20代の看護師さんで製薬会社で働きたいと思っているけど、企業勤めの経験がなくて、不安に感じている方とお会いしました。転職や面接に関してのコツをお伝えします。

戦略的キャリア形成
この記事を読んで分かること
・製薬会社における看護師のお仕事
・転職や面接に関するコツ

*この記事はアフィリエイト広告を利用しています。

 

 

どうも、こんにちは。

外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。

 

1月は年明けから朝活が続いております。

今日で230日目。

朝のゴールデンタイムはなるべく執筆や資料作成など、何かを生み出す作業に充てております。

 

さて、今日は、先日とある会で知り合った看護師さんのことを思い出しながら筆を執っています。

その時のツイートがこちら

今日は、過去にブログで書いたことなども引用しながら、記事をまとめていきたいと思います。

看護師資格のある方は、もっと製薬会社で働くことを選択肢に入れてください

以前、ブログにも「看護師の方、もっと製薬会社に来て働いたらいいのに。」ということをまとめています。

その時の記事はこちら

このブログの中では以下のようなことを述べています。

製薬会社には現場経験のある看護師が活躍できるフィールドがたくさんあります。

現在、医薬品は技術革新に伴って、様々な投与経路を持つ様になりました。

中には非常に複雑なものや、医療従事者でないと投与が難しいものもあります。

 例)

 複雑なもの

 →CAR-T細胞療法 

 投与が難しいもの

 →エバシェルド筋注(臀部注射) 

 管理が重要かつ厳重なもの

 →医療用麻薬

そういった薬剤を世の中に広げていこうとするときに、医師や薬剤師の他に、重要な役割を担うのが看護師の方々です。

薬の調整や説明、また患者さんからのちょっとした質問にも看護師の方々は対応する必要があります。

従って、製薬会社やCROは現場で直接患者さんと接する機会の多い看護師の皆さんを重要なステークホルダーと考えています。

そこにお仕事のタネがあります。

 看護師への薬剤の説明を担当するナースコミュニケーター

 medical education specialist

 治験コーディネーター

色んな仕事が出てきます。

最近は患者さんを取り巻くステークホルダーに幅広くアプローチしようという取り組みが、製薬各社で活発になってきており、要看護師資格の製薬会社の求人は増えている印象があります。 

 

 

年収アップ、土日休み、夜勤なし=心身共に健康になれますよ

看護師の方の年収、ちょっと調べてみました。

出典:看護roo ホームページ

出典:看護roo ホームページ

 

看護師の方の年収は決して低くはないですが、高くもないですよね。

土日の勤務もあるし、夜勤もあるにも関わらずです。

最前線で頑張っている職業なので、もっと貰っても良いのにと個人的には思います。

一方、製薬会社、特に外資系製薬会社であれば、

 一般職で600万円-800万円

 マネージャー職で800万円-1200万円

 部長職で1200万円-1500万円

これくらいは見込めます。

土日勤務も月に1回か2回、まったくない方も珍しくないです。

また夜勤などもありません。

同僚に元看護師がいるのですが、製薬会社で働いて一番ありがたいのは夜勤がなくなったので、健康になった、肌がきれいになったことを挙げていたのが印象的でした。

心身共に健康になれるのはいいですよね。

製薬キャリア3.0 2022年10月18日記事

 

このようなことを述べています。

看護師資格を活かした製薬会社の仕事とは

じゃあ、どんな仕事があるのでしょうか?

またメリットやデメリットはなんでしょうか?

上記にも少し触れましたが、

 看護師への薬剤の説明を担当するナースコミュニケーター

 medical education specialist

 治験コーディネーター

などがあります。

 

以下、私が以前書いた記事では、メディカルでのお仕事についてより深堀しています。

そちらも引用してご紹介します。

看護師の活躍が多いメディカルのお仕事

どういう職種で看護師の方が採用されているかというと、ずばりメディカルアフェアーズ(MA)になります。

MAの定義ですが、日本製薬医学会のホームページでは以下のように説明されています。

「その主な役割は、販売促進活動とは異なるメディカル戦略の構築と実行、有効性・安全性情報の収集・分析、医学薬学専門家との意見交換、当該医薬品等に関するエビデンスの構築、疾患の啓発活動、医学専門家としての資材(情報提供資料)の検証、アンメットメディカルニーズ(未だ確立されていない治療方法や医療ニーズ)を発掘し解決する等の社会貢献を主目的としたものです。」

