この記事を読んでわかること
・Brensocatib (ブレンソカチブ)のPhase3のTop Line Result
*この記事ではアフィリエイト広告を利用しています。
どうも、こんにちは。外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。
来ましたね、来ました。
何が?
とお思いの方もいらっしゃると思いますが、個人的に注目していたInsmedのBrensocatib (ブレンソカチブ)のPhase3のTop Line Resultが5/28に発表になりました。
去年の2月にBrensocatib (ブレンソカチブ)に注目していることは以下のブログにもまとめています。
私が注目した理由は、最初の適応症として気管支拡張症を対象として開発が進行していたためです。
何故ならこの疾患、有効な治療薬が少ないと言われています。つまりアンメットニーズが高い疾患になります。
気管支拡張症については、前回のブログ記事同様、済生会のHPからの引用を用いてご紹介します。
何らかの原因で気管支が非可逆的(元にもどらない)に拡張してしまう病気です。
気管支が拡張するといくつかの問題が生じます。
拡張した部分に細菌やカビが増殖して炎症を起こし、感染を繰り返すことにより病状が進行します。
気管支が拡張した部分には炎症に伴って血管が増えるため、血痰や喀血をきたすことがあります。
治療方法として、自覚症状が乏しい軽症例は経過観察をすることが多いですが、気管支に貯留した分泌物は細菌増殖の場となり、気道を刺激して咳を誘発するので、できるだけ痰を出しやすくするために去痰剤の投与、ネブライザー(吸入器)、体位排痰法などを含めた呼吸リハビリテーションを行ないます。
症状の軽減や炎症をおさえるために、マクロライド薬の少量投与が行なわれる場合もあります。
感染症を合併した時には、原因菌検査を行なって適切な抗菌薬を選定して治療を開始します。
血痰や喀血のある場合は、止血剤の投与を行ないますが、喀血が止まらない時には内視鏡的止血法、気管支動脈塞栓術や外科的切除術が考慮されます。
済生会ホームページ 2017.04.19 https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/bronchiectasis/
この病気の治療薬として開発が進んでいたのがブレンソカチブです。
前回のブログの内容も引用しながら、今回のTop Line Resultについて簡単に紹介していきます。
ブレンソカチブとは
DPP1阻害薬になります。
DPP1阻害薬のブレンソカチブは、1日1回投与の経口剤として開発中。
DPP1を阻害することで、炎症に関与する好中球セリンプロテアーゼの活性を抑え、好中球性の炎症を抑制する薬剤です。
answers 2021年7月21日 https://answers.ten-navi.com/pharmanews/21481/
とのことです。
もう少し詳しく知りたいので、今回はAI君にも解説をお願いしてみたいと思います。
DPP1阻害薬は、炎症に関与する好中球セリンプロテアーゼの活性を抑え、好中球性の炎症を抑制する薬剤です1.
この薬は、気管支拡張症などの疾患において、好中球性炎症による増悪を抑える効果が期待されています。2
気管支拡張症患者の喀痰中では、好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼの活性と量が高く、増悪中はさらに増大することが知られています。1
この薬は、ジペプチジルペプチダーゼ 1(DPP-1)という酵素を可逆的に阻害することで、好中球性炎症を抑制します。
現在、国内の気管支拡張症患者数は約1万6000人程度とされています。2
詳細情報
Copilot 「DPP1阻害薬とは?」2024年5月31日現在の回答
薬については、これでだいたいわかりますね。
ASPEN Study (Global Phase 3)にてポジティブなTop Line Result
注目はここからです。
5/28に株主向けの説明会が開催され、Top Line Resultが公表されました。
ポジティブです!!
