この記事を読んでわかること ・米Madrigal Pharmaceuticals社の、レスresmetirom(レスメチロム)について ・ドラッグロスについてのこういちの私見
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どうも、こんにちは。
外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。
今日は、以下のAnswersNewsの記事を拝見し、気になった薬の情報をまとめましたので、みなさんにも共有しようと思います。
初のNASH(肝線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎)治療薬が米国で3月14日に承認されました。
治療薬がなく、アンメットニーズが高いとされていたNASHの領域に新薬が出たということで、興味深く記事を拝見しました。
気になったので、調べてみたところ、これまた日本では開発されていないドラッグロスの状況が浮き彫りになりました。
そのあたりの情報も交えて、本日は、情報共有させて頂きます。
AIをフル活用して調べた情報をまとめていきます。
NASHとは
生成AIであるCopilotで調べた情報をフル活用させて頂きます。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肝臓に脂肪肝を主として炎症や線維化を伴う異常が起こる疾患です。
以下に詳細を説明します。
『NASH(肝線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎)について教えてください。』に対するCopilot回答 2024 3/20現在
- NASHの特徴:
- 原因: 飲酒や肝炎ウイルス感染がないにもかかわらず、肝臓に脂肪沈着、炎症、線維化といった変化が生じます。
- 進行: 放置すると肝硬変や肝がんに進むリスクが高まります。
- 治療: 現時点では食事療法と運動療法が主な治療方法ですが、有効な特効薬はまだ存在しません。
- 研究成果:
- 慶應義塾大学医学部の研究グループは、高脂肪高コレステロール食の長期摂取によって引き起こされるNASHの肝線維化病態が、食事の改善によって回復する免疫学的メカニズムを世界で初めて明らかにしました。
- 研究により、特殊な免疫細胞である「組織常在型メモリーCD8T細胞」がNASHの病態回復に関与していることが示されました。
- この成果は、新たなNASH治療法や診断薬の開発につながることが期待されています1。
- 肝線維化からの回復メカニズム:
- 独自に構築したマウスモデルを用いて、CD8T細胞が肝線維化からの回復を促進していることが明らかになりました。
- このCD8T細胞は肝星細胞の細胞死を誘導し、線維化からの回復を助けています。
- この成果は、肝線維化病態の回復メカニズムを世界で初めて示したものであり、新たな治療法の可能性を提唱しています1。
- 今後の展望:
- NASHを含む臓器線維化疾患の治療法や診断薬の開発につながる成果として期待されています。
- この研究は、2021年7月22日に『Nature Communications』のオンライン版に掲載されました1。
慶応の研究も興味深いですが、やはり今は治療薬がない病気ということでアンメットニーズが高いということがわかります。
その昔、消化器内科を訪問した時に、先生が「NASHはね~、薬がないんだよね~」と言っていたことを思い出しました。
放置すると肝硬変や肝がんに進むリスクがあるというのも怖いですよね。
米Madrigal Pharmaceuticals社とは
会社のホームページはこちら
こちらも生成AIであるCopilotの情報をフル活用させて頂きます。
Madrigal Pharmaceuticalsは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療薬を開発しているバイオファーマシューティカル企業です。以下に詳細を説明します。
『Madrigal Pharmaceuticalsについて詳細を教えてください』に対するCopilot回答 2024 3/20現在
- 企業概要:
- 主要な焦点: Madrigalは、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の治療薬の開発に特化しています。
- リード候補薬: 同社の最も進んでいる臨床候補薬はresmetiromで、NASHに伴う肝線維化および補償性肝硬変の治療に向けて第3相試験中です1。
- resmetiromについて:
- 治療対象: resmetiromは、NASHと肝線維化の治療に焦点を当てています。
- 臨床試験: 現在、resmetiromはNASH患者で肝線維化(F2/F3に相当)および補償性肝硬変を有する患者の治療について第3相試験中です。
- 最新のニュース:
- 2024年3月6日、Madrigal PharmaceuticalsはNasdaq Listing Rule 5635(c)(4)に基づく誘導グラントを報告しました。
- 2024年3月5日、EMA(欧州医薬品庁)はresmetiromのNASH/MASHに伴う肝線維化の治療のためのマーケティング承認申請を受理しました1。
薬が承認になったことは、AIに聞いても出てきませんでした。笑
では直接薬のことを聞いてみます。
resmetirom(レスメチロム)とは
レスメチロム(Resmetirom)は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療に使用される実験的な薬剤です。以下に詳細を説明します。
『resmetirom(レスメチロム)について教えてください』 に対するCopilot回答 2024 3/20現在
- 作用機序:
- Resmetiromは、甲状腺ホルモン受容体βの選択的アゴニストとして作用します。
- 肝臓の脂肪代謝を増加させ、脂肪毒性を減少させることで、NASHの改善を目指します12.
