この記事を読んでわかること ・ラインファーマと経口避妊薬のこと
どうも、こんにちは、こういちです。
本日も外資バイオベンチャーシリーズをお届けします。
今日は「ラインファーマ」についてです。
私もこの会社のことは最近まで知りませんでしたが、経口避妊薬が承認間近というニュースを聞いて、興味を持ったので調べて見ることにしました。
実は、発祥がイギリスであったり、日本の立ち上げはここ最近であったりと、外資系バイオベンチャーの様相を呈していたので記事にすることにしました。
(ただ調べると、パイプラインもなく(?)、”バイオベンチャー”という括りで語っていいのかは微妙なところです。外資の製薬会社で最近日本で立ち上がった会社≒外資バイオベンチャーというニュアンスでお読みください。)
こういちの調べた範囲での情報を今日はお伝えしたいと思います。
ラインファーマとは
“ラインファーマ株式会社は、女性の健康と安全なリプロダクティブケアの改善に積極的に取り組んでいる欧州の製薬企業です。現在、日本において初期妊娠中絶薬の開発を進めております。”
ラインファーマ 日本語ホームページ https://www.linepharma.co.jp/
日本語のホームページにはこのように記載されています。
調べたら、日本語のホームページもGlobalのホームページもすでに存在していました。
日本語のホームページ
Globalのホームページ
日本法人の設立は
2020年5月22日
とあります。
日本法人は設立してまだ3年経っていませんね。
日本法人の社長は
北村 幹弥さん
という方ですね。
Googleで調べてみたところ、以前はフェリングファーマの研究開発部門担当副社長をお務めでいらっしゃった方のようです。
法人の発祥は英国(イギリス)です。
設立は2010年で、すでに25の国でビジネスを展開していると、Globalのホームページには記載がされています。
ロンドン、東京、ニューヨーク、トロントにオフィスがあるようです。
パイプライン
Globalのホームページを見てもパイプラインに関する情報は載っておらずでした。
というか、日本でいま話題の経口避妊薬しかProductとしては持っていない!?
という風にお見受けしました。
世界80カ国以上で承認されている薬のようで、その薬にだけ特化してビジネスをしているのかなと想像しました。
1剤だけであっても、少人数かつGlobal 展開すれば十分食べていけるということですね。
話題の経口避妊薬 「メフィーゴパック」
1月27日の厚労省の部会で、承認が了承されたのが、日本発の経口避妊薬の「メフィーゴパック」です。
飲む中絶薬の承認を了承 厚労省部会、女性の負担軽減
NIKKEI.com https://www.nikkei.com/nkd/theme/1627/news/?DisplayType=2&ng=DGXZQOUC271NN027012023000000
通常の流れでいくと、3月に承認、5月頃薬価収載&発売という流れになるかと思います。
そうすると国内で初めての「経口避妊薬」が誕生することになります。
ちなみに海外では30年以上前から発売されている薬ということで、有効性および安全性の情報は海外では蓄積されています。
その点は安心ですね。
〇メフィーゴパック
ミフェプリストン錠とミソプロストール錠という薬がそれぞれ別々に入っていて、パッケージ薬として発売されるものになるようです。
〇それぞれの薬の作用
ミフェプリストン:妊娠の維持を阻害する抗プロゲステロン作用を持つ
ミソプロストール:子宮収縮作用を持つ
〇使える人
妊娠63日(妊娠9週0日)以下の人
〇使い方
ミフェプリストン錠1錠を経口投与
↓
36~48時間後
↓
ミソプロストールバッカル錠を左右の臼歯の歯茎と頬の間に2錠ずつ30分間静置する
〇有効性
国内で実施した臨床試験:
ミソプロストール投与後24時間までに人工妊娠中絶が成功した割合:93.3%
(有効性高いですね)
〇副作用
6割が腹痛などの症状を訴えたものの、ほとんどが軽症か中程度の症状
〇海外での使用状況
厚労省によると、ミフェプリストンは65カ国、ミソプロストールは90カ国以上で承認されているそうです。
〇日本での発売
順調にいけば、2023年3月承認、5月薬価収載と予想されています。
