この記事を読んでわかること ・Genmabの将来性・パイプライン
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どうも、こんにちは、外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。
今週は忙しく、ブログ執筆に充てる時間がなく、休日を使って作業にあたっています。
読者も日に日に増えており嬉しく感じます。
ブログを更新したら400-500人の方が覗きに来てくれる感じになっています。
ありがとうございます!!
でも意識するのは”誰かひとりのためのブログ”です。
ということで今日はGenmabに興味のある方向けの記事をお届けします。
血液がんの薬はもちろん、今後固形がんのパイプラインも有しているGenmab。
オンコロジーを担当するなら知っておくべき企業です。
実はGenmabは2021年9月にこのブログで取り上げたことがあります。
記事はこちら。
結構アクセス数を稼いでくれる記事です。
情報が少し古くなってきましたので、今日は更新の意味合いも込めて、新たにリサーチした情報をまとめていきたいと思います。
情報のソースは最近の日本におけるニュース、海外の投資家向け情報(2023年3月時点)のプレゼンテーションスライドからになります。
それではどうぞ。
Genmabについて
ここは自分自身が以前書いた文章をそのまま引用します。
ジェンマブの本社はデンマークのコペンハーゲンに位置しています。
1999年に設立された会社で、特許を有している有名な薬剤としては、
・オファツムマブ
製品名:アーゼラ (慢性リンパ性白血病)、ケシンプタ(多発性硬化症)
適応症:慢性リンパ性白血病、多発性硬化症
導出先:ノバルティス
・ダラツムマブ
製品名:ダラザレックス
適応症:多発性骨髄腫
導出先:ジョンソンアンドジョンソン(日本ではヤンセンファーマ)
などがあります。
日本ではこれまで基本導出する(他社に売ってもらい、ロイヤルティ収入を得る)というビジネスモデルで収益を獲得していましたが、ジェンマブ日本法人は2021年1月、日本で第一種医薬品製造販売業の業許可を取得したと発表しました。
製薬キャリア 3.0
https://seiyakucareer.com/genmab/
ふむふむ、これまでは導出をメインに日本でビジネス展開をしていた会社で、これから本格的に日本で自社販売に乗り出すことが読み解けます。
ではGlobal全体では、どれくらいの売り上げ規模を誇る会社なのでしょうか?
投資家向けの資料からそれらをご紹介していきます。
Genmab 2022 Annual Report P10
2022年の売上は14,595 DKK million。
1DKK (1デンマーククローネ) は 2023年3月25日時点で18.87円。
(デンマーククローネなんて単位見慣れないですよね。。。)
計算がめんどうなので、1DKK=20円とすると
14,595 DKK million≒291,900百万円
約2919億円
これくらいの売り上げ規模を誇る会社ということです。
いまはロイヤリティによる収入がメインなので、これ位の売り上げ規模なのかもしれないですね。
自販するようになれば、もっと売上規模は伸びてくるかもしれません。
Epcoritamab(注目の新薬)
ここからは注目の新薬であるEpcoritamabについて解説していきます。
すでにUS /EU/ Japanでの承認申請を2022年段階で完了しております。
US FDAは優先審査対象にしていると記載があります。
開発の対象疾患は以下です。
B細胞性腫瘍(再発難治および初発)
どちらも狙いにいっているのが読み解けるかと思います。
J.P. Morgan Healthcare Conference 2023
日本でも承認申請に関するプレスリリースが2022年12月にGenmab日本法人から出ております。
2022年12月21日
ジェンマブ、エプコリタマブの再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫を適応とする製造販売承認を申請
- ジェンマブの抗体技術プラットフォーム DuoBody®を応用した皮下投与の二重特異性抗体エプコリタマブ(DuoBody®-CD3xCD20︓GEN3013)は、リンパ腫に対する全身療法を 2 回以上受けた患者さんにも新たな治療選択肢となる
https://genmab.co.jp/wp-content/uploads/2022/12/pressrelease_221221_.pdf
- エプコリタマブは、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫を含む成熟B細胞非ホジキンリンパ腫を対象とした国内第II相臨床試験および海外第II相臨床試験等の成績を基に申請
最初の適応症はおそらく、再発難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)になると思われます。
大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)について
LBCL はリンパ系に発生するがんである非ホジキンリンパ腫(NHL)の 1 つで、白血球の一種である B細胞リンパ球に異常が生じる病勢進行の速いリンパ腫です。
全世界で毎年新たに LBCL と診断される患者さんは15万人と推定されています。
LBCLの1つであるDLBCLは、全世界で最も多いNHLのサブタイプであり、すべてのNHL症例の約31%を占めています。
全身療法を2回以上受けた再発又は難治性のLBCLは、標準的な治療法が確立しておらず、新しい治療法へのニーズが高い疾患です。
https://genmab.co.jp/wp-content/uploads/2022/12/pressrelease_221221_.pdf
ではどれくらい効く薬なのでしょうか?
