この記事を読んで分かること ・バイオベンチャーのマーケティング業務の一端
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どうも、こんにちは。
外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。
12月に入り一気に寒くなりましたね。
年末年始が近づいてますが、寒さに負けずに今日も朝活をしております。
今日で204日目。
次の目標は250日です。
コツコツ、無理せず、時に妥協しながら継続していきます。
さて、今日は寄稿記事のご紹介です。
記事を寄稿頂いたのは、Twitterアカウントのぴーすけさんです。
設立間もないバイオベンチャーでマーケティング業務に従事しているということで、今日はその業務の一端に関して紹介頂きました。
このブログの読者の中には、マーケティングに興味をお持ちの方も多いのではと思います。
それでは早速ご紹介していきます。
投稿の経緯
はじめまして。
日本法人が設立して10年未満のベンチャー系企業でプロダクトマーケティングに携わっているぴーすけと申します。
私は前職で大手外資メーカーのプロマネをしていたのですが、現在のベンチャー企業に転職してから仕事の幅やカルチャーに大きな変化を感じました。
こういちさんのブログはバイオベンチャーに関する情報がとても充実しており、ベンチャーに興味をもつ読者の方も多いのではないかと思っております。
そのような方々の参考になればと思い、今回寄稿をさせていただきました。
自己紹介
まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。
私は新卒で内資MRを経験した後、外資MR→外資マーケと経験し、現在ベンチャー企業でプロダクトマーケティングをしております。
マーケティングといっても様々で、特に大手の場合は戦略担当、リサーチ担当、資材担当、デジタル担当、企画担当、ペーシェント担当など各役割で仕事を分けているケースもあるかと思います。
しかし、私の所属している会社では上記すべての仕事に携わります。
そのため、携われる仕事の幅が広いのが特徴です。
そんな環境で私が感じているバイベンマーケのメリット・デメリットをそれぞれTOP3でご紹介したいと思います。
メリット トップ3
まずはメリットトップ3からご紹介します。
第3位 給料が良い
最初にお伝えしたい点は給料が良い点です。
皆さんご存知かと思いますが、ベンチャー系の企業の多くは年俸に加えて、RSUやストックオプション等の株報酬がもらえます。
おそらく多くの外資大手企業は課長~部長職ぐらいからでないともらえないかと思いますが、私の勤務している会社はリスクもある分ほぼすべての社員が株の付与を受けます。
また、付与される株の金額も年間数百万になります。
株が付与される分、福利厚生は良くないと思う方もいるかと思いますが、家賃補助や年金なども支給しているベンチャー企業もあるので、待遇面を意識する方は給料以外の面もチェックした方が良いかと思います。
また、会社の成長と同時に自分に付与されるRSUやストックオプションの価値も上がるので、自分も会社を創っている一員であると実感できることも魅力のひとつです。
第2位 上層部と関わることができる
役員クラスの上層部とも仕事で関わることができるのが、大手企業と異なる点です。
私の上司はマーケヘッドですが、その上は日本法人の社長、そしてその上はグローバルの役員です。
このようにレイヤーが少ないため、グローバルの役員レビューを受けたり、彼らと1on1をしたりする機会があります。
CEOと1on1をする機会をいただいたときは緊張しましたが、とても勉強になりました。
私がCEOとの面談で驚いたことは、USでのデジタル関係の取り組みを参考にしたいと軽い気持ちで話したところ、なんと翌週にはUSのデジタルマーケティングヘッドからUSの取り組みについてシェアしていただくmeetingをすぐにセットしてくれたことです。
役員は時間をとても大切にしているし、会社のためになることを常に意識して行動していると感じました。
以前の会社ではCEOのコメントを全社員向けに一方的に聞く機会しかありませんでしたので、彼らがどんなに素晴らしい人物であろうと知るすべがありませんでした。
しかし、会社のトップと直接話すことができる環境は、その会社を信用する上で非常に有意義だと思います。
役員以外にも開発、薬事、メディカル、グローバルマーケ等様々な部署の責任者とも関わる機会が容易に得られるため、ついていくのには必死ですが学びは多いです。
第1位 やりたい仕事ができる
これは第2位の上層部と関わることができるという点にも繋がっていることなのですが、自分のやりたいことをどんどんできるのが最大のメリットだと思います。
