この記事を読んでわかること ・(前編)40代でMRしか経験がなかったけど、そこから道を切り開いた先輩たちの具体例 ・(後編)こういちならどんなActionを行うか -まずは自己分析、そして中のキャリアも外のキャリアも両方天秤にかける-
前回、前編を書かせて頂きました。
今回はその後編です。(長くなってしまったので、前編/後編で分けてUpさせて頂きました。)
キャリアに関する内容はついつい熱が入ってしまって長くなりがちです。
ということで早速後編をお届けします。
後編のテーマ:こういちなら40代でMRしか経験がないというキャリアの場合、どう動くか?
結論:まずは自己分析、そして中のキャリアも外のキャリアも両方天秤にかける
具体的に何をするかも、私なりにまとめてみましたので御覧ください。
自己分析
まずはありきたりでかつ当たり前で恐縮ですが、自己分析です。
でも自己分析は自分のキャリアを考える上で非常に重要であると私は考えています。
なぜなら自分の強みや弱み、また価値観は自分のキャリアや人生を考える上で非常に大切になるからです。
ですので、ここはさぼらずに、自分の本質を見つめると思って、時間を取って行うかなと思います。
その際、頭の中で考えるだけの方法はせずに、私は以下の2つの方法を行います。
①記録に残すこと。
⇒しっかり時間を取って、紙に書く、WordやPPTにまとめることを意識的に行う。
②自分の想いを誰かに伝えること。
⇒自分の考えを声に出して、共有する。先輩、家族、友人、誰でも良いです。
この①②を繰り返すことで、自分の考えを整理していきます。
例えば私は転職前、よく妻に自分の悩みや価値観、強みや弱みを聞いてもらっていました。
(会話の例)
・「転勤は子供のことを考えるともうしたくないよね。」
・「在宅できる会社がいいね。」
・「海外は永住は嫌だけど、2-3年なら行ってもいいか。」
・「給与レベルを下げて転職するのは50代以下では考えたくないな。」
・「イライラが人に伝わりやすいのは弱みかな。」
・「40歳までには組織をリードするポジションで仕事がしたい」
こんなやりとりをした覚えがあります。
いまでも自分がキャリアをどう作っていきたいか、転職についていまどう考えているか、新しい職場環境はどうだ、といった話は妻によくします。
また強みや弱みは、Wordにまとめたり、手帳に走り書きするなどして、記録に残すことを意識的に行っています。
そうすることで、自分の目指すべき方向性、強化すべきポイントをより明確にするように努めています。
まずはこういったやり方で自己分析を行うかなと思います。
そのうえで
・自分がしたいことはなんのか
・譲れないポイントはどこなのか
・いつまでに達成したいのか
・具体的にどんなActionを起こすのか
ということを具体的に整理していきます。
時々、若い方(20代)のキャリア相談を受けることがあるのですが、この分析が甘い人が多い印象を持っています。
・(なんとなく)MRの将来が心配だ
・(なんとなく)本社でマーケティングの職につきたい
・(なんとなく)このままではいけないと思っている。(だけどこれといった努力はしておらず、とりあえず日々の業務は頑張っている。)
この”なんとなく”という部分をしっかり見える化すると、言葉に説得力も生まれるし、取り組みに対するモチベーションもあがってくると思います。
進みたい方向性を文字にすることは、意識に刷り込まれる効果もあります。
自分の想いを言葉にして、文字に起こすことには一定の効果があります。ですので、ぜひ一度取り組んでみることをおすすめします。
(偉そうなことを書いてますが、私も全部できているわけではなく、このブログを書きながら、”やらなきゃなあ”と想いを新たにしているところもあります。)
ちなみにこういうことを専門にビジネスをしている会社もあります。こういったサービスを利用するというのも一つの手ですね。
(キャリアに特化したコーチングサービス)
■サービス/商品の強み
1. 転職サイトや転職エージェントだけでは解決し切れない、キャリアの軸や強みを明確にする。
「自己分析」や「キャリア設計」、「転職活動サポート」を徹底的に行い、理想の転職・生き方へと導くためのサービスを提供しています。「活躍できる」且つ「採用される」企業・適職の選定まで可能なので、「どう生きたいか」という人生の軸をベースに、中長期的なキャリアを設計することが出来ます。
2.短期集中的に自己分析から求人探し・応募まで徹底的に伴走するトレーニングシステム。
トレーニングプランは複数ありますが、共通するのは人生(キャリア)の軸を作ることです。無料カウンセリングを入り口として、卒業までマンツーマンでパーソナルトレーニングを行います。
法政大学キャリアデザイン学部「田中研之輔」教授がプログラムを監修し、専門的知見を織り交ぜてトレーナーの育成・研修やプログラムの設定を行っています。キャリア論の専門的知見と、キャリア相談の経験的実績を総合的に分析しながら、1人でも多くの方が「自分らしい働き方」を見出す機会を創出していきます。