素晴らしい。
Xでそのことを目にしたときは、密かに注目していたので、少し嬉しい気持ちになりました。
株価も倍近くになったようです。
さて、株主向けの資料に少し目を通していきましょう。
(画像をクリック頂くとPDFに飛ぶことができます。)
昔は一つ一つ画像付きで解説していましたが、こういう時もAI君に要約してもらおうと思います。
この文書は、ASPEN研究のトップライン結果に関するもので、brensocatibという薬剤の臨床試験結果について述べています。以下はその要約です:
- ASPEN研究は、brensocatibの効果を評価するための第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照52週間の研究です。
- 主要評価項目は、52週間にわたる肺の急性増悪(PEs)の発生率でした。
- この研究では、brensocatib 10 mgと25 mgの両方の用量で、プラセボと比較してPEsの年間発生率が統計的に有意に減少しました。
- また、25 mgの用量では、呼吸機能の低下が有意に少なく、QoL-B呼吸スコア(生活の質スコア)においても改善が見られました。
- 安全性と忍容性はプラセボと同様であり、治療中断に至る副作用も同程度でした。
この文書はまた、フォワードルッキングステートメント(将来に関する見通しに関する声明)についても議論しており、brensocatibに関する予測が現実と異なる可能性があること、さまざまなリスクや不確実性が存在することを説明しています。
これには、臨床試験のデータが期待通りでない可能性、規制当局の承認の遅れや失敗、市場受容度の不確実性、製造上の問題、知的財産権の強度や施行可能性などが含まれます。
最後に、brensocatibが気管支拡張症の管理を変革する可能性を持っていると結論づけています。
この研究は、気管支拡張症患者にとって歴史的な勝利であるとし、brensocatibによる治療がプラセボと比較して、急性増悪のリスクを有意に減少させ、より多くの患者が増悪を経験しないことを示しています。
また、6月4日には商業ウェビナーが予定されており、ARIKAYCE®(アミカシンリポソーム吸入懸濁液)、brensocatib、およびTPIPの市場見通しについて詳細が提供される予定です。
Copilot 「このPDFを要約してください」2024年5月31日
やっぱAI凄いですね。
サンプルサイズと結果について、もう少し詳しく知りたいので、AI君に再度お願いしてみました。
「このPDFに記載されているASPEN試験のサンプルサイズと試験の結果について、簡潔に解説してください。P6にサンプルサイズ、P8に結果が掲載されています。」
このPDFに記載されているASPEN試験のサンプルサイズと結果についての要約は以下の通りです:
サンプルサイズ
- 成人: 1,680人
- 青少年: 41人(12歳から18歳未満)
試験結果
- 主要評価項目: ブレンソカチブ10mgはプラセボに比べて、肺の急性増悪の年間発生率を21.1%減少(p=0.0019)、ブレンソカチブ25mgは19.4%減少(p=0.0046)
- 副次評価項目: 最初の肺の急性増悪までの時間の延長、52週間にわたる急性増悪のない確率の増加、52週目の気管支拡張剤後の一秒量(FEV1)のベースラインからの変化、重度の肺の急性増悪の年間発生率の減少、52週目のQoL-B呼吸スコアのベースラインからの変化などが含まれます。
これらの結果は、ブレンソカチブが肺の急性増悪を有意に減少させる可能性があることを示しており、特に25mgの用量で肺機能の低下が少なく、生活の質(QoL-Bスコア)の改善が見られることが注目されます。
ただし、これらは予備的な結果であり、完全なデータセットや将来の臨床試験のデータがこれらの結果と一致するとは限りません。また、規制当局による承認、市場での受け入れ、安全性や有効性に関する懸念など、多くの不確実性が存在します。
Copilot 「このPDFに記載されているASPEN試験のサンプルサイズと試験の結果について、簡潔に解説してください。P6にサンプルサイズ、P8に結果が掲載されています。」2024年5月31日
AI君すごいです。
ということで結果について理解できたかと思います。
プラセボと比較して、有意に症状改善効果が認められています。
この結果を元に承認申請に向かうでしょう。
2024年3Qに申請とすると、2025年2Q(ODDを取得できた場合)もしくは3Qに承認、4Q頃発売というスケジュール感となりそうです。
今後MR数が増えるかも!?