引用 日本製薬医学会

簡単に説明すると、

・営業組織とは異なる組織 (営業数字の責任は追わない)

・疾患啓発や医学薬学専門家との議論など専門性を有する業務がメインであり、販売促進を目的としない

ということを謳って、活動している製薬会社の一つの組織になります。

ただ会社によっても、MAのスタンスは様々です。

販売促進を目的としないと言っている割りには営業サポートみたいな販売促進に近い仕事をしているMAもありますし、反対に厳格に営業の活動と完全に切り離して活動しているMAもあり、その実態は様々です。

さて、そんなMAですが、ここ数年看護師の採用ニーズが高まってきていることはご存じでいらっしゃいますでしょうか?

日本製薬医学会の説明からでも想像できると思いますが、MAの求める人材要件の一つに、医学薬学の知識や医療現場に精通しているということがMAで働くうえでは非常に重要になってきます。

なにせKOL(Key Opinion Leader)達、要は大学の教授陣を相手にするような仕事になりますので、やはり高い医学知識と専門性が求められます。

従って、看護師の持っている知識や経験が活きてくるわけです。

製薬会社のMAの看護師のお仕事

じゃあ具体的にどんな仕事があるの?というところですが、製薬会社勤務経験のない看護師の方が行う最初の仕事として多いのが、顧客対応の仕事です。

具体的な業務は以下のようなものです。

例)

・投与方法が複雑な注射製剤の調製方法と投与方法を病院勤務薬剤師や看護師に説明する。

・看護師向け資材の作成

・看護師を巻き込んだメディカルエデュケーション企画の顧客窓口担当

・MR教育

また製薬会社によって呼び方は様々ですが、以下のような役職名が付くことが多いです。

例)

・メディカルコミュニケーター

・メディカルエデュケーター

・ナースエデュケーションスペシャリスト

医療従事者、特に看護師を相手にした仕事が発生する場合に、その顧客対応窓口として活躍頂くことをイメージして採用するケースが多いと思います。

最近は複雑な管理を要する遺伝子治療剤や、特殊な打ち方を必要とする注射製剤(臀部への筋肉注射製剤やインフュージョンリアクションの軽減を目的に時間を掛けて静脈投与しなければいけない製剤など)などの発売が多くなってきていることから、こういったMAにおける看護師の採用ニーズが高まっている背景があります。

製薬会社で勤務することのメリット

ここからは実際に私が過去に一緒に働いていたMA所属の看護師のみなさんにお聞きした製薬会社勤務のメリットです。

メリット①シフト制でない、かつ夜勤がなく、体調が安定する。

一番はやはりこれだそうです。

病院の頃、当たり前のようにあったシフト制。

やっぱり休みの調整とか他の看護師の方に気を遣う必要もあり、結構煩わしいんだそうです。

また夜勤がない。

これはやはり大きいそうです。

夜勤がないおかげで体調が安定したとのことです。

「肌荒れが減ったし、便通も良くなった。」という実体験のお話を聞きました。

メリット②高収入

製薬会社ってやはり給料的には恵まれているそうです。

看護師も決して悪いわけではないですが、労働時間・拘束時間がとにかく長い。

一方、製薬会社勤務は拘束時間が短い割には、もらえる給与は看護師時代よりも多いと言っている人が大半でした。

これもやはり大きなメリットですよね。

メリット③企業勤務経験を積むことができる

病院は患者さんの治療に専念する場になっていますので、学ぶ内容もその点に特化したことが中心です。

当然専門性は深まりますが、学びの幅は狭まります。

一般企業で学ぶビジネススキルやITスキルを学ぶような機会は多いとは言えないでしょう。

そこにある種の劣等感を持っている医療従事者が多いこともまた事実です。

これも過去に同僚の看護師に聞いた話ですが、企業経験を積み、一般的なプレゼンスキル、コミュニケーションスキル、ITスキル、を学ぶことができるのは、企業勤めが初めての看護師にとっては貴重な経験とのことです。