そちらについては2022年6月に出されたプレスリリースに情報が出てました。
ジェンマブ 開発中の Epcoritamab(DuoBody®-CD3xCD20)について、再発/難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者さんを対象とする第II 相試験の最新データを第27回欧州血液学会(EHA)プレジデンシャルシンポジウムで発表
報道関係各位 デンマーク、コペンハーゲン、2022年6月11日
2022年6月24日 ジェンマブ日本法人プレスリリース https://genmab.co.jp/wp-content/uploads/2022/06/newsrelease_220624.pdf
- Epcoritamab は、キメラ抗原受容体(CAR)発現 T 細胞療法の治療歴がある患者さんを含む、極めて難治性の高いLBCL患者さんにおいて臨床的に意味のある効果を示しました。
- 治験対象集団全体における全奏効率(ORR)は 63%、完全奏効率(CR)は 39%でした。CAR T細胞療法の治療歴がない患者さんにおけるORRは69%、CRは42%、CAR T細胞療法の治療歴がある患者さんにおけるORRは54%、CRは34%でした。
- 安全性プロファイルについては、有害事象は管理可能であり、これまでの結果と一致していました。
- 今回の結果は、第 27 回欧州血液学会のプレジデンシャルシンポジウムにおいて、late-breaking(一般演題募集締め切り後に発表可能となった最新データ)口頭発表演題として発表されました。
なるほど。こういう結果に落ち着きましたか、、、というのがこういちの感想です。
というのも前回ブログをお届けしたのが2021年9月。
その時には、2020年のASHのデータをご紹介しました。
その時の記載はこちら
なぜ注目しているかというと、2020年のASHで発表されたデータがピカピカだったからです。
Epcoritamab (R/R DLBCL, 2L+)
At median follow-up of 10 months:
- Efficacy
- At a dose of 12-60 mg (n=22): ORR: 68%; CR:46%
- At a dose of 48-60 mg (n=11): ORR: 91%; CR:55%
- Safety (n=68): SAEs: 68%; no grade 3/4 CRS; grade 3 TLS: 1.4%
引用
”https://prescienthg.com/resources/2020/12/04/ash-2020-diffuse-large-b-cell-lymphoma-dlbcl/ ”
まだ11例と少数例のデータではありますが、高用量群ではORR91%と驚異的な数値を叩き出しています。
CAR-Tより効いてますね。
2nd Line(再発・難治例)でこの値ですから、1st Line (初発例)で使ったらもっと高い有効性が期待できます。
加えて、重症度(Grade)が高いと死亡リスクも高まるCRS(cytokine release syndrome):サイトカイン放出性症侯群も、Grade3と4は報告がないということで、安全面でも優れた結果が得られています。
Subcutaneous:
皮下注射というのも、簡便な投与方法で、これまた魅力的です。
これが出てきたらおそらくDLBCL治療の2nd LineのSOC(標準治療)になってくるのではないかなと思われます。
まだ例数が少なかったというのもあるでしょうが、その時の高用量群でのORR(Overall Response Rate:全奏功率)は91%でした。
なので今回のPh2の結果(ORR=63%)を見て、「あっ、それ位に落ち着いたのね」という感想を持ちました。
とはいえ、ORR63%は立派な数値です。
固形がんなんかは、ORR10%-20%なんていうのはざらですからね。
多くの患者さんの福音になって欲しいなと思います。
Genmabのパイプライン
Globalサイトに情報があります。
またGenmab 2022 Annual Reportの中でわかりやすい図がありましたので引用します。
Genmab 2022 Annual Report
(スマホで見ると小さいですよね、すみません。。。)
全部の紹介は無理!!って位、数があることがわかります。
Epcoritamab以外にもこれだけ多くのオンコロジー製品が並んでますので、将来的なProfitも大いに期待ができますね。
日本のことについても頑張ってまとめよう!と思ったのですが、すでにAnswersさんが完璧なまでに日本で開発が進むものを情報としてまとめてくださっています。
ですので、この部分についてはAnswersさんの記事にお任せしたいと思います。
Genmabの今後の日本展開
ここもAnswersさんのニュースがかなり詳細に書いてくれてますので、そのまま引用させてもらいます。
ジェンマブ、日本市場本格参入へ体制構築…P3に2品目、将来的には「日米同時開発」
1000施設カバーするMRを揃えたい
日本でP3試験を行っている2剤のうち、エプコリタマブは米アッヴィと共同開発しており、ジェンマブが承認取得後、両社で共同販売する予定。
同薬はB細胞非ホジキンリンパ腫の適応でもP2試験を行っています。一方、チソツマブ ベドチンは米シージェンと共同開発していますが、同社が日本の拠点を持たないことから、ジェンマブが単独で販売する方針です。
日本法人の高木実加社長は、国内の営業体制について「どちらの薬剤が先に承認されるかで変わってくる」として詳細は明かしませんでしたが、「目標施設数は1000プラスアルファと考えている。それを十分カバーできるだけのMRを揃えたい」と話しました。
日本法人は現在、50人強の体制ですが、将来的には日米同時開発・同時申請を目指しており、開発、販売ともこれを実現できるよう体制を拡充していきたいとしています。
日本事業の位置付けについて高木社長は、「企業として日本市場へのコミットを示し、ビジネスを成功させることが、今後(日本と米国以外の)他の地域に拡大していくための試金石になる。その意味で日本は重要なポジションを担っている」と説明。高齢化が進み、がん患者の多い日本で新たな治療選択肢を提供し、プレゼンスを確立していく考えです。
