この記事を読んで分かること ■市場調査(定性調査・定量調査)の進め方 ■こんな調査はイケてない!という例を紹介
どうもこんにちは、こういちです。
久々のブログ更新になってしまいました。
めちゃくちゃ忙しい!!というわけではなく、ブログに向かう時間をしっかり確保せずにいたため、久々の更新になっております。
日々のルーチンに組み込みたいと思ってはいるのですが。。
まあ、細く・長く続けることが本ブログの目標なのでお許しください。
さて今日は10ヶ月目のリアルということで、市場調査(定性調査・定量調査)の実際ということでブログを書いていきたいと思います。
マーケティング担当の方であれば、市場調査を実施されることは多いかなと思いますが、MRの方ですと中々経験がないですよね。
これからマーケティング部を目指すMRの方や、いまマーケティング担当者の方向けに、進め方やこんな調査は微妙だよということを実体験を含めて書いていきたいと思います。
市場調査(定性調査・定量調査)の進め方
10ヶ月目に行った仕事の一つに、医師の定性調査がありました。
会社として初めて参入する領域の医師の定性調査です。
これまで会社としてもお付き合いもない診療科の定性調査でした。
ガイドラインおよび最新の論文を読んではみたものの、実際に診療している医師達がどのように診療しているかはまだ未知数。
ということで、医師の定性調査を実施しました。
実際の進め方は以下のような手順でした。
①論文およびガイドラインを熟読し、現在の治療がどのように行われているかをある程度整理する。
②それらの情報を元に今回の調査の目的(知りたいことはなんなのか。今回の調査でいえば、ガイドラインや論文通りに医師が治療を行っているかどうかを確認することが目的の1つでした)整理する。
③目的を達成するために必要な手段(定性調査なのか、定量調査なのか)・対象医師数を設定する
④目的・手段が整理されたら、今回の調査を通じて得られると想定される仮説を2〜3個考えてみる。
⑤ ①-④を整理したRFP(Research For Proposal)を市場調査会社に共有し、プロジェクトをスタートさせる。
⑥市場調査会社に、医師のスクリーニングシートと調査票をドラフトしてもらう。
⑦それらをレビューし、スクリーニングシートと調査票をブラッシュアップ(目的を達成できる医師を抽出できるスクリーニングシートになっているかどうか、質問構成になっているかどうかを吟味)する。
⑧スクリーニングを開始し、スクリーニングされた対象医師の中から、今回インタビューする医師をセレクトする。
⑨インタビューを実施する。(最近はリモートで実施。インタビュー内容は閲覧可能)
⑩インタビューを聞きながら、最初のうちは調査票の微修正や提示資料の微修正を同時に行う。
⑪可能な限りすべて視聴する。
⑫調査会社から速報を受領し、最終報告書にまとめてほしい内容を相談する。
⑬最終報告書を受領する。その際、最初に立てた仮説が正しかったのか、ずれていたのかも併せてレポートに含めてもらう。また新たに見出されたインサイトについてもまとめてもらう。
⑭報告会をプロジェクトチームで実施する。報告は調査会社から行って頂き、後半はディスカッションの時間を持つようにする。
以上です。
こうして文章で整理してみると、結構なプロセスを踏んでおりました。
①~⑭までの期間はおよそ3-4ヶ月になります。
詳しいことは書けませんが、調査のおかげで、ある疾患の実際の治療実態が把握でき、かつ新たなアンメットメディカルニーズを把握することができました。
今後これらの情報は今後進んでいく予定の治験のプロトコル改訂や統計解析の重点項目を選択する上でも重要な事実(FACT)として活用できそうです。
こんな調査はイケてない!という例を紹介
さてここまでは市場調査の実際の進め方についてプロセスの説明をしました。
次は、こんな調査はイケてない!、裏を返せば、こういう市場調査にならないように気をつけてくださいという内容についてご紹介していきたいと思います。
私は外資系製薬本社で長年働いて、これまで多くの市場調査に関わってきました。
時には、参加者として。時には企画者として。
そんな中で、こんな調査はイケてない!というものにも数多く出会ってきましたし、私自身も気を付けないといけないなと思っている部分もあるので、今日はそのあたりについて解説していきます。
今後の市場調査実施の際のお役に立てて頂ければと思います。
市場調査後のNext Actionがあいまい
このケースは数多く見てきました。
予算も確保されており、実施することがPlanされているから行う市場調査にありがちです。
とりあえず調査はやってみる。
そしてある程度いまの現状の把握はできる、でも次のActionに繋がらない。
自己満足で終わるケースです。
特に多いのが患者に関する調査で発生しがちです。
最近はやりのPatient Journyと言われる調査でNext Action不在のケースをしばしば見かけます。
「こんなことで患者さんは困っているんだな。それがわかって良かったですね。こういう患者さんのために私達は一生懸命仕事していきましょう!以上、これで市場調査は終了です。」
みたいなケース。
・・・・
それで?
So What?
だからなに?
という感じですよね。
それで我々は何をしていくのか?何に取り組んでいくのか?
市場調査の結果を踏まえて、次のActionを決める・議論することをしない限り、市場調査は単なる自己満足で終わってしまいます。
でもこういうケースは非常に多いです。
いやいやそんなことないでしょうと思うと思うのですが、本当に多いです。
なぜこういうことが起こるのか?
それは市場調査を実施する前にNext Actionまでのことを想定せずに実施してしまうためです。
そして現状把握で終わってしまうためです。
知れたからいいよね、みたいな感じです。
でもこれではせっかく得た情報が無駄になってしまいます。
得た情報から、次に我々は何をしなければいけないのか?
そこまでを想定して市場調査は計画される必要があります。
仮説不在
これも多いです。
仮説がないケース。
仮説を作りましょう。
定性調査、定量調査実施時には必要です。
MBAのリサーチの時にも教授に口うるさく言われました。
仮説がないことの弊害は、質問がぼやけてしまうことです。
仮説がしっかりしていると、それを明らかにするために質問がよりクリアになります。
調査担当者まかせ
大きい製薬会社の場合は、市場調査グループとか、アナリシスチーム、など市場調査会社とマーケティング担当者との間に入って、各種調整をしてくれる方がいます。
ありがちなのは、その人に割と任せっきりになるケースです。
知りたいことはこれとこれ、あとはよろしく、的なマーケターをたまにみます。
これは本当にイケてないです。
調査担当者の方も困ると思います。
二人三脚で調査を進める姿勢を持つこと、また調査担当者の方は調査に詳しいのでアドバイザーとして色々意見をもらうと良いと思います。
ベンダーまかせ
これもありがちですね。
知りたいことはこれとこれ、あとはよろしく、のパターンですね。
ベンダーが超優秀であればいいアウトプットが期待できますが、、、
このパターンで多いのは自己満足パターンですね。
出てきた結果はあまり次のActionに活かされない事が多いですね。
調査をみない(定性調査の場合)
これは本当にもったいないと思います。
言葉のニュアンスや感情を感じ取れるのが、インタビューを見学することのメリットの一つです。
もちろんあとから報告書という形で、インタビュー内容は共有されますが、その情報からニュアンスを読み解くのは難しいです。
ニュアンスには医師の本音の部分が隠れていることもあるので、しっかり感じ取ることが重要です。
また調査を見て、医師の発言に疑問に思うことがあればその場で追加質問できることもインタビュー視聴のメリットです。
まとめ
ということで本日の内容は以上です。
市場調査(定性調査・定量調査)の進め方
こんな調査はイケてない!という例を紹介
上記2点についてお届けしました。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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