製薬会社で勤務することのデメリット

デメリット① 患者さんから遠くなる

患者さんの手助けをしたいと思って看護師になったのに、製薬会社で勤務している人は基本患者さんとそこまで直接接点を持つことはありません。

患者さんからの距離が遠くなるというのはデメリットになろうかと思います。

デメリット② 現場感覚や現場の知識が薄れていく

製薬会社勤務歴が長くなればなるほど、現場感覚や現場の知識が薄れていきます。

日々進化していく医療器材や薬剤の情報も、医療現場いいたら第一線で知識や経験を磨くことができますが、製薬会社に勤めているとどうしてもそのあたりは薄まってしまいます。

これもデメリットになろうかと思います。

製薬キャリア3.0 2021年9月29日記事

 

 

っと、過去にこのような情報をまとめてご紹介しています。

メリット、デメリットもちろんありますが、私個人的には専門性も活かせて、QOLも給与も上がることも考えると、良い選択肢ではないかと思います。

20代の看護師資格をお持ちで、製薬会社に転職したいと思っている方のキャリア戦略

 

ここから、先日お会いした20代の看護師の方を想像しながら、こういちの考えをまとめていきます。

これまで数多くの看護師資格をお持ちの方とお仕事してきた経験から、意見を述べていきます。

一意見として参考にして頂けると嬉しいです。

 

企業勤めの経験がないことに関して

 

このことに関しては、開きなおるしかないと思います。

だって、ないものはないのだから。

そして、そんなに問題になることはありません。

 

「スライド作ったことも数える位しかありません。」

「プレゼンテーションを仕事で行うこともありません。」

 

という意見を過去に聞いたことはありますが、全く問題ないです。

そんなことは覚えればいいからです。

なんとでもなります。

 

 

 

むしろ、強みをもっと自覚するべきです。

強みは何か?

それは病院やクリニックでの勤務経験があることです。

 

・採血をする

・患者さんと接して看護の対応をする

・医療チームで働く 

 

こういう「経験」をしていることは製薬会社で働く上で絶対的にプラスに働きます。

病院のことや、医師のこと、患者さんのことを身近で感じた「経験」が強みに変わります。

 

 

製薬会社の社員は状況はよく「知って」はいます。

でも「知っているだけ」で、「経験」として持っている人は少数です。

・百聞は一見に如かず

・経験に勝るものはない

という言葉を耳にすることがあると思いますが、要はそういうことです。

本当の意味で、医療現場を理解できているわけではありません。

 

知っているのと、経験したことがあるという部分には大きな差があります。 

 

そして、それは他人が真似したいと思っても出来ないものです。

いわゆる医療系資格を持たない製薬会社の社員は採血を実際に行えないですし、医師と一緒に病院で働くということもできません。

9割はそういう人たちです。

 

なので、その部分については看護師資格を持ち、病院で働いたご自身の経験というのは自信を持っていいと思います。

  

ですから、企業勤務経験がないからと臆する必要はないです。

それは覚えればいいだけです。

差は埋められます。

 

加えて、20代ということであれば、採用する企業からすると、採用に掛かるコストもそこまで掛かりませんし、柔軟に環境に対応できる年齢として見てもらえます。

 

若いということはそれだけで武器ですので、「若いから自信がない」「若いから不安」とは思わず、むしろ「若いことは武器」位に思っておいたほうがいいと思います。

 

面接のポイント

 

過去に面接なども行ってきた視点から意見を纏めていきますと

 

①なぜ病院勤務を辞めて企業勤務を希望するのか

②現職においての実績

③自信や誇り、その人の雰囲気

 

この①②を深くお聞きするようにしています。

そして③は観察するようにしています。

 

それぞれ解説していきますね。

 

①なぜ病院勤務を辞めて企業勤務を希望するのか

ここについては当然ですが、ネガティブな側面から理由を述べるのは避けたほうが無難です。

 

・夜勤がつらい

・職場の人間関係がつらい

・看護業務がつらい

 

面接をしていて、企業勤務経験を志望する理由を深堀して聞いていくと、ネガティブな側面の理由を口にする人が時々います。

 

最初はポジティブな側面の理由を述べていても、理由を深く聞いていくとネガティブな側面が出てくることがあります。

素直なことはいいことかもしれませんが、面接は採用における勝負の場面でもあります。

嘘をついてください、とはいいませんが、ネガティブな意見は相手にいい印象を与えることは少ないので気をつけてください。

特に人間関係的なネガティブな理由は、それが実際の理由にあったとしても、口にすることは避けたほうが良いでしょう。

 

ですのでここについてはポジティブな側面から話すことを心掛けてください。

製薬会社であなたが実現したいことを語ってください。

 

