この記事を読んでわかること ・海和製薬に関する情報
*この記事はアフィリエイトを利用しています。
どうもこんにちは。
外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。
さて、今日は外資系バイオベンチャーシリーズをお届けします。
今日取り上げる企業は、海和製薬です。
海和?
なんて読むんだ?
うみわ?
いや違います。
海和(ハイヘ)製薬株式会社
これが正式名称です。
どんな会社か気になったので、調べた情報をまとめてお届けしたいと思います。
それではどうぞ。
海和(ハイヘ)製薬
ご覧頂いてわかるように、中華系の製薬会社です。
本社は中国の上海です。
すでに日本語のホームページもあり、簡単な紹介文も掲載されていました。
海和製薬株式会社について
Haihe Biopharmaは中国に本社を置き日本と米国に研究開発拠点を有する研究開発主導のグローバル製薬企業であり、主として革新的な抗がん薬の開発に注力しています。創薬、開発、製造、商業化にわたるend-to-endをカバーしており、世界のがん患者に救命的治療選択肢を提供することを目指しています。中国工程院(Chinese Academy of Engineering)の研究者が率いる研究開発企業として、グローバルな視点を持った経営陣が研究開発チームとともに革新に取り組んでいます。
海和製薬株式会社 日本語ホームページ
日本語ホームページは現時点ではほとんど情報が入っていません。
Global のホームページにいくと色々情報が取れます。
中国での設立は2011年です。
パイプラインは10個以上あり。
社員の数は255人。
という記載が見つかりました。
パイプライン気になったので、見てみました。
オンコロジーと非オンコロジーという分け方ですね。
オンコロジーは臨床まで進んでいる化合物が4つ。様々ながん種の試験が走っているのでプログラムの数は結構たくさんあります。
オンコロジーの薬で発売しているのは肺がんの薬1つのみです。
非オンコロジーは1つのようです。Diabetic Foot Ulcer(糖尿病足病性潰瘍)の薬がすでに発売になっているようです。
2011年設立でこれだけの数のパイプラインがあるのは素晴らしいですね。
R&D Drivenな会社だとホームページで紹介されているのも納得です。
Globalホームページには、マネジメントチームの紹介や、ニュースが英語で記載されています。
いまはまだ小さい企業ながらも、米国や日本に拠点を構え、これからGlobalに進出していこうとする気概を感じました。
投資家向けのページではシリーズCまで進んでいることが書かれており、上場も見据えていることが読み解けました。
個人的には今後が楽しみな製薬会社だなと感じました。
そして中国は勢いがありますね。
海和(ハイヘ)製薬の日本法人
日本法人の設立は2021年です。
本社は港区赤坂にあるようです。
まだ日本のページは、非常に簡素なものでニュースリリースと採用情報だけが見れる状況です。
Gumarontinibの承認申請を行ったニュースだけが、2024年2月6日現在で確認ができます。
適応は「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」となります。
まずはこの薬を上市することがこの日本法人の使命のようです。
採用ページにはCMC薬事の情報が2024年2月6日現在で掲載されています。
CMC薬事業務をメインに、他の薬事業務も担当
・Project Teamに薬事担当者として参加し、開発品目のCMC薬事戦略
(Regulatory Strategy)の策定、薬事分析(Regulatory Assessment)におけるサポート
・日本における承認申請資料の作成或いはレビュー
・日本における承認申請および承認取得に係る規制当局対応
・GMP適合性調査申請に係わる業務
・各種当局相談に係る業務
・社内の他部門及び海外グループ会社(中国、米国)、国内のCMO、CRO等の業務委託先との協業
・日本薬事情報収集・発信に関する業務
海和製薬採用情報
規模が小さい会社なので、ほぼほぼ全部の薬事業務を担当することになりそうですね。
経験者でないと務まらないだろうなという印象です。
Gumarontinibとは
まずはプレスリリース情報から見ていきます。
新規抗がん剤Gumarontinib(SCC244)に係る国内製造販売承認申請のお知らせ
海和(ハイヘ)製薬株式会社(中国Shanghai Haihe Biopharma Co. Ltd.,、以下「Haihe Biopharma」の100%子会社、東京都港区、以下「当社」)は「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を想定効能とする低分子・経口の新規薬剤Gumarontinib(開発コード:SCC244)、につき、本日、国内製造販売承認申請を行いましたのでお知らせいたします。
本申請は、主要な試験である単群・非盲検の多施設共同国際臨床第2相試験(GLORY試験)において得られた有効性と安全性に関するデータに基づいています。Gumarontinibは中国において2023年3月7日にMET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の非小細胞肺癌を効能として国家食品薬品監督管理総局(National Medical Products Administration, NMPA)より製造販売承認を取得しています。