ただ社会的な関心が高く、慎重な議論が必要とのことから、パブリックコメントが2月1日-28日の間で行われます。
そのあとで、再度分科会で審議が行われるとのことです。
パブリックコメントでは、有効性・安全性の判断、承認の可否に加え、下記に記載した管理方法についても意見が交わされるとのことです。
- 本剤の流通は、「妊娠中期における治療的流産」に適応を持つ「プレグランディン腟坐剤」と同等の厳格さをもって管理する。
- 本剤の投与(ミフェプリストン経口投与及びミソプロストールの口腔内への静置)は、母体保護法指定医師による確認の下で行う。
- 本剤の使用状況は、「プレグランディン腟坐剤」と同等の厳格さをもって記録・管理する。
- 本剤による人工妊娠中絶は、緊急時に適切な対応が取れる体制を構築している医療機関で行う。なお、公益社団法人日本産婦人科医会との協議において、本剤販売当初は国内での経口中絶薬の使用経験が乏しいことを考慮し、十分な使用経験が蓄積され適切な使用体制が整うまでの間、有床施設において外来や入院で本剤が使用されるものとされた。
「プレグランディン腟坐剤」(発売:小野薬品)のことを少し調べましたが、どうやら入院しての使用が条件づけられているようです。
以下「プレグランディン腟坐剤」の添付文書の抜粋です。
- 8.2本剤の投与(挿入)は、入院のうえ救急処置のとれる準備を行い、厳重な監視のもとで行うこと。
メフィーゴパックではどのような管理体制や条件がつくのでしょうか。
入院での導入が必須になるのでしょうか。
悪用の危険もあるだけに、日本の場合は最初は慎重にいくかもしれませんね。
(ラインファーマ的には普通に外来で出せるようになって欲しいと思っているはずですが)
海外では外来で普通に処方されているようです。
しかし日本では、初の経口避妊薬になりますので、こういち予想ではなんらかの制限がつくのではと予想しています。
ちなみに自由診療に該当するようなので、保険は効かず、すべて自己負担のようです。
薬価にも注目ですね。
年収や求人は?
日本のホームページを確認したところ、2023年1月27日現在、募集の出ている求人はありませんでした。
Linked in ではLinepharmaで検索すると数名、働いている方がヒットします。
製品もまだ未発売ですし、日本法人の規模は十数名といったところでしょうか?
Marketingの人はすでにLinked inで発見できましたので、今頃上市に向けて準備をしているところでしょう。
社会的関心も高いですし、一定程度の需要はあるでしょうから、あとは分かりやすい薬のホームページを作りさえすれば自然に処方は出ると思います。
ただメフィーゴパック一剤でビジネスを展開している会社なので、べらぼうに高い給与が出るとは思えず、
Manager クラスで900万円~1200万円
Directorクラスで1400万円~1600万円
位かなと予想します。
上場もしていないようなので、RSUなども望みは薄いですかね。。
ただこれは完全にこういちの独自予想なので、またエージェントやネット等から情報が入ったらアップデートしたいと思います。
(間違っていたら訂正しますので、その際はお知らせください。情報持っている方いたら、Twitterかなにかで教えて頂けたら嬉しいです。)
これまでの経験上外資系バイオベンチャー系の求人は
から最初に情報入ってくるパターンが多い印象です。
外資に強みを持っていますし、外国人エージェントも複数人抱えているため、外国本社の人事の人も日本進出の時に相談しやすいので外資の立ち上げ系の案件を多く抱えていると、以前聞いたことがあります。
何か情報がないか懇意にしているエージェントに聞いてみたいと思います。
また情報入り次第Updateしますね。
ということで本日は以上です。
話題の経口避妊薬で日本でどのような管理体制の元で承認され、使用が広まっていくのか?
そのあたりにも要注目ですね。
本日もお読み頂きありがとうございました!
*2023年4月28日に、4月末に承認取得したメフィーゴパックについて続編となるブログを書きました。良かったらこちらも御覧ください。
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