外資系製薬会社経営企画室こういちの注目の外資系バイオベンチャー。チェプラファーム。2023年11月日本での事業を開始。事業承継を中心としたビジネスモデルで売り上げ100億円を目指すドイツ系製薬会社。

製薬会社の将来を考える
この記事を読んでわかること
・チェプラファームのこと

どうも、こんにちは。

外資系製薬会社経営企画室に勤めるこういちです。

 

 

さて、久しぶりのこのシリーズです。

今日取り上げるのはチェプラファームです。

 

 

聞いたことない人も多いのではと思います。

実は私も昨日、中外製薬さんのプレスリリースを読んで初めてその存在を知りました。

なんと日本での事業開始は2023年11月1日からとのこと。

 

 

完全にノーマークでした。

 

 

ということで気になったのでどんな会社か調べてみることにしました。

今日は調べた情報を中心に、記事をまとめていこうと思います。

 

チェプラファームを知ることになった中外製薬のプレスリリース

 

2023年11月06日|抗悪性腫瘍剤「ゼローダ®錠300」日本における事業譲渡と今後の販売について|ニュースリリース|中外製薬

知ることになったのはこちらの2023年11月6日のプレスリリースです。

原文ママに引用します。

抗悪性腫瘍剤「ゼローダ®錠300」日本における事業譲渡と今後の販売について

中外製薬株式会社
チェプラファーム株式会社

中外製薬株式会社[本社:東京都中央区、代表取締役社長 CEO:奥田 修](以下、中外製薬)およびチェプラファーム株式会社[本社:東京都千代田区、代表取締役社⻑:一守 健太郎](以下、チェプラファーム)は、このたび、中外製薬がエフ・ホフマン・ラ・ロシュ(以下、ロシュ)より導入し、日本における製造販売承認を有する抗悪性腫瘍剤「ゼローダ®錠300」(以下、ゼローダ錠)について、本製品の日本における事業を中外製薬からチェプラファームに譲渡することをお知らせします。

中外製薬は、2003年より日本国内におけるゼローダ錠の販売ならびに情報提供活動を実施してきましたが、製品ライフサイクルの成熟に伴い、今後の国内マーケティングについて改めて中外製薬、ロシュ、チェプラファームグループの3社で協議し、製造販売承認および特許、商標等の知的財産権を含む、日本国内における本製品に関する資産をチェプラファームに譲渡し、以後同社の単独販売とすることが望ましいと判断し、譲渡契約の締結に至りました。

現在、チェプラファームと中外製薬は、譲渡に向けて必要な行政・法令上の手続きを進めております。

製造販売承認の承継は2024年2月1日、販売移管は2024年4月1日に行われる予定で、以降はチェプラファームが単独で販売および情報提供活動を行うこととなります。

チェプラファームと中外製薬は、今後も本製品の安定供給と円滑な製造販売承認の承継に向けて協働してまいります。

以上

中外製薬株式会社について
中外製薬(本社:東京)は、抗体エンジニアリング技術をはじめとする独自の創薬技術基盤を強みとする、研究開発型の製薬企業です。

ロシュ・グループの重要なメンバーであるとともに、東京証券取引所プライム市場の上場企業として、自主独立経営の下、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。

中外製薬に関するさらに詳しい情報はhttps://www.chugai-pharm.co.jp/をご覧下さい。

チェプラファーム株式会社について
チェプラファームは、ドイツに本社を置くCHEPLAPHARM Arzneimittel GmbHの日本法人として2023年4月に設立し、同年11月より事業を開始した製薬会社です。

長年にわたり人々の健康を支え続けてきた医薬品ポートフォリオを、世界各国の製薬メーカーから承継し、お届けすることをビジネスの柱とし、日本の医療に貢献してまいります。

2023年11月6日 中外製薬 プレスリリース

っと、昨日、このようなプレスリリースが出ました。 

この会社の存在自体知らなかったので、少し驚きました。

 

承継を中心にビジネス展開をするドイツの製薬会社なんですね。

 

ゼローダの発売は2003年。

20年選手の薬をもらって、販売する。

すごいですね。

きっと、後発品もあるでしょうから、どんな形で情報提供していくんでしょうか?