引用:Answers News 2022年12月12日 https://answers.ten-navi.com/pharmanews/24448/
ここから推察するに、2023年は本格的にMR採用がはじまっていくでしょう。
Epcoritamabの日本での申請は2022年の12月。
順当にいけば、2023年末に承認、薬価収載および発売は2024年1Hという流れになります。
なので、おそらく2023年2Q位から本格的に営業の採用がはじまると予想します。
(昨年Sales Directorを募集していたのを記憶していますので、すでに水面下でははじまっているかも。営業所長クラスの採用は終わっているかもしれません)
2023年3Q位からトレーニングが始まるかなと予想します。
*あくまで全部予想です。あしからず。
Genmabの年収や求人
求人情報はGenmabのサイトから見に行けます。
2023年3月25日現在で出ている案件は13件。
13 Results
- Manager/Senior Associate, Financial Planning & Analysis
- Manager, Supply Chain & Distribution
- Manager or Senior Manager, Portfolio & Project Management
- Associate Director, Japan Development Team Leader
- Senior Manager, Safety Compliance
- Senior Manager, Legal Japan
- Senior Associate or Manager, Regional Sponsor Oversight Lead
- Medical Science Liaison
- Sr. Scientist, Safety Scientists
- Associate Director, Medical Lead Japan
- Senior Manager, Sales Training
- Senior Manager, Human Resources
とこんな感じ。
(日々更新されるので、2023年3月25日現在のものとして御覧ください。)
過去、ジェンマブの転職情報はCAREERCARVER(現リクルートダイレクトスカウト)から入ってきました。
登録しておくと、情報入ってきますのでお勧めです。
それと、エンワールドジャパンも取り扱っていると知人から聞いたことがあります。
情報欲しい方はぜひ一度面談かお電話されてみて下さい。
色々情報教えてくれます。
いま入社すると、RSUが付与されるかどうかというのはちょっと、微妙かもしれません。
2021年-2022年前半頃はDirectorクラスの案件もあり、付与されると聞いていました。
しかし、いまから入社するマネージャークラスだと付与されないという情報をMRの友人を通してチラッと聞きました。
真偽のほどは確かめていませんので、確かな情報を取りたいという人は転職エージェントにご確認ください。
参考までにこういちが登録している転職エージェント一覧を掲載しておきますね。
エンワールドジャパン 製薬専門チームありです。
JAC Recruitment 外資系案件に強みをもっています。
マイナビエージェント どちらかというと内資系案件が多い。
リクルートダイレクトスカウト 本社系案件に強い印象。
【ランスタッド】 外資系案件に強みを持っています。
【アクシスコンサルティング】コンサルティング会社に興味があれば、登録しておいて損はないです。特にBIG4(PwC/EY/KPMG/デロイト)とのコネクションが強く、実績を出しています。20代なら挑戦するのもおおあり!キャリアの幅がぐんと広がります。
毎回お伝えしていますが、その時々で求人が入ってくるエージェントが異なる印象ですので、上位に上げたうちの1-2個は登録しておくことをお勧めします。
さて、最後に。。。
おかげ様でTwitter フォロワーが2500人を超えました!!ありがとうございます。
これからも有益な情報発信になるよう心掛けたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します!!
*2024年2月追記
Answers さんも取り扱いがあることを確認しました。
製薬ニュースを毎日配信するAnswersNewsと連携しており、バイオベンチャーや大手製薬会社との提携をされていることも最近キャッチしました。
ジェンマブとも繋がりがあるとは正直知りませんでした。
私がお伝えしたいのは、「どこどこのエージェントさんが一番良いですよ!」ということではなく、機会損失を防ぐために、複数の転職エージェントに登録したほうが絶対に良いという点です。
なぜならエージェントによって持っている案件や非公開求人が異なるためです。
その中でもAnswersさんは優良な転職エージェントさんになりえますよ!ということです。
ブログを読んで終わりとするか、5-10分ほど手を動かしてエージェントから情報を得ようとするかで、その後の人生の選択が変わってきます。
エージェントの登録をこれまでしたことがない、もしくはエージェントの登録を1社程度で済ませて満足されている方は、それだけで多くの機会損失が発生している可能性があります。
「望んでいたような求人が出ていたけど知らずに終わる」
これはもったいないですよね。
希望する求人と条件をテンプレートで良いので、エージェントさんに伝えておくと、それに近しいような案件が自然と入ってくるようになります。
そういうアクションを積み上げていくと良い案件と出会える可能性が増えていきます。
リストラ吹き荒れる製薬業界で生き抜くにはこういったアクションが不可欠だと私自身は考えています。
動く動かない、応募する応募しないは置いておいて、まずは選択肢を知る、Answersさんなどのエージェントに話を聞いてみるというところからアクションを起こしてはいかがでしょうか?
ということで追記は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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