キャリアの模索-複数の選択肢を比較する
ただ自己分析的なことって、会社のキャリア面談のような場で行っているケースも多いですよね。
さらに40代ということであれば、それこそキャリア面談の機会はこれまでも数多く持ってきたと思いますので、自己分析もほとんどの方はすでに実施済みのことと思います。
その上で、次のステップとしてはキャリアの模索ですよね。
私がもし40代で、MRの経験のみということであれば、正直に言って内も外も両方検討します。
選択肢としては、
・営業のスペシャリストを目指す (営業の選択肢はMRか医療機器、もしくは検査会社。あるいはヘルスケアベンチャーの営業という選択肢も。)
・所長・支店長など、People Managementのポジションを目指す
・製薬本社の別の職種につき、そこから上を目指す
・思い切ってコンサルのヘルスケア部門に挑戦する
といった選択肢が現実的かと考えています。
正直、ヘルスケア以外の仕事は私であれば考えないと思います。
他の業界は給料面で折り合いがつかないと思いますし、なんだかんだで人の健康・生命に貢献できる業界に身を置いておきたいというのがその理由です。
そのうえで、自分ならこうするかなということを紹介していきます。
①営業のスペシャリストルートなら社外を中心に検討します。
正直、転職を考えます。
MRのキャリアを続けて、給与UPを目指すならぶっちゃけ社外のMR職のリサーチをする比重が高くなると思います。
なぜならそのほうが給与UPが見込めるから。同じ仕事をするならより給与や条件の良い職場で働きたいです。
やっぱり転職をすると給与はあがります。
バイオベンチャーでRSUが出るような会社なら、40代MRの場合、年収が1500万円-1700万円(RSU込み)位は見込めると思います。
従って、社外の機会を検討する比重が高くなると思います。
ただし退職金のことを考えると、総合的に見て必ずしもプラスになるとは限りませんのでそこは慎重に。
額面だけの給与UPに惑わされないようにご注意ください。
また医療機器や検査会社の営業も候補にいれます。給与が下がる場合は検討外ですが、とんとんならありかなと思っています。
なぜなら、MRよりも自由度があり(規制が製薬業界ほど厳しくはない)、かつ顧客との距離感が近いためです。
いまのMRの仕事には制限が多すぎるので、自分が営業という立場を続けていくのであれば、先生との距離感が近い医療機器の営業には魅力を感じます。
給与のことを考えると、成果主義がはっきりしている外資一択ですかね。
②所長・支店長ルートなら、まずは社内を検討。無理そうなら、環境を変えます=転職。
転職でMRから所長のポジションを掴みとるのは現実的に厳しいと思います。
それはPeople Managementの経験が求められるためです。
そのため所長を目指すのであれば、社内でその可能性を模索します。
所長になれる条件は成績に加えて、評判や人間関係に大きく左右されます。
従って現在の職場環境で厳しそう(若手や女性の昇格が優先されるような環境)なら、転職して環境を変えます。
そして、別の会社で営業として実績を挙げて、そこで所長を目指します。
③製薬本社の別職種ルートなら、社内検討を優先します。
社外の製薬会社の本社の別ポジションに転職するのはハードルが高いと思われます。
もちろん不可ではないですが、本社勤務のポジションに転職する場合は最初から高い英語力が求められることが多いです。また専門スキル (ITスキルやデータ分析スキルなど)が求められます。
特に40代の転職の場合は、即戦力かつ専門性が求められるので、特殊なスキルがない限りは社外の製薬会社の本社の別ポジションを探すのは難しいと思います。
一方、社内であれば例え英語はできなくても、これまでのMRとしての働きぶりが評価されれば、社内公募で製薬本社の仕事に就くことも難しいことではないかと思います。
現にそういった先輩を数多く見てきましたので、現実的なキャリアプランかと思います。
問題はどういう職種に就くかですよね。
現場にいるとなかなか本社の仕事って見えない部分が多いと思いますが、本社の仕事も多々存在します。えり好みをしなければ、それこそ機会は多くあると思います。
どういう職種につきたいかは、社内のイントラで部署のページを見たり、コネクションを使って仕事内容を聞いてみたりなど、情報収集の方法はこのご時世いくらでもあると思いますので、積極的に情報収集に動かれることをおすすめします。
希望する部署にはなかなかMRからダイレクトに異動は難しくても、そこの部署に近い部署にまずは異動して、そこから希望の部署への更なる異動を狙うというのも戦略的なキャリアプランかと思います。
例:マーケティングにいきたい。市場調査部にまずは異動してみて、マーケティングサポートを行う。2年後、念願のマーケティング部へ。