例えば自分の仮説があってそれを検証するためにリサーチをしたかったり、情報提供を効率化するためにデジタルを活用したかったり、患者さん向けの疾患啓発コンテンツを作成したかったり、色々な場面でやりたいことに遭遇します。
通常だとそれを実行するためには複数の社内ステークホルダーに賛同を得る必要があり、資料を準備するのにも時間がかかります。
しかしベンチャー企業の立ち上げ期は、キーパーソンがOKを出してくれればすぐに実行へと移すことができる機会が多いと思います。
私が驚いたのは、2億ぐらいかかるプロジェクトをすぐに上司がOKしてくれて、Globalの承認も翌週には得られたことです。
もちろんGOサインのための説明資料は最低限必要ですが、自分のやりたいことの経験値をたくさん積むことができるので、成長を最優先するフェーズの方にとっては非常にオススメです。
デメリット トップ3
続いてデメリットトップ3をご紹介します。
第3位 会社のルールが存在しない
これはバイベンあるあるかもしれませんが、会社のルールが存在しない点は不便です。笑
新しく契約を結ぶベンダーさんが大多数なのですが、契約書のフォーマットがなかったり、そもそも該当するルールが存在しなかったりするので、MSAやCSAを結ぶのに時間が掛かります。
また、発注ルール、許諾ルール、セミナー運用ルール、資材作成ルールなど定まっていないところがあるので、社内の法務に聞いても答えがなく、グローバルの方針を確認したり、外部ベンダーに確認を取って業界平均を目指すなどの作業が必要になります。
契約書やSOPなどの書類に目を通す時間がかなり増えるのは地味で辛い部分があります。
第2位 個人の関係性で仕事が決まる
これはメリット・デメリットどちらもあるかと思いますが、ベンチャー企業ならではの課題かと思います。
各部署のメンバーが少ないので、基本的に各部長の好みで仕事がうまく連携できるかどうか決まります。笑
大手でもそうゆう部分は少なからずあるかと思いますが、ベンチャーでは露骨に個人の好みが出ます。
しかもそれぞれの部長はそれなりに経験豊富な方ばかりなので、立場や年齢は圧倒的にあちらが上です。上司と他部署の関係も重要になります。
そのため入社当時私はかなりすべての部署に気を遣いました。
しかし、一度信用していただけると逆にとても親切にして下さる方も多いので、MR出身者はうまく切り抜けることができるかもしれません。笑
個人の好みで仕事を判断するなんて間違っている!という方は正論ですが、ベンチャーは合わないかもしれません。
第1位 時間が足りない
これはメリット1位の裏返しなのですが、圧倒的に時間が足りません。
新薬のロンチをベンチャーで実施する場合、本当に様々なことを自分でやらないといけません。
私の場合は調査、売上予測、戦略立案、疾患啓発、ターゲティング、資材作成、Webサイト作成、患者会との連携、KOLエンゲージ、MRトレーニング、オムニチャネル、セミナー・学会共催イベントその他諸々めちゃくちゃ多くの仕事に携わっています。
ルールが出来上がっていない中でルールを創りながらこれらの業務を進めていくのは、やはり非常に多忙です。
私の子供はまだ小さいため正直子供や妻には申し訳ないですが、土日もかなり仕事をしています。
おそらく仕事に慣れていないのもあるかと思いますが、時間はそれぐらい足りません。
なので、家庭を大切にしたい方や副業にも力を入れたい方にはバイベンの立ち上げ期はあまりお勧めできないかもしれません。
以上が私の考えるメリット・デメリットTOP3でした。
まとめ
いかがだったでしょうか。おそらくバイオベンチャーの方が大手よりも好き・嫌いがはっきりと分かれるのではないでしょうか。
ベンチャーはルールが曖昧なので、正論よりもどうすれば成果を最大化できるか考えて柔軟に対応する人の方がフィットすると思います。
何かしら目的があればそのあたりはあまり気にならず仕事に取り組めるはずです。
私がバイベンに入社しようと思った理由は、とにかく成長したかったからです。
もともと自分に得意なスキル・知識・経験がなかったので、今後のキャリアを考えた際に、色々なことにチャレンジができる環境に身を置きたいと思い、ベンチャーに転職しました。
仕事時間はかなり増えましたが、その分今は自分のやりたいことを含めて色々な経験ができています。
また、会社の成長を応援してくれる先生と非常に親しくなれるのも楽しい点です。
最初はどこの誰だといった感じだったところから、会社や薬剤のポテンシャルに魅力を感じてくれて先生から応援していただけるのはとても嬉しいです。
私の記事が少しでもこういちさんの読者の皆様の参考になれば幸いです。
もしバイベンに興味のある方がいましたら、いつでもご連絡下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
記事の感想
皆様、いかがでしたでしょうか?
まずは、ぴーすけさん、記事の寄稿をありがとうございます。
理路整然とした文章で、大変読みやすかったです。
そして何と、今回は私からの修正依頼はゼロでした。
通常、何度か寄稿者さんと表現に関して修正依頼をさせて頂くのですが、今回は非常に整った状態で初稿を提出頂きましたのでそのまま掲載しております。
(ちなみに私が普段寄稿させて頂いているメディカルマーケティングマガジンさんの編集さんとのやりとりでは、修正箇所だらけで真っ赤になって返ってきます。恥)
分かりやすく、読みやすい文章の寄稿をありがとうございました!
中身に関してですが、バイベンのマーケティング業務に従事する方の参考になる内容ばかりだと感じました。
メリット、デメリットはどれもうなづけるものばかりでした。
バイベン忙しいですよね。
でもその中でやれる仕事の幅が広いので、その分経験できることも数多いと思います。
ゆるふわを目指す方には合わないと思いますが、大手で物足りなさを感じている方は選択肢に入ってくるのではと思います。
ただ即戦力と実力が求められる環境化でもありますので、スキルがないと苦労したり、すぐにポジションが変わってしまうのも、バイベンあるあるかなと思います。
私の先輩は設立間もないバイベンで働いていて、この間会った時に言っていたのが、
「社長が上司で、とにかく話が早い。大手で社内調整や決断に1か月かかっていたものが、1時間のOne on Oneで決まっていく。」
と言ってました。
スピード感を持って、仕事ができるのもバイベンの良さだと思います。
バイベン行きたい人は情報収集を
ここからはバイベンの求人を扱っているエージェントさんをご紹介していきます。
JAC Recruitmentさんは確実です。外資バイベン情報豊富です。立ち上げも支援してます。
【ランスタッド】 元々はヨーロッパ系の人材紹介会社なので、外資案件豊富
またAnsewersさんも製薬業界に特化しているので、様々な職種の案件を扱ってます。
非公開ですが、バイオベンチャー支援していることを担当者の方に教えて頂きました。
エンワールドジャパン 内資・外資幅広く情報をお持ちです。元製薬人事の方も在籍していて、製薬の内情に詳しい。
バイオベンチャーは、座れるイスの数が少ないので、タイミングが命です。
そのため、狙っている会社さんがあるのであれば、自分の希望を複数のエージェントさんに伝えておいて、案件が動けばすぐに連絡がもらえる体制にしておくことが必要です。
転職は、動いた人にのみ結果がついてきます。
この年末年始を利用して情報収集するのも、有用な時間の活用方法だと思いますので、ぜひご検討ください。
ということで本日のブログの内容は以上になります。
今回はバイオベンチャーのマーケティング業務に関するお話を共有頂きました。
最後に今回記事を寄稿頂いたぴーすけさんにお礼申し上げ、記事を終了したいと思います。
ありがとうございました。
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