②現職においての実績

現職の看護師の方であれば、病院での勤務経験を語ることが多いと思います。

ここは出来れば人を巻き込んだ系の話が出来るといいと思います。

例)

・病棟で新たなプロジェクトを立ち上げた。

・学会発表の時に同僚を巻き込んで発表を成功させた。

・院内の業務改善プロジェクトをリードした。

 

企業では人を巻き込み、巻き込まれながら仕事をするのが大半になりますので、そこの部分をうまくアピールすると良いと思います。

 

病院と比較すると、自らが発案し、実行するということが格段に増えると思います。

こういう違いがあることは認識しておくと良いと思います。

 

 

とはいえ、例えば2-5年目の新人の看護師さんですとそういう経験がまだ少ない方も多くいらっしゃると思います。

そういう場合は、何かのプロジェクトにおいて自分なりに工夫したこと、自分なりに取り組んだことを纏めてみてください。

 

その時のポイントは「自分なりに何を考えて、行動するようにしたのか」を言語化することです。

 

要は「考えて→行動した」ということを、説明できるようにしてください。

狙いはこの人は「自分の頭で考えて、行動することができる人だ」という印象を与えることにあります。

 

企業勤め、特に外資系企業の場合、いわゆる指示待ち族は好意的に受けとられません。

 

看護師の仕事の性質上、指示や手順、病院での決まりに基づいて、管理された行動を取ることが多いと思いますが、企業勤めになると自らが発案してプロジェクトをリードしていく仕事も多くなります。

そして企業はそういったことをできる人材を求めます。

そういった文脈があることは覚えておくと良いと思います。

したがって、「自分の頭で考えて、行動することができる人」を面接の場では意識的に演じるようにしてください。

 

また応募したポジションでしたいことは詳しく言語化してください。

頭で思い描くだけでなく、紙に書き出すといいと思います。

そうすると頭の中が整理されます。

その時、できれば過去の実体験、原体験と結び付けて語れるようにできると良いと思います。

 

③自信や明るさ、その人の雰囲気

 

これは私自身の観察項目です。

面接の中でその人の醸し出す雰囲気を見るようにしています。

 

偉ぶる必要は全くありませんが、弱弱しい感じやおどおどした感じがコミュニケーションの中で出てしまうような方は不適切と見なすことが多いです。

なぜなら、看護師資格を持つ方の最初の仕事の多くが医療従事者や患者さんとコミュニケーションを取る仕事になるためです。

会社の代表として、現場でコミュニケーションを取ってもらうお仕事です。

 

ですので、自信や明るさ、そういった雰囲気を持つ方が適切だと考えています。

明るい感じがあって、でも言葉に力強さがあり、熱い想いがある。

こんな人が望ましいです。

 

面接官は、面接を通して、そのポジションにふさわしい人物像であるかをイメージしながら話を聞きます。

ですので、面接に臨む時には、募集されているポジションの人物像の必要な要素を紙に書き出してみると、自分がどんな雰囲気を持ちながら面接に望めば良いかクリアになると思います。

 

まずは情報収集を!

 

製薬会社で働きたい、またそのきっかけを掴みたいと思ったら、まず大事になるのは情報収集になります。

知らないことには、なにも始まりません。

まずは、いわゆる転職エージェントから情報を入手することが最初のステップになります。 

 

取り扱っている案件がエージェントにより異なるので、3つほど転職エージェントに登録されることをお勧めします。

【ランスタッド】

エンワールドジャパン

ナースではたらこ 日本最大級の情報量

この3つに登録しておくことで、幅広く製薬会社に関連した看護師の求人を見つけることができると思います。

上記2つは、通常の看護師転職のあっせんをしている転職エージェントよりも、製薬会社とのつながりが強いため、製薬会社関連の求人をたくさんもっています。

ナースではたらこは、病院看護師職の求人が多いですが、中にはCROの求人(シミックやその他の治験担当企業)等が掲載されています。

登録などはすべて無料ですし、エージェントから詳しく話を聞くことも、もちろん無料です。

製薬会社での勤務に興味がある方は、ぜひ情報とってみてください。

 

 

ということで本日は以上です。

まとめると

・製薬会社における看護師のお仕事
・転職や面接に関するコツ

この2点について解説しました。

最後までお読み頂きありがとうございました!

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