- 臨床試験:
- 肝生検によって確認された線維化ステージF1B、F2、F3のNASH患者を対象とした第3相試験が実施されています。
- 患者は、1日1回80mgまたは100mgのレスメチロム、またはプラセボを受け取るようにランダムに割り当てられました。
- 主要評価項目は、52週時点で肝線維化の悪化を伴わずにNASHが解消(NAFLD activity scoreの2点以上の減少を含む)すること、およびNAFLD activity scoreの悪化を伴わずに肝線維化が少なくとも1段階改善することでした1.
- 結果:
- Resmetiromは、NASH解消と1段階以上の肝線維化改善に関してプラセボよりも優れていました。
- 肝線維化の悪化を伴わないNASH解消は、80mgレスメチロム群の患者の25.9%と100mgレスメチロム群の患者の29.9%で達成されました(プラセボ群では9.7%)。
- NAFLD activity scoreの悪化を伴わない1段階以上の肝線維化改善も、Resmetirom群で有意に高かったです1.
- 安全性と将来展望:
- Resmetiromの長期使用の安全性はまだ評価されていません。
- この試験は、肝硬変への進行を含む肝臓関連の転帰を評価するために、54か月まで継続される予定です13.
承認に関するニュースは最新だからか、出てきませんでしたね。
ただ3/14に米国で承認されたことは間違いないです。
結果については、ケアネットにもわかりやすく掲載されています。
NEJMに掲載されたのはすごいですね。
原著論文はこちら
resmetirom(レスメチロム)はドラッグロスです。
私として気になったのはここからです。
じゃあ、この薬が日本で治験されているのかってことです。
それで調べてみました。
まず、JRCTから。
成分名で調べましたが、ヒットせず。。。
続いて、Clinicaltraial.govから
こちらPhaseⅢのリンクです。
治験実施国はアメリカ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、メキシコ、ポーランド、プエルトリコ、スペイン、スウェーデン、イギリス、となっています。
日本は登録なしです。
ということで、ドラッグロス確定です。
うーん、、、
こういうのばかりが、最近は目に付きます。
こういったアンメットニーズが高い薬に関しては、是が非でも日本に引っ張ってきたいですよね。
すでに承認になってしまったので、かなり高額なディールになることは間違いないですが、
アンメットニーズが高いだけになんとかしたいところです。
事業開発担当者の腕の見せ所です。
消化器内科の領域に力を入れていらっしゃる企業さんに頑張って頂きたいです!!