注目です。

チェプラファームについてもっと詳しく

 

社長さんの情報とかもっとないかなとGoogle検索したら色々出てきたので、情報共有です。

まず、昨日のPRTIMESにて、チェプラファームや社長さんの情報が共有されていたのでシェアします。

医薬品の承継事業を展開する独CHEPLAPHARM社の日本支社として4月に設立。チェプラファーム株式会社、国内事業を開始

グローバルのネットワークを強みに承継契約を増やし、売上高100億円を目指す。

 

医療用医薬品の承継事業を展開する製薬会社チェプラファーム株式会社(以下、チェプラファーム)は、医薬品の持続的な供給を通じ、日本における持続可能な医療プラットフォームの構築に貢献する目的で、2023年4月に設立されました。

この度、同年9月に医薬品の製造販売業許可を取得したことを受け、11月より医療用医薬品の製造販売事業を開始します。

チェプラファームが展開する医薬品の承継事業は、長年にわたり人々の健康を支え続けてきた医薬品ポートフォリオを引き継ぎ、それらを必要とする患者さんに届けていくビジネスです。

長年にわたり販売されている医薬品の多くは、様々な環境変化の影響を受けて販売数量が減少する一方で、依然として供給責任が求められます。

チェプラファームは、このような医薬品ポートフォリオを承継し、同等の品質と供給体制を持続することで、患者さんへの持続的供給と、製薬業界の持続的成長の双方に貢献したいと考えています。

独CHEPLAPHARM社は承継事業に特化した製薬会社で、20年以上にわたり世界各国の製薬会社から医薬品を承継し、145か国のパートナー会社を通じて世界中に医薬品をお届けしてまいりました。

その過程で築いたグローバルネットワークおよび品質、供給力を維持するサプライチェーンの構築及びマネジメントに関するノウハウを活かし、2022年度には約2,041億円*の売上高を達成しています。

 日本は世界に先駆けて高齢化社会を迎え、また、世界3位の開発品目数を誇ることから、持続可能性と成長戦略双方の観点から非常に重要な国と位置付けています。そのため、チェプラファームは、製造から販売まで全ての機能を持ち、さらには、承継に係る業務まで手掛ける初めての支社として設立されました。

 品質と安全性、供給体制における日本の高い要求水準に応えていくことで、日本での承継契約の増加を図り、3年後の売上高100億円到達を目指します。

*1EUR=159.6円換算

<参考資料>

会社概要

 社名  : チェプラファーム株式会社

 住所  : 東京都千代田区神田4丁目14-1

 URL  : https://www.cheplapharm.jp/

 設立  : 2023年4月

 代表者 : 一守 健太郎

代表取締役社長一守健太郎のプロフィール

2007年ライアソン大学(現トロント・メトロポリタン大学)卒業。2013年テンプル大学東京キャンパスにて経営学修士課程修了、学部長表彰を受ける。

2007年にボストン・サイエンティフィック・ジャパン入社後、アボット ジャパン、バクスタージャパン、テバ製薬(現武田テバファーマ)にて様々な役職を歴任した後、2016年アスペン・ジャパン(現サンドファーマ)に入社。以降、経営企画本部責任者(サンド・ジャパン)を歴任し、2023年当社代表取締役社長に就任。

■CHEPLAPHARMグループの会社概要

 本社名    : CHEPLAPHARM Arzneimittel GmbH

 本社所在地  : ドイツ・グライフスヴァルト

 グループ売上高: 約1,279万 EUR(2022年度)

 拠点     : フランス、ロシア、オーストリア、日本、スイス

 グループ従業員: 約650名

 

PRTIMES 2023年11月7日

この会社、承継事業に特化した製薬会社なんですね。

ドイツに本社がある。

それも初耳でした。

 

また社長は長年、後発品ビジネスでキャリアを積んで来られた方のようですね。

2007年に大学卒業ということは、まだ相当若い社長さんと推察します。

40代ですね。おそらく。

こういうキャリアの積み方もあるんだなと勉強になりました。

 

 

さて、もう少し情報がないかなーと本国のホームページも見てみました。

すると、日本で事業を開始したことがニュースになっていたので、こちらも引用しますね。

 

CHEPLAPHARM opens presence in Tokyo

11/06/2023

CHEPLAPHARM Arzneimittel GmbH, based in Greifswald/Germany, has opened a presence in the Japanese capital Tokyo and obtained the pharmaceutical licence for Japan. With this, CHEPLAPHARM meets the requirements to be a Marketing Authorisation Holder in Japan. The managing director of the founded CHEPLAPHARM KK is Kentaro Ichimori, who most recently held a leading position for Sandoz in Japan. 