ここからは完全な推測です。
まず呼吸器の営業部隊がこの新薬の上市に合わせて増えることが予想されます。
いまInsmedはアリケイスという肺MAC症に適応を持つ薬剤を扱っています。
対象になる顧客は呼吸器内科です。
気管支拡張症の適応を持つことになるブレンソカチブも同じ呼吸器内科の先生が扱うことになるので顧客が重なります。
なので新組織を立ち上げるというよりも、呼吸器内科を回る営業の頭数を増やすことが予想されます。
発売はまだ先なので、本格的にMRの頭数を増やすのは2025年に入ってからになると思いますが、そういう動きが予想されるということは御伝えしておきたいと思います。
またInsmedにはこれ以外の開発品もあります。
前回のブログからの引用になりますが、以下の開発品が動いてます。
①ARIKAYCE(アリケイス)
Ph3開発中の適応症
- 初発の肺MAC症 (肺非結核性抗酸菌症)
②Brensocatib(ブレンソカチブ)
Ph3開発中の適応症:
- 気管支拡張症 (Bronchiectasis)
Ph2開発中の適応症:
- 鼻ポリープのない慢性鼻副鼻腔炎 (Chronic Rhinosinusitis without Nasal Polyps)
- 嚢胞性線維症 (Cystic Fibrosis)
- 化膿性汗腺炎Hidradenitis Suppurativa (HS)
③TPIP(トレプロスチニルパルミチル吸入粉末)
Ph2開発中の適応症:
- 間質性肺炎に関連した肺高血圧症 (Pulmonary hypertension associated with interstitial lung disease [PH-ILD])
- 肺動脈性肺高血圧症 ( Pulmonary arterial hypertension [PAH])
Ph2開発の薬がPh3でも結果が出れば、呼吸器に加えて、耳鼻科や皮膚科、循環器内科にも営業部隊を作る必要が出てきます。
ここはコプロ戦略を取るか、営業組織を立ち上げるか、選択肢があると思いますが、おそらく後者になるのではと予想します。
そうなると、会社の規模もいまよりももっと大きくなることが予想されます。
アメリカの製薬会社なので報酬体系も高めです。
RSUももらえます。
こんな期待感がある製薬会社は数多くないので、関心がある人は定期的に情報を取りにいったほうが良いと思います。
過去のメールを見返したらクイック(Answers)さんと、JAC Recruitment さんから案件の紹介がありました。
JACさんは外資系案件に強みをもっているので納得です。
良かったら情報取ってみてください。
またこれはいつも私がお伝えしているポイントですが、「どこどこのエージェントさんが一番良いですよ!」ということはないと思ってます。
なぜならエージェントによって持っている案件や非公開求人が異なるためです。
機会損失を防ぐために、複数の転職エージェントに登録したほうが絶対に良いです。
今日は、Insmed特化の内容をお届けしていますが、これ以外に魅力的な案件が実は裏でたくさん動いてます。
AnswersさんやJAC Recruitmentは比較的幅広く求人を扱っているので個人的におススメしています。
ランスタッドさんも外資には強いです。
今日、このブログを読んで終わりとするか、5-10分ほど手を動かしてエージェントから情報を得ようとするかで、その後の人生の選択が変わってきます。
エージェントの登録をこれまでしたことがない、もしくはエージェントの登録を1社程度で済ませて満足されている方は、それだけで多くの機会損失が発生していることは自覚しておいたほうがよいと思います。
「望んでいたような求人が出ていたけど知らずに終わる」
こんなことが実は結構発生しています。
これはもったいないですよね。
希望する求人と条件をデフォルトで良いので用意しておいて、エージェントさんに伝えておくと、それに近しいような案件が自然と入ってくるようになります。
そういうアクションを積み上げていくと良い案件と出会える可能性が増えていきます。
リストラ吹き荒れる製薬業界で生き抜くにはこういったアクションが不可欠だと私自身は考えています。
動く動かない、応募する応募しないは置いておいて、まずは選択肢を知る、ということでエージェントに話を聞いてみるというところからアクションを起こしてはいかがでしょうか?
AnswersさんやJAC Recruitmentさん、ランスタッドさんは比較的幅広く求人を扱っているので個人的に強くおススメしています。
各エージェントさんの特徴を別途ブログにまとめているのでよかったら参考にされてください。
ということで本日のブログの内容は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました!
コメント