この記事を読んでわかること
・レコルダティ・レア・ディジーズについて
*この記事にはアフィリエイト広告を利用しています。
どうも、こんにちは。
外資系製薬会社経営企画室につとめるこういちです。
今日取り上げるのは、イタリアの希少疾患の会社、レコルダティです。
2024年6月24日に、社長交代のプレスリリースを目にしたことをきっかけに筆を執っています。
存在は知っていましたが、これまで、じっくりパイプライン情報などを見たことはありませんでした。
さて、どんな会社なのでしょうか?
今日は、社長交代を機に、この会社のことを深堀していきたいと思います。
レコルダティ・レア・ディジーズとは?
Globalのホームページはこちら。
Who we areのところを抜粋します。
Recordati has been at the forefront of life-enhancing and life-changing medicines for almost 100 years.
With its beginnings in a family run pharmacy in Correggio, Italy in the 1920s, Recordati is now a global pharmaceutical force, listed on the Italian stock exchange, with over 4,450 employees.
(日本語訳)
レコルダティ社は、ほぼ100年にわたり、生命を高め、人生を変える医薬品の最前線にいる。
1920年代にイタリアのコレッジョで家族経営の薬局から始まったレコルダティ社は、現在ではイタリア証券取引所に上場し、4,450人以上の従業員を擁する世界的な製薬企業です。
https://recordati.com/who-we-are/
イタリアの製薬会社になります。
1920年から事業を展開しているということは、創立100周年を超えています。
歴史のある製薬会社ですね。
目的についても書かれていたのでご紹介します。
We are a group of like-minded, passionate individuals who go to extraordinary lengths for our partners, customers, investors and the people across the globe who we serve. We develop and commercialise medicines to serve people living with common diseases, as well as those living with some of the rarest, in around 150 countries.
At Recordati, our mantra is simple. We’ve always believed that health, and the opportunity to live life to the fullest, is a right, not a privilege. Whether that is for common diseases or the rarest – we want to give people the opportunity to be the best version of themselves.
This drive will never stop. Together, we will always be reimagining tomorrow – with new ideas, new technologies and new innovations to fight diseases.
(日本語訳)
私たちは、パートナー、顧客、投資家、そして私たちがサービスを提供する世界中の人々のために、並外れた努力を惜しまない、志を同じくする情熱的な人々の集まりです。
私たちは、約150カ国で一般的な病気や稀な病気に苦しむ人々のために医薬品を開発し、商品化しています。
レコルダティの信条はシンプルです。私たちは常に、健康、そして人生を最大限に生きる機会は、特権ではなく権利であると信じてきました。一般的な病気であろうと、最も稀な病気であろうと、私たちは人々に最高の自分になる機会を与えたいと考えています。
https://recordati.com/who-we-are/
150か国で薬を供給とあります。
すごいですね。
さて、会社のことをもう少し深く知りたいので、株主向け情報にアクセスしてみます。
Company Presentation May 2024を見つけました。
どれくらいの売り上げ規模を誇る製薬会社なのでしょうか?
その1pageはP4とP5にありました。
それがこちら。
まずRevenue、つまり売上ですが「2082.3 ミリオンユーロ」と記載を見つけることができます。
いまユーロは日本円で170円程度なので、その為替で計算すると、、、、
2082ミリオンユーロ×170円=353,940,000,000 (約3540億円)
ということになります。
P5に過去の売り上げの推移も出ています。
着実に伸びていることがわかりますね。
売上が約3540億円ということは、規模感でいえば日本で言うところの参天製薬や田辺三菱が近いですかね。
AnswersNewsさんのチャートを参考にしています。
会社の規模感がわかったところで、次は日本法人についてみていきます。
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンとは?
日本のホームページもしっかりとしたものがあります。
上述したWho We areに該当する文章もありますので、ご紹介します。
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンについて
レコルダティ・レア・ディジ ーズ・ジャパンは希少疾患に罹患された患者様が最適な治療を受けられるよう全力で挑みます。
“Focused on the Few ”希少疾患の患者様への貢献は、私たちの唯一無二のプライオリティーであり、全ての活動や研究開発の根源的な価値とし 日本でも2018年10月から事業を開始いたしました。
Recordati Rare Diseases社は1990年に創設され、世界中の希少疾患の問題解決に最も積極的に取り組む製薬企業の一つです。
ヨーロッパ・中東諸国・アメリカ合衆国・カナダ・ロシア・日本で事業展開し、南米諸国ではパートナーを通じた販売活動が行われています。我々は希少疾患の患者様とそのご家族の問題を解決すべく、調査、研究開発に投資し、その成果を医療従事者を通じ貢献しています。
https://www.recordatirarediseases.com/ja/aboutus/rrdj
日本での事業開始は2018年10月からということで、今年日本法人は6年目を迎えたということになります。
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンの社長に新たに就任する人物は?