With the opening of the Japanese location, CHEPLAPHARM is striving for developing from a medium-sized German company to a globally active group and is consistently continuing its internationalisation strategy. Establishing a presence in Japan and launching CHEPLAPHARM as a local brand is important to further build trust with local business partners, doctors and patients.

“Good and trustworthy business relationships are essential for working in the Japanese market. With the opening of our location in Tokyo and the receipt of the pharmaceutical licence for Japan, we can respond even better to the market conditions. With his more than 15 years of experience in the Japanese pharmaceutical market, Kentaro Ichimori is the perfect match to lead our Japanese subsidiary”, says Edeltraud Lafer, CEO of CHEPLAPHARM Arzneimittel GmbH.

The opening of an office in Tokyo and the presence on the Japanese market serves to establish CHEPLAPHARM as a brand in Japan and make it better known, thus leveraging further growth potential. Furthermore, the Japanese pharmaceutical market is considered one of the most strictly regulated in the world and the complexity for approvals by the Pharmaceuticals and Medical Devices Agency and the Ministry of Health, Labour and Welfare is correspondingly high.

In this context Kentaro Ichimori, Managing Director of CHEPLAPHARM KK, underlines: “CHEPLAPHARM has already been active on the Japanese market for several years, until now always through partners. With our own location, a dedicated team and our own pharmaceutical licence, we will be even more effective in the cooperation with our partners, but also independently. Our goal is not only to be the local holder of the Marketing Authorisations and to be responsible for the marketing of the products. Rather, we want to establish CHEPLAPHARM KK as a company that meets the high Japanese ethical and quality standards while supporting doctors and patients.”

Kentaro Ichimori has over 15 years of leadership experience in the Japanese healthcare market. Prior to joining CHEPLAPHARM, Kentaro Ichimori led the Oncology Bio Business Unit and Strategic Planning & Execution Department at Sandoz Japan and was responsible for Business Development at Aspen Japan from 2016 to 2023. Prior to that, he held various positions at Boston Scientific Japan, Abbott Japan and Baxter Japan (all Tokyo) and Teva Seiyaku in Nagoya from 2007. The Japanese Canadian studied Aerospace Engineering at Ryerson University (Now the Toronto Metropolitan University) in Toronto, Canada. Later, Kentaro Ichimori completed a Master’s in Business Administration at Temple University’s Tokyo Campus, Japan, graduating with distinction on the Dean’s List in 2013.

(日本語訳)

ドイツ・グライフスヴァルトに本社を置く CHEPLAPHARM Arzneimittel GmbH は、日本の首都東京に進出し、日本の医薬品製造販売業許可を取得した。

これにより、チェプラファーム社は日本での販売許可要件を満たしたことになる。設立されたチェプラファーム株式会社の代表取締役は一森健太郎氏で、直近ではサンド社の日本における責任者を務めていました。

日本での拠点開設により、チェプラファームはドイツの中堅企業からグローバルに活躍するグループへと発展することを目指し、一貫して国際化戦略を継続しています。

日本でのプレゼンスを確立し、現地ブランドとしてチェプラファームを立ち上げることは、現地のビジネスパートナー、医師、患者との信頼関係をさらに築くために重要です。

「日本市場で仕事をするためには、良好で信頼できるビジネス関係が不可欠です。東京に拠点を構え、日本の医薬品販売許可を取得したことで、私たちは市場の状況によりよく対応できるようになりました」。日本の医薬品市場で15年以上の経験を持つ一森健太郎は、日本法人を率いるにふさわしい人物です」と、チェプラファーム社CEOのエーデルトラウド・ラーファーは語る。

東京に事務所を開設し、日本市場に進出することで、日本におけるチェプラファームのブランドを確立し、知名度を上げることができ、さらなる成長の可能性を引き出すことができます。

さらに、日本の医薬品市場は世界で最も規制が厳しく、医薬品医療機器総合機構や厚生労働省による承認も複雑である。

このような状況の中、チェプラファーム株式会社の一守健太郎常務取締役は次のように強調する:

「チェプラファームは数年前から日本市場で活動していますが、これまでは常にパートナーを通じていました。

私たちの拠点、専門チーム、そして独自の医薬ライセンスがあれば、パートナーとの協力関係だけでなく、単独でもより効果的な活動が可能になります。

私たちの目標は、現地で販売許可を取得し、製品のマーケティングに責任を持つことだけではありません。

むしろ、医師と患者をサポートしながら、日本の高い倫理観と品質基準を満たす企業として、チェプラファーム株式会社を確立したいと考えています。」

一守健太郎は、日本のヘルスケア市場において15年以上のリーダーシップ経験を持つ。

チェプラファーム入社前は、サンド・ジャパンでオンコロジー・バイオ事業部および戦略企画実行部を統括し、2016年から2023年までアスペン・ジャパンで事業開発責任者を務めました。

それ以前は、ボストン・サイエンティフィック・ジャパン、アボット ジャパン、バクスタージャパン(いずれも東京)、名古屋のテバ製薬で様々な役職を歴任した。カナダのトロントにあるライアソン大学(現トロント・メトロポリタン大学)で航空宇宙工学を学んだ。その後、テンプル大学東京キャンパスで経営学修士課程を修了し、2013年に学部長表彰を受け優秀な成績で卒業した。

CHEPLA PHARM 2023/11/06

日本のプレスリリースとだいたい同じ情報ですが、

また違った見方があって、面白いプレスリリースだなと感じました。

 

 

ライバルは他の後発品メーカーが中心

薬の承継を積極的に行っている企業はいくつかありますね。

最近ですと

・ヤクルトからがん関連医薬品を承継した高田製薬

・ブリストルからいくつかの薬剤を承継したクリニジェンファーマ

こういった事例がパッと頭に浮かびます。

 

「承継、薬」と検索するといくつかの企業のプレスリリースが出てきます。

後発品企業が多いですね。

・ヴィアトリス

・富士製薬

・あゆみ製薬

などなどの名前が散見されます。

 

承継ビジネスは承継する薬があってなんぼかなと思うので、

先発企業からいかに薬を導入してくるかがポイントなのかなと推察します。

 

チェプラファームで今後需要が高まると予想されるポジション

 

立ち上がったばかりなので、なんとも言えませんが以下のポジションの需要は高まるのではないかと予想します。

・MR

・安全性部門

・資材作成部門

・流通部門 

・事業開発 

 

この中で個人的に面白いだろうなと思うのが、事業開発です。

先発企業から薬の承継を行う仕事がメイン業務になると思いますが、

人脈作りから始まって、価格交渉や細かな条件の打ち合わせなど

大変は大変ですが、やりがいはあるのではないかと思います。

 

すでに後発品メーカーでそういったお仕事をされていたり、

先発品メーカー側で承継をしたご経験のある方であれば、

求人があればマッチするのではないかなと思います。

 

 

出来たばかりの会社さんなので、ぶっちゃけどこのエージェントさんが案件を有しているか分かりません。

ただ、たいてい立ち上げ直後の外資ベンチャーは、人事の人手も不足しているのでエージェントを絞ります。

そういうときは経験のあるエージェントに案件がいきがちです。あとは人事の人の過去の人脈でエージェントが決まります。

JAC Recruitment 

エンワールドジャパン 

Answers

この3つのうちのどれかはおそらく案件を有しているのではないかな、もしくはこれから扱うようになるのではないかなと予想します。

ですので、ご興味ある方は情報取られてみてください。

 

 

ということで本日の内容は以上になります。

 

 

新しい製薬会社が日本で立ち上がるニュースは、例えそれが後発品を扱う会社であったとしてもなんだかワクワクしますね。

 

今後のチェプラファームの動向に注目していきたいと思います。

 

それでは本日は以上になります。

最後までお読み頂きありがとうございました!

 

 

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