減期: 短く、蓄積がないため、臨床的な腫瘍崩壊症候群(TLS)が観察されていません。
- 効果の可能性:
- BCL2阻害剤としての効力: Venetoclaxと比べてより強力です。
- 他の適応症での効果: 未治療のCLL (慢性リンパ性白血病)、MZL(辺縁帯リンパ腫):、t(11;14)を持つ多発性骨髄腫などで深く持続的な反応が見られます。
- 開発中の臨床試験:
- 第3相試験: BRUKINSAとの併用で、未治療のCLLに対する強力な効果に基づいて開始されました。
- 登録を目指す試験: 早期の治療ラインやAMLにおける試験が計画されています。
- 血液学におけるリーダーシップ:
- 疾患に最適な組み合わせ: 固定期間の治療が可能で、新しい適応症への拡大が期待されます。
これらの情報は、ASH 2023で発表された研究に基づいています。
AIによる要約
BCL2阻害薬に詳しくないので、これもAIに聞いてみました。
BCL2阻害薬は、がん細胞の成長を抑制するために設計された一群の薬剤です。
これらの薬剤は、BCL2というタンパク質を標的としています。
BCL2は、細胞の自然な死滅プロセスであるアポトーシスを阻害する役割を持っており、がん細胞はこのタンパク質を過剰に発現することで死を回避し、生存を維持します。
BCL2阻害薬は、このタンパク質の機能を阻害することで、がん細胞にアポトーシスを誘導し、がんの成長を抑えることを目的としています12。
例えば、ベネクレクスタ(一般名ベネトクラクス)は、再発・難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)や急性骨髄性白血病(AML)の治療に使用される経口BCL-2阻害薬です。
AI 「BCL2阻害薬とは?」
ということだそうです。
Sonrotoclaxは次世代のBCL2阻害薬ですね。
いまはザヌブルチニブ(製品名:BLUKINSA)との併用Ph3試験が走っているようなので、結果が待たれます。
Sonrotoclaxの2024年2月時点の日本の試験
現在(2024年2月)時点ではJRCTおよびClinicaltrial.govで日本の施設の登録は確認できませんでした。
ただ試験自体は9つ走っていることがClinicaltrial.govで確認できるので、そのうち日本でも施設が立ち上がれば
Ph3試験にもエントリーされてくるのではと予想します。
ASH2023でも結果が良かった(まだフェーズ1/2試験ですが)ことが取り上げられてます。
未治療のCLL/SLLに第2世代BCL2阻害薬sonrotoclaxとBTK阻害薬zanubrutinibの併用が有用な可能性【ASH 2023】
こういう有望な薬がドラッグロスにならないために、BeiGeneの日本法人が立ち上がったと思いますので、日本法人の皆さんにはぜひ開発を推し進めて頂きたいです。
BeiGene Japanの年収や求人
2022年の立ち上げ時の求人は【ランスタッド】から入ってきました。
年収は高いです。
RSUも出るということは聞いています。
いまは取り扱っている転職エージェントさんも増えていて、JAC Recruitment からも案内が来てました。
確か去年の末に、マーケティングの案件でしたかね。
BeiGeneさんはLinkedinでも求人がちょくちょく掲載されるので見てみると良いと思います。
開発案件、メディカル案件、コマーシャルエクセレンス案件など、ちょくちょく出てます。
絶賛組織構築中になるので、そういうフェーズで仕事をすることに興味がある人にはおすすめです。
MR求人も本格的に始まるということを聞いています。
こういう機会を逃さない手はないですので、関心高い方はぜひ積極的に情報収集に励んでください。
血液領域の経験長い方であれば、関心度が高い方はきっと多いと思います。
組織構築中だと、ロジ周りの仕組みや組織が整っていないことのストレスもありますが、裁量権が大きいので楽しいです。
大手でしっかり経験を積んだ人であれば、将来も有望ですので、良い選択肢になるのではないでしょうか?
今後10年で大きく伸びるポテンシャルを持っている会社です。
応募する方は頑張ってください!
それでは~~。
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