そんな6年目を迎えたレコルダティですが、2024年6月17日に社長が変わりました。
そのプレスリリースがこちら。
代表取締役社長交代のお知らせ
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、 以下 レコルダティ・ジャパン)は代表取締役社長 赤枝 淳の退任にあたり、黒山 祥志が 2024 年 6 月17 日付で代表取締役社長に就任することをお知らせします。
黒山は、20 年以上にわたるヘルスケア業界でのキャリアにおいて、複数の製薬・バイオ企業にて、オンコロジー、感染症、肺高血圧症領域などの営業・マーケティング、新製品企画などの 責任者を歴任してきました。
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンの代表として、パートナーの皆様と共に、超希少疾患と闘う患者様の治療、及び生活の質的向上に一層の貢献をすると共に、最重要マーケットである日本での企業価値を向上させることに取り組んで参ります。
レコルダティ・ジャパンは、2018 年 10 月より超希少疾患に罹患された患者様が最適な治療を受けられるよう全力で挑み続けてきました。
2024 年 6 月現在、5種類の希少疾患領域における治療薬の輸入・販売をしております。
2024年6月17日 レコルダティプレスリリースより一部抜粋
“黒山 祥志”で検索したら、著書の情報がヒットし、そこに経歴が書かれていました。
著書:医薬品ビジネスの実践
【著者紹介】
黒山祥志 : 1994年に国内ビール会社の医薬品部門に入社し、医薬品ビジネスの門をたたいた。その後MR、オンコロジー領域のマーケティングを経験。MBA取得後、外資系製薬企業へ転職し、オンコロジー、感染症、肺高血圧症、新製品の幅広い領域において、プロダクトマネージャー、マーケティング部長、営業部門長、アジアパシフィックリージョンのリーダー、新製品企画部門長、営業・マーケティング統括本部長など重責を経験した。
医薬品ビジネスの初期開発段階から新製品の上市、ライフサイクルマネジメントまで幅広い知見を持つ。
医薬品ビジネスの実践
インサイト・ジャパンでコマーシャル部門を統括するエグゼクティブディレクターであったことも、AnswersNews等から読み解けます。
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンの日本での市販薬は?
これはホームページに記載がありました。
AIにまとめてもらったのが以下です。
以下に、それぞれの製品とその適応症を示します。
- カーバグルは、アセチルグルタミン酸合成酵素(NAGS)欠損症、イソ吉草酸血症(IVA)、メチルマロン酸血症(MMA)及びプロピオン酸血症 (PA)による高アンモニア血症治療剤です1。
- ジャクスタピッドは、家族性高コレステロール血症治療薬です2。
- シグニフォーは、アクロメガリー(先端巨大症)およびクッシング症候群の治療薬です3。
- イスツリサは、クッシング症候群の治療薬です4。
- サイスタダンは、ホモシスチン尿症治療薬であり、ホモシステインからメチオニンへの再メチル化反応の基質となります3。
カーバグルの詳細情報1ジャクスタピッドの詳細情報2シグニフォーの詳細情報3イスツリサの詳細情報4 サイスタダンの詳細情報3
copilot
詳細は割愛しますが、いずれも希少疾患を対象にした薬剤であることがご理解頂けたかと思います。
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンの日本での開発品は?
これは正直情報が拾えませんでした。
JRCTは2件ヒットしましたが、いずれも市販されている薬剤を用いての試験でした。
GlobalのパイプラインリストはGlobal ホームページから確認ができます。
Our Business – Research and Development – Recordati
興味ある方は覗いてみてください。
オンコロジー系や希少疾患系のパイプラインが目につきます。
ただこれらが日本で開発されているかどうかは、一つ一つは調べていません。
ご容赦ください。
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンの求人情報
過去メールを見てみましたが、この会社の求人を受け取ったことはなかったです。
何回か、エージェントさんとはこの会社のことを話した記憶はあるのですが、メール上では残ってなかったですね。
この手の外資系バイオベンチャーは、付き合う転職エージェントさんを絞ります。
また時期や、求人によっても付き合うエージェントさんを変更します。
従ってこういう会社さんの情報を取ろうと思ったら、いくつかのエージェントさんから情報を仕入れ入るのが良いと思います。
AnswersさんやJAC Recruitmentは比較的幅広く求人を扱っていますし、外資バイオベンチャーともお付き合いがあるので、個人的におススメしています。ランスタッドさんも外資には強いです。
Regeneronの立ち上げや、ギリアド案件なども過去扱っています。
こういう魅力的な案件に出会えるかどうかは、運というよりも、本人がどれだけ準備していたか、積極的に情報収集に動くかで決まります。
今日、このブログを読んで終わりとするか、5-10分ほど手を動かしてエージェントから情報を得ようとするかで、その後の人生の選択が変わってきます。
エージェントの登録をこれまでしたことがない、もしくはエージェントの登録を1社程度で済ませて満足されている方は、それだけで多くの機会損失が発生していることは自覚しておいたほうがよいと思います。
「望んでいたような求人が出ていたけど知らずに終わる」
こんなことが実は結構発生しています。
これはもったいないですよね。
希望する求人と条件をデフォルトで良いので用意しておいて、エージェントさんに伝えておくと、それに近しいような案件が自然と入ってくるようになります。
そういうアクションを積み上げていくと良い案件と出会える可能性が増えていきます。
リストラ吹き荒れる製薬業界で生き抜くにはこういったアクションが不可欠だと私自身は考えています。
動く動かない、応募する応募しないは置いておいて、まずは選択肢を知る、ということでエージェントに話を聞いてみるというところからアクションを起こしてはいかがでしょうか?
AnswersさんやJAC Recruitmentさん、ランスタッドさんは比較的幅広く求人を扱っているので個人的に強くおススメしています。
各エージェントさんの特徴を別途ブログにまとめているのでよかったら参考にされてください。
ということで今日はレコルダティについてお届けしました。
社長が変わったことをきっかけに筆を執りましたが、興味深く株主向けの資料なども拝見しました。
希少疾患をやりたい!
という方にはよい会社かもしれません。
では本日の内容は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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