Haihe BiopharmaのChief Executive Officer・董 瑞平(ドン・ルイピン)医師・医学博士は「日本におけるGumarontinibの製造販売承認申請は、世界のがん患者さんにより有効で安全な治療オプションを提供するために革新的な薬剤をグローバル開発するというHaihe Biopharmaのミッションの実現であり、Haihe Biopharmaにとって世界市場に革新的な薬剤を送り出す歴史的な一歩です。Gumarontinibの可能性を信じて開発に貢献してくださった患者さんと医療従事者の皆様に深く感謝いたします。Haihe Biopharmaは世界のがん患者さんに希望を届けるために、今後も引き続き新薬の製造販売承認申請を行って参ります。」と語っています。
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性非小細胞肺癌について
肺癌は最も致死率の高い疾患の一つで、その発生率と致死率は悪性腫瘍の中で上位にあります。世界の新規患者数は220万人/年、死亡数は179万人/年と推定され(2020年)[[1]]、国内では新規患者数12万人/年以上(2019年)、死亡数7万人/年以上(2020年)と報告されています[[2]]。国内の肺癌患者における非小細胞肺癌の割合は88%で、そのうち間葉上皮転換因子(MET)遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の発現頻度は3%程度とされていることから[[3]]、国内において本剤による治療の対象となる患者数は3,000名程度と推定されます。
Gumarontinibについて
Gumarontinib(開発コード:SCC244)はHaihe Biopharmaが創製した強力かつ選択性の高い低分子・経口MET阻害剤です。METエクソン14(METex14)スキッピング変異を伴う局所進行性又は転移性の非小細胞肺癌(NSCLC)を効能として2023年3月7日に中国当局NMPAより製造販売承認され、治療に使用されています。
海和製薬 プレスリリース 2023年9月8日
とのことです。
すでに中国では2023年3月に承認を取得している薬なんですね。
どれくらい効果のある薬なんでしょうか?
日経メディカルにその情報があったので拝借します。
経口MET阻害薬gumarontinibがMET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性進行非小細胞肺癌を対象に日本で申請
中国Shanghai Haihe Biopharma社の日本法人である海和製薬は9月8日、経口MET阻害薬であるgumarontinib(SCC244)について、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)を対象に日本で承認申請を行ったと発表した。
今回の申請は、単群・非盲検多施設共同国際フェーズ2試験であるGLORY試験の結果に基づく。GLORY試験は、中国と日本の42施設で行われた。MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能局所進行または転移を有するNSCLC患者を対象に、21日間を1サイクルとして1日1回gumarontinib 300mgを投与した。既治療患者はMET阻害薬の投与歴がないことが適格とされた。
2019年8月2日から2021年4月28日までに84人が登録され、投与を受けた。データカットオフは2022年4月28日で、観察期間中央値は13.5カ月だった。中央検査でMET遺伝子エクソン14の状態が確認できなかった5人は有効性の評価の対象から外された。
試験の主解析の結果、79人全体における奏効率は66%(95%信頼区間:54-76)、未治療患者44人における奏効率は71%(95%信頼区間:55-83)、既治療患者35人における奏効率は60%(95%信頼区間:42-76)だった。
多く認められた副作用は、浮腫(80%)と低アルブミン血症(38%)。投薬中にグレード3以上の副作用が発現した患者は54%。治療関連副作用で投薬が中止されたのは8%だった。
日経BP がんナビ 2023年9月9日
原著論文確認したい方はこちら
LANCET掲載はすごいですね。
固形がんの肺がんにこれだけの奏効率が出せるのは有望な薬であると感じました。
あとはMET阻害薬として、他社とどう差別化するかですね。
MET阻害薬はすでに同じ適応症で、2剤市場に出ているようです。
テポチニブ(テプミトコ®:メルクバイオ)とカプマチニブ(タブレクタ®:ノバルティス)
こことの差別化をどう展開していくかですね。
正直、肺がん領域は未経験のため、他剤比較などのコメントは控えておこうと思います。
お知恵や経験がある方、ぜひこの薬剤の市場での受け入れがどうなりそうか、またぜひ教えてください。
興味ある方はエージェントから情報収集を
この会社の求人情報をどこのエージェントさんが扱っているかは、現時点では私は分かり兼ねます。
可能性がありそうなのは以下の3つのエージェントさんでしょうか
JAC Recruitmentさんは、こういった立ち上げ支援も多く実施されている会社です。
また【ランスタッド】も元々はヨーロッパ系の人材紹介会社で立ち上げ実績豊富です。案件有している可能性あります。ベイジーンサポートもしてます。
またAnsewersさんも積極的にこの手の会社さんをサポートしていることも最近わかりました。
興味ある方はぜひ、情報取ってみてください。
個人的には、最初の上市が成功すれば、次のパイプラインも控えている会社になるので、面白いキャリアを描けるのではないかなと感じています。
英語、中国語、日本語が出来るトリリンガルな方であれば、活躍できること間違いないのかなと思います。
興味ある方はぜひ情報取ってみてください。
ということで本日は以上になります。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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