こんな例はいくらでもありますので、まずは本社に入ってみて、自分の世界観を変えてみるというのも一つの手かと思います。
④思い切ってコンサル(ヘルスケア部門)に挑戦する
これは選択肢としては若干ハードルが高めですが、無くはないと思っています。
コンサルティング会社に就職することでビジネススキル全般を磨く機会を作れます。
またビジネスの最新のトレンドに触れる機会を多く持つことも可能です。
コンサルティングの中でもヘルスケア部門はニーズが高く、MRとして培ってきた営業スキルや医療現場の知識はコンサルティングの仕事をしていくうえでも十分に価値を発揮できる可能性が高いです。
実際、私の以前の同僚は、製薬のMR⇒日系のコンサルティングファーム⇒製薬本社のコマーシャルエクセレンスというキャリアを歩んでいました。
その方が日系のコンサルティングファームに移ったのは確か30代後半であったとお聞きしています。
自分自身を鍛えなおす、あえてUncomfortableな環境に身を置くという意味合いにおいても、コンサルティングファームでの就業経験を持つということは、挑戦的ではありますが、戦略的キャリア形成としてはありだと思います。
以前、以下のブログでもコンサルへの転職について触れていますのでよかったらご覧になってください。
40代だと悩ましいのは自分以外のこと-家族ともしっかりと対話を-
あとは家族環境ですよね。
40代MRの場合、どうしても気になるのは子供のことや家族のことっていうケースは多いと思います。
親の介護の必要が発生している方も、もしかしたら中にはいるかもしれません。
その際、
・単身赴任はよしとするのか、しないのか
・転勤の際は家族も一緒に引っ越すのか、引っ越さないのか
このあたりのポイントもキャリアを考える上で非常に重要な要素になってくると思います。
冒頭にご紹介した先輩のKさんはこれ以上の転勤は家族も望んでいないこと、またご自身も単身赴任は望んでいなかったことから、本社の職の検討を進められたそうです。
このあたりは家族としっかり話をしておく必要がありますね。
行動に移す
ここまできたらあとは行動あるのみです。
自分が目指したい方向性が固まったら、あとはそれに向けて動くことが重要かと思います。
社内のコネクションや情報が大事ということであれば、それに向けて情報収集作業を開始する。
社外を検討するということで、もし最近は外の情報に触れていないということであれば、転職サイトに情報を登録して、最新のトレンドをキャッチしておくと良いと思います。
その時も一つの転職サイトではなく、複数登録しておく必要があります。
なぜなら転職エージェントによって提携している製薬会社、医療機器会社、検査会社に違いがあるためです。
従って複数登録しておいて、エージェントと繋がりを作っておくと良いと思います。
例えば、
上記のエージェントは製薬のMRの求人もよく扱っていますし、本社の仕事の求人もたくさん取り扱っていますので、まだ未登録であったり、一つしか登録していないという状況であれば複数社に登録しておくことをおすすめしています。
私は上記以外に
マイケルペイジ
Apex
リアルスタッフ
ビズリーチ
などにも登録しています。業界の採用トレンドもエージェントと繋がっておくことで、情報が取れるのでおすすめです。
またコンサルティングファームの就職であれば
約5000名の現役コンサルタント・20,000名の転職志望支援で得たノウハウも提供中【アクシスコンサルティング】
がよいと思います。コンサルの転職支援では実績のある会社で情報も豊富にあります。
最後になりますが、若い頃に自分の思い描いたキャリアをこれまで中々築けて来れていないという40代MRの方々も一定数いらっしゃると思います。
くすぶっている方もいると思いますし、現に私の身近な先輩にもそういう方はいらっしゃいます。
ただ前編でもご紹介した通り、そこから努力をして、キャリアを築いて来られた方がいることもまた事実です。
大事なことは準備です。
人との出会いや、勉強の時間の確保、キャリアプランの棚卸をきちっと行っていく、一つ一つの積み重ねを大切にすることが、急に来るチャンスを掴むことに繋がります。
こういう意識を持つか持たないかで歩むキャリアに違いが出てくると言われていますので、ぜひ実践されることをおすすめします。
まとめ
ということで本日は以上です。
・自己分析
・キャリアの模索
・家族ともしっかり対話を
・行動に移す
という点について今日は書かせて頂きました。
文章を書きながら、自分自身もキャリアの棚卸をきちっと行っていくことの重要性を再認識しました。
こういったブログのテーマを頂けたことに感謝申し上げたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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