やはり、住んでいるところで受けられる治療が変わってくるという今の状況を少しでも改善できたらなと思います。
これはこの薬に限らずです。
特に難病系やオンコロジーなど、生命に直結するような疾患の薬剤については、
強く想うところです。
CROのGlobal化に期待
これが今日の私の結語ですが、エイツーヘルスケアが米国ボストンで支社を立ち上げるというニュースが3/19に飛び込んできました。
ドラッグロス解消を目指した一手です。
ニュース記事はこちら
エイツーヘルスケア社、米・ボストン支店を設立、バイオテック企業の日本向け新薬開発を支援
2024年3月19日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)の子会社であるエイツーヘルスケア株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:神谷 均、以下「エイツーヘルスケア」)は、米国事業拡大のため、2024年3月1日付で国内大手CRO※1初となる米・ボストン支店を設立し、バイオテック企業の日本国内における新薬開発支援を開始しました。
現在、日本の厳しい薬事規制や治験関連手続きの煩雑さ、欧米と異なる薬価制度等を理由に、海外製薬企業が日本市場を敬遠し、新薬が入ってこない「ドラッグ・ロス」の拡大が指摘されています。欧米で承認されていながら、国内では承認されていない「国内未承認薬」の割合は増加傾向にあります(2016年:56%、2020年:72%)※2。
また、国内未承認薬の半数以上は、海外のバイオテック企業が新薬開発を担っており※3、「ドラッグ・ロス」解消に向けて、海外企業に対して日本での開発意欲を高める仕組が求められています。
エイツーヘルスケアは、これまで様々な領域・疾患における企業主導治験や医師主導治験を数多く受託しており、業界トップクラスの新薬開発支援ノウハウを兼ね備えています。昨年10月には、「サイトライン・ファーマインテリジェンス・アワード・ジャパン2023※4」の「Best CRO/CDMO」カテゴリーにおいてアワードを受賞し、国内の効率的な治験の被験者募集のノウハウや、治験現場におけるIT活用の先進性等が評価されております。
今般、同社は1,000社以上のバイオテック企業が集結する世界最大規模のバイオテック・クラスターを形成するボストン都市圏に支店を設立し、海外企業との接点を確保し日本国内での新薬開発を支援します。具体的には、企業のパイプライン(新薬候補)開発を資金面からサポートするファイナンスプログラム“Pipeline Accelerator Program”を提供します。
また、日本国内での新薬開発におけるCROサービスを一貫して提供し、国内患者のニーズが高い新薬の開発を支援してまいります。
伊藤忠商事は、中期経営計画の基本方針として「『マーケットイン』による事業変革」を掲げており、本取組はこれに合致するものです。当社とエイツーヘルスケアは、ヘルスケア領域を注力分野と位置付け、本取組を通じて、「ドラッグ・ロス」という社会課題の解決に尽力し、より良い医療が提供される社会に貢献してまいります。
- ※1CROとは、Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)の略であり、医薬品などの開発において必要となる業務(モニタリング、データマネジメント、統計解析業務等)のアウトソーシングビジネスのこと
- ※2出典:一般社団法人 日本CRO協会 「Japan CRO Association Annual Report 2023」
- ※3出典:医薬産業政策研究所 「ドラッグ・ラグ:国内未承認薬の状況とその特徴」
この取り組みには大いに賛同します。
米国でのプレゼンスを高めて頂きたいと思います。
取り組み応援致します!!
(てか、伊藤忠さすがですね。)
内資、外資のCROの求人情報
私の知り合いには、MRからCROに入社した人、看護師からCROに入社した人、異業種からCROに入社した人がちらほらいます。
CROに入社して、日本のドラックロスに貢献するというのも、素敵な仕事の一つだと思います。
こういった求人に触れたいと思ったら、まず大事になるのは情報収集になります。
知らないことには、なにも始まりません。
まずは、いわゆる転職エージェントから情報を入手することが最初のステップになります。
取り扱っている案件がエージェントにより異なるので、3つほど転職エージェントに登録されることをお勧めします。
以下におススメのエージェントさんを3つほどご紹介しますね。
・Answers 製薬関連の求人数が豊富。製薬ニュースを毎日配信するAnswersNewsと連携してます。
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JAC Recruitment 外資に行くなら抑えておくべきエージェントさんです。
以上です。
今日は海外の新薬承認のニュースから、ドラッグロスについて私見を述べさせていただきました。
どなたかの参考になったら嬉しく思います。
それでは~~
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