この記事を読んでわかること ・製薬会社におけるEvidence generationの重要性 ・クロスファンクションに議論することの重要性 ・Evidence GenerationをLeadするポジションも近年急増中という事実
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どうもこんにちは、外資系製薬経営企画室に勤めるこういちです。
前回の投稿では、MSLについて私見を述べさせて頂きました。
Twitterでもご意見を頂き、嬉しく思いました。人から読んでもらい、コメントをもらえることは書くことのモチベーションに繋がりますね。
ありがとうございます。
さて、今回もMedical系の記事なります。
ずばり、Evidence Generationについてです。
最近はどこの製薬会社でも声高に活動がされてますよね。
販売情報提供ガイドラインの強力な規制も相まって、もはやエビデンス抜きでは物が語れない時代になりました。
そこで各社躍起になってエビデンス創出に力を入れているわけです。
そこで今回はこれまで数十件のevidence generationの創出に関わってきた経験と経営企画の視点も交えてあれこれ考察したいと思います。
Evidence Generationはクロスファンクションで議論してこそ。
R&Dだけが汗をかいている。(≒R&Dのみの視点で計画され、Publicationされている)
メディカルだけが汗をかいている。(≒メディカルのみの視点で計画され、Publicationされている)
こういう状態で出てきたエビデンスは、どこか物足りない状態でPublicationされがちです。
例えば、
論文化されても、資材化が難しい
マーケティングが伝えたいメッセージとは異なるメッセージが強く発せられている。
適応外の情報が入り過ぎてMRは使えない
などなどです。
主にマーケティング、現場のMR目線で意見していますが、こういう状態で出された論文や学会発表はたいていその場限りの利用に留まります。
なぜ、こういうことが起きるのか?
それはクロスファンクションの議論が不足しているからです。
また論文化された後の活用のことまで十分に議論されていないためです。
それらの事態を回避するためにも、R&D, メディカルアフェアーズ、マーケティングのメンバーを中心にしたクロスファンクションの議論が必要です。
当たり前のように思えて、結構出来ていない組織やチームが多い印象を持っています。
Evidence Generationの活動は、サイエンスの力に加えて、人を巻き込んでプロジェクトを進める力も同時に必要になります。
そのエビデンスで世の中は変わるのか?
エビデンスジェネレーションはアンメットニーズを明らかにする手段でもあります。
それらを明らかにすることで、多くの関心と治療の必要性を高めることが出来ます。
質問です。
・これから出そうとしているエビデンスで世の中は変わりますか?
・どのように変わりますか?
・エビデンスが出た後は、出しっぱなしで終わりですか?どう世の中に広めていきますか?学会発表のみで終わりですか?
エビデンスは貴重な財源でもあります。
宝の持ち腐れになっているパターンをこれまでいくつか見てきました。
出したら出しっぱなしで、連続性がないケースが多い印象です。
・MSLは活用していますか?
・資材化は検討されてますか?
・講演会の演者スライドに入っていますか?
・MRは十分内容を把握していますか?研修していますか?
出すだけで終わりではありません。
ぜひ最大限活用ください。
会社のプレゼンス向上、ROI(Return of Investment)も意識して。
「おいおい、このエビデンスを出して何がいいたいの?」
こんな経験お持ちの方も多いのではないでしょうか?
私はこれまでいくつか見てきました。
・自己満足的なもの。
・自社の活動に結びつきにくいもの。
・自社の不利益に繋がりそうなもの。
・KOLが出したいだけのデータ。
などなどです。
経営企画の視点で言えば、これではあまりにお粗末です。
Evidence Generationに費やされているお金、時間、人的リソースは会社が捻出しています。
そして、たいてい時間が掛かります。成果が得られるのは2年後、3年後というケースが珍しくありません。
つまり投資をしていることになります。
なので成果・見返り(return)は検証されるべきです。
それに見合うだけの成果・見返り(return)が得られない成果物に投資する意味合いは乏しいことは明白です。
でも、実際は結構多くの企業や組織で十分な検討がされないまま、Goが出されているケースが大半かと思います。
ROI(Return of Investment)は、投資に対してどれだけの見返り(return)が得られるかを測る指標です。
この仕組みを導入して、エビデンスジェネレーションの活動が管理されている製薬会社は多くはないと思いますが、大切な考え方です。
会社のプレゼンスに与える影響
医療に与える影響
患者さんに与える影響
業績に与える影響
これらを総合的に考慮した上で、プラスの影響、つまり見返りが多いのであれば当然プロジェクトは進めるべきです。
ROI的には業績に与える影響のみで評価することが正しいです。
ただ、会社のプレゼンスや医療、患者さんに与える影響がプラスかつインパクトが大きく、意義深いものであれば、収益に結びつきにくいプロジェクトであってもGOが出ることもあります。
それらを考慮、評価する際にもやはり多部門の視野は必要です。
新しいエビデンスが薬価に影響を与えたり、新しい適応症に繋がったり、ガイドラインの改訂に影響を及ぼすことは少なくありません。
クロスファンクションに議論することの意義はこのあたりも関係します。
Evidence Generationをリードする求人も増えてきてます。関心ある方はエージェントから情報収集を!
Evidence Generation Leadといったポジションを新設する製薬会社がこの5年でだいぶ増えました。
私のところにもこの手の求人がたくさん来ます。
仕事内容は、Evidence を自ら手を動かして創出するというよりも、Evidence generation の仕組み作りやプロジェクトマネジメントをする仕事のケースが多い状況です。
MSLで医師主導研究の手続きサポートをしたことのある方や、自ら学会発表をされている研究者の方で、周りを巻き込んで仕事を進めることに長けている方には、この役目はピッタリかなと思います。
求人は製薬に強みのあるエージェントが持ってますので、良かったら情報取ってみてください。
以上です。
長々と書きましたが、Evidence Generationの活動は今後ますます重要性が増すと思いますし、デジタルを活用したEvidence Generation活動は今後HOT TOPICになること間違いなしです。
というかすでになってますね。PHR(Personal Health Record)の分野などで。
ということで